勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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魔王城 前編

309.屈折と拡散

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 魔導砲を屈折しながら攻撃してくる。何か原因となる物があるはずだが、それが見当たらない。
 さっきのは上に当たって曲がったと思ったが、どうやら屈折していたみたいだった。
 前相手した時は、あんなに後ろの白い腕は太くなかったのもあるが、魔導砲を拡散、及び屈折する事はなかった。
 憑依していた影響で一部使えなかった可能性がある。

「逃げ回っていては攻撃は出来ませんよ!」

 更に魔導砲の数を増やし、俺へと襲いかかってくる。小さなレーザーがいくつも屈折しながら迫ってきていた。

「確かに、これでは逃げ回ってるものだな」

 左手のチェーンブレードを分離し、刃となったのを次々と彼女へと飛ばしていく。だが、それを魔導砲で全てを貫いていく。
 その後に刃は爆破していく。その爆発は彼女までは届かない。

「残念ね。そんな攻撃では私には届かない」
「普通に考えたら、あんたはもんなあ」
「・・・何・・・まさか!」

 魔導砲をそっちに集中している間に俺は彼女の後ろへと回り込んでいた。実際は魔法で強化した後に、最短距離で彼女の後ろへとバレずに移動した。
 俺の聖剣で斬りに掛かった時、それを背中の白い腕で受け止めるが、聖剣の時空間の攻撃で、勢いよく飛んでいった。
 吹っ飛ばされながらも、体制を立ち直り、両手両足で減速していった。

「何があったて言うのですか・・・」

 その後に彼女は立ち上がり、俺の方へと走り出す。白い腕からも魔導砲を何発も撃ちながらこちらへと迫って来る。
 俺はそれを壁で避けながら、左へと走り出す。
 拡散や屈折しながら俺の方へと次々と飛んで来る。

「かなり厄介になってるが、この建物の構造のお陰で助かってるな」

 柱へと当たっていっている為にこちらへとは届いてない。
 だが、強力な一撃だと貫通して飛んで来るだろうな。

「この威力では貫通しないのですね。なら、柱を全て無くしてしまえばいいのでしょうね」

 すると彼女は威力高めの魔導砲の球体を作り始めた。攻撃出来るのは今しかないが、どこまでダメージを与えられるか心配だ。
 それを見たのか、中に入っていた兵士達は次々と悲鳴を上げながら、外へと逃げていく。
 兵士達も逃げ出すほどの攻撃ねえ。俺も無傷では済まないだろうな。

「攻撃のチャンスを伺っているのでしょうか」

 彼女は俺を探しながら、そう呟いた。
 誰だって、今なら攻撃を仕掛けられる。だが、今挑んだら全て攻撃を防がれる可能性が高い。
 機会はまだ早い。チャンスは少し経った時、あれを発射する前だ。
 それまでの間、柱の陰で隠れながら、待機していた。
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