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第20章 落ち着かない残業
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執務室で机に向かっていた今田進一は、ノートブックのモニターから目を外した。時間は、5時30分、退勤時間を過ぎていた。同じ係の3人の職員は退勤していたが、いつも真っ先にチャイムを待って帰る慶子は珍しく机に向かっていた。
前を向いていた慶子が、進一に顔を向けてきた。慶子と目を合わせた進一は、あわてて視線を外した。きょうの昼休みの慶子の行動を思い出すと、仮想ゲームとはいえ、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。申し訳ない、と思っているわりに、進一の股間のものが意に反しせり上がるのを感じた。進一はあわてて両手で股間を押さえ込んだ。ゲームとは言え、なまめかしい感覚がよみがえった。
進一は、わずか4時間前のことなのに、昼休みのことが遠い過去のように思えた。純子が会議室に突然、現れ、役所の会議室で若い女子職員と不倫をしている現場を押さえられ、純子に後ろめたさを感じたのだろうか、その後の慶子に対する純子の異常な行動に服従したことが、慶子に対し申し訳ない気持ちになった。進一は冷静になって昼休みを思い出してみた。
今日の昼休み、突然、純子が会議室に現れあわてた。慶子と二人だけで弁当を食べることを純子に秘密にしていたはずだ。純子に知られたら彼女が逆上することは分かっていた。純子を病めるときも健やかなるときも愛する、と結婚式で純子と参列者に誓った。しかし、慶子の魅力に引き寄せられ、二人きりで会議室に入った途端、慶子に対する押さえた気持ちが決壊した。慶子も愛することを望んだ途端、その不倫の現場を純子に押さえられ、純子との結婚が終わった、と進一は観念した。ところが、純子の予想外の行動だった。純子は慶子が望んでいたことをやらせた、と言っていた。慶子が純子の命令を実行できないのなら、会議室には鍵が掛からないから逃げていけばいい。つまり、逃げなかったのは自分が望んでいたことだ、と慶子に言っていた。告訴するなら、どうぞ、とまで言い放った。
前を向いていた慶子が、進一に顔を向けてきた。慶子と目を合わせた進一は、あわてて視線を外した。きょうの昼休みの慶子の行動を思い出すと、仮想ゲームとはいえ、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。申し訳ない、と思っているわりに、進一の股間のものが意に反しせり上がるのを感じた。進一はあわてて両手で股間を押さえ込んだ。ゲームとは言え、なまめかしい感覚がよみがえった。
進一は、わずか4時間前のことなのに、昼休みのことが遠い過去のように思えた。純子が会議室に突然、現れ、役所の会議室で若い女子職員と不倫をしている現場を押さえられ、純子に後ろめたさを感じたのだろうか、その後の慶子に対する純子の異常な行動に服従したことが、慶子に対し申し訳ない気持ちになった。進一は冷静になって昼休みを思い出してみた。
今日の昼休み、突然、純子が会議室に現れあわてた。慶子と二人だけで弁当を食べることを純子に秘密にしていたはずだ。純子に知られたら彼女が逆上することは分かっていた。純子を病めるときも健やかなるときも愛する、と結婚式で純子と参列者に誓った。しかし、慶子の魅力に引き寄せられ、二人きりで会議室に入った途端、慶子に対する押さえた気持ちが決壊した。慶子も愛することを望んだ途端、その不倫の現場を純子に押さえられ、純子との結婚が終わった、と進一は観念した。ところが、純子の予想外の行動だった。純子は慶子が望んでいたことをやらせた、と言っていた。慶子が純子の命令を実行できないのなら、会議室には鍵が掛からないから逃げていけばいい。つまり、逃げなかったのは自分が望んでいたことだ、と慶子に言っていた。告訴するなら、どうぞ、とまで言い放った。
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