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3章 シュレーディンガーの猫編
37.Almost water (ほとんど水!) 挿絵有
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「もう!待っててって言ったのに!月斗ったら!………」
若干6歳にしておませな幼稚園児の心愛の半ば強引な命令でキリギリスの人の元に「素材」を届け終えた千里は急いで会場を出て、外で待ってるはずの月斗と心愛の姿を探した………が見当たらない。
千里1人で行かせるのは可哀想だからと会場まで3人で戻っては来たが外で待ってるから!と言われて「素材」を届け終え急いで戻ったのに!
よくよく考えたら最初から2人っきりになるつもりだったに違いなかった。
月斗が!って訳じゃ無くて心愛ちゃんが……ね!
「私もよくよく運の無い女だ…」
独り言をつい言ってしまう千里。
キリギリスの人の話ではDIYで弓と弦を完成させるのに2~3時間ほどかかるらしい。
DIYレシピ?なるものがあるらしい。
そもそも自分で作るんだ……と思った。
完成次第、第2部の上映を開始すると聞いて大急ぎで外に出た。
辺りをキョロキョロと見渡す千里の後ろから声がする。
「お姉さまー!」
1年の天道 京華が肩で息をしながら千里に近づいて来た。
「やっと見つけましたわ!」
「京華ちゃん?」
「私の知らない間にお姉さまったら居なくなるんですもの…」
そういえば…あの映像に夢中で京華ちゃんの事全然忘れてたな……と千里は思った。
「私、あの手の大きな白いアリが大の苦手ですの…。なので映像を見てられなくて少し会場を出てグルグルしてましたらアリの衛兵さんに別室に通されてお茶とかケーキをいただきながら色々とお話しをしてましたの…戻ってみるとお姉さまのお姿がみえなくてビックリしましたわ!」
白くないアリの衛兵は大丈夫なんだ…と千里は思った。言わんけど。
「ごめんなさい京華ちゃん!私、月斗を探してるの!」
「月斗先輩を?」
「そうなの!月斗が幼稚園児の女の子を連れて2人で街へデートしに行ったのよ!」
「まぁ月斗先輩ってやっぱり小さい子がお好きなのですね!」
「やっぱりって!何か月斗ってそんなイメージなの?」
「うーん、イメージ!というか素質というか?」
「素質?」
「人にはそれぞれ趣味趣向があって然りですわ…なので月斗先輩のそういった趣向も私は否定しませんわ」
否定してあげて!………ロリータコンプレックスの強い人認定みたいになっちゃってるのヤメテあげて……。
「私だってそう!」
ん?まさかの……
「私は以前お姉さまの事をずっとお兄様だと思ってましたの!」
ああ……髪が短くて男子に混じって部活をしてた時代の事だ……。
「最初はなんてお綺麗な男性なのでしょう!って思ってましたら実は女の方だったなんて……」
「うーん…何かゴメン…」
「いえ!むしろ「ど真ん中」で御座います!」
「………」
「やや、外寄りのシンカーで御座います」
「ゴメンなさい。ちょっとそのあたりの表現が分からなくて…」
コホン。京華は咳払いをすると
「兎に角、人それぞれって事で御座います。月斗先輩が幼女を愛でる趣味趣向があったとしても決してそれは他人がとやかく言って差し上げるのは可哀想なので御座います」
『そんな目で後輩の女子に見られてる月斗が可哀想で御座います……』
!!!!!
自分の思考が流れているのに千里はハッとする!
気付くと今橋の手が自分の肩に乗せられていた。
今橋はウンウンと頷きながら
『愛しの月斗様探し!オレも一緒に手伝ってやろう!』
「月斗先輩の事はそっとしておいて差し上げて!それよりもこの様な異国の地でのお姉さまとのデート!素敵ですわ!行きましょう!」
また珍しい組み合わせにいつの間にかなっていた。
――――――――――――――――――――――――
2
「もう!あっという間に見失いましたわ!お姉さまったらっ!」
16歳にしてお嬢様育ちの京華の半ば強引なデートの誘いを無視して千里は通りを一目散に猛スピードで駆け出していた。
千里は自身の魔法を使い遠くのモノを察知する千里眼という能力を駆使して月斗達の居場所を突き止めた。
会場を出て真っ直ぐ進んだ広場から先ほど3人で訪れた「棒屋」のある方角に2人の気配を感じとる。そして一目散に走り出し京華と今橋をあっという間に振り切った。
マネージャーとして現役選手を引退したものの足の速さや身体能力の高さでは男子部員にも引けを取らない。
「見つけた!」
千里は月斗と心愛の2人を見つけると相当な距離を全速力で走ったにもかかわらず息の乱れも全く無かった。
「千里!」
月斗が千里に気付くと心愛がグイっと月斗の腕を引っ張って「ダメ~」と言う。
そして千里に向かって
「何で付いてくるのよ!」とつり気味の目でキッと睨んだ。
「ダ……ダメだったか?……その……私も一緒に街を見て回りたかったんだ…その…悪かった…」
そう言って帰ろうとする千里に心愛が言う。
「しょ…しょうが無いわね!その代わりどこに行くかは私が決めるんだからね!」
「あっ、ああ。ありがとう!心愛ちゃん!」
あまり感情を表にしない千里の笑顔に月斗がドキっとした。
「やっぱり、ヤぁーめた!」
と言って心愛が月斗の腕を掴んで走り出す。
「足には自信があるんだ!駿には敵わないが!」そう言って千里がまた2人を追いかける。
その様子をやっとの思いで千里に追いついた今橋と京華が見ていた。
『千里って笑うとかわいいんだな…』今橋の思考が流れ出る。
「そうよ!黙ってるとクールですけど!笑うととってもキュートなんですのよ!……見る目の無い男ばっかりで嫌になりますわ……てゆうかお姉さまに惚れても無駄ですわよ……」
『ああ!あれは、月斗に惚れてるよな!』
「ええ、お互い本人同士は気付いて無いみたいですけれど……」
『あの園児とは相性が悪そうだ……な…』
「エエ、ほとんど水と油ですわね…」
――――――――――――――――――――――――
3
ここにも珍しい組み合わせの2人がいた。
アリの巣内にある道具屋に向かう、金髪リーゼントの本庄 陸と道修 空太だった。
幼馴染同士の月斗と陸、そして空太と駿の組み合わせが多い中、この2人のツーショットはなかなか珍しい。
2人は中等部時代からチームメイトではあるが試合中はおろか練習中ですら2人が会話してるところを見た事がない。
アリの女王ロボの操縦席から出た2人は陸が名付けた「センズRe」を求めて街へと出て来た。
女王ロボの自爆に伴い壁面に大量に付着していた「センズRe」は跡形もなく消えてしまい、わずかに手に入れた3粒はもう消費済み。
今後の旅の事を考えて出来るだけ多く入手しておきたいところだった。
女王アリ1がいうには色々な商店が建ち並ぶ一角に雑貨屋があり、そこに売ってるという事だ。
操縦席には1人、駿が残り、堂島と梶は別の要件に対応することになっていた。
仕方なく否応なしにこの2人が一緒に行動することとなったが道中、終始無言。
どちらも口をきかないまま店の前に到着しお互い無言のまま店のドアを開ける。
店内にいる主人がどんなのかもほとんど見ずだった。
更に店内にいる他の客が誰かもほとんど見ずだった。
「すみません。体力を回復する薬がここに置いてあるって聞いたんですけど…」
陸が店員らしき人物に声を掛ける。
「いらっしゃいませなのニャ!」
ニャ?
声の主は猫耳、尻尾、語尾にニャ!の青い猫型の亜人種だった。
梶が見たら泣いて喜ぶシチュエーションにも関わらず2人はほとんど見ず。
「ああ、クリソソのことなのニャ?」
「クリソソ?」
「コレにゃ!体力を回復したり怪我を治すニャ!」
陸が店員の指差したペットボトルサイズの容器を手に取る。
「重っ!ってこんなに重いの?」
『そりゃそうニャ!だいぶ薄めてあるニャ!中身はほとんど水ニャ!水で1000倍以上薄めてあるニャ!』
!!!!
『心の声が漏れてるニャ?マズイニャ!何故ニャ?』
店主の後ろにいた今橋が声を掛けようと肩をポンポンと叩いて呼び止めた瞬間だった。
天道 京華も側に立っていた。
「!!こんなに重いのに?」
『ほとんど水ニャ!そして心が重いニャ……』
――――――――――――――――――――――――
4
「まさかアリの巣に天然温泉があるとはな!」
「エエ、冒険!イベント!ギルド!ボクの憧れだった異世界観はフル無視ですよ!アリとかキリギリスとか……童話ですか?……でも街に店があるのも驚きですよね!」
「ああ、汚れを落としたら後で行ってみよう!」
「ええ、頭から恥ずかしい白い液体まみれですもんね!」
「ん?………ああ、コレか…梶?何か容器みたいな物は無いか?」
「いえ、生憎そんな都合よく無いです…」
「そうか…まぁ、女王1の話だと雑貨屋に売ってるって言ってたものな!陸たちに任せておけば大丈夫だろ!」
「そうですねー。でも先輩達お金とかよく持ってましたねー!」
「ん?金?」
「エエ、当然お店なんで買い物するのにお金が要りますよね?」
「おっ…おお!そうか!そうだな!……でもアリの店だから砂糖とかと物々交換じゃない?交換するもの無かったらツケといて貰えばイイんじゃない?女王に頼んで!」
「ハハっ!先生、アリの事舐めすぎですよ!」
そう言って堂島が頭から白い液体を垂らしながら会場近くにあるという天然温泉施設に向かっていた。
会場の前を通りかかるとバス運転手の三原が2人を見かけて声をかけて来た。
「三原さん無事だったんですね!」
「堂島先生の方こそ!……しかし、すごい活躍でしたね!」
「活躍?」
三原がこれまでの経緯を説明する。
そんな活躍したかな?と不思議に思いながらも堂島は三原を温泉に誘った。
珍しい組み合わせである。
50近いおじさんと残念イケメン高校教師。
そしてこれまで目立った活躍のない男子高校生。
おじさんは兎角、温泉だとか、風呂とかが好きだ。
タオルを頭に乗せ熱い風呂に入りたがる。
すぐにホイホイついて来た。
埃っぽい場所ばかりで過ごした疲れた体を癒すには、オッサンも天パの少年も妖精も関係ないのだろう。
服を脱いでタオルを手にした3人は脱衣所から奥の温泉へと向かった。
期待以上に中は広い。
「広いですね!」
「奥に露天風呂もあるみたいですよ」
「誰も居ないな!お先!」
そう言って堂島(どうじま)はダッシュで湯船に駆け出し、かかり湯も無しにザバーーーーーッ!と飛び込んだ!
「ウワッ!!!!冷た!何これ?」
体が一気に冷える!
慌ててすぐに飛び出た。
「ん?」
三原が湯船に手を突っ込む…
………………
「ワッ!冷た!何?コレ?温泉って言うより…ほとんど水だ!」
――――――――――――――――――――――――
5
「カレーは大好きだ!家でもママが良く作ってくれるし2日目のカレーは最高だ!」
千里がやや興奮気味に話している。
さっき行った「棒屋」までの道中に飲食店を何軒か見かけた。
看板の文字は読めなかったがどうやらこんなアリの巣内の街に「カレー屋」があるとは思わなかった。
看板を見ても「カレー屋」かどうかはわからなかったが店の前を通った時のスパイスの香りからしてそこが「カレー屋」でなくて何屋なのか?
食欲をそそる匂いがその辺りに漂っている。
「私は…たまらなくここに入ってみたいんだが…月斗!どうしよう?……でも心愛ちゃんにはスパイスカレーは…無理…か?」
「フン!今、明らかに私を子ども扱いしたわね?」
「いや…そんなつもりは無かったんだ…ゴメン」
「いいわ…ちょうどさっきの甘ったるいケーキのお口直しがしたかったところよ!」
そう言って心愛が月斗の腕を掴んでスタスタスタっとその店の中へと入っていく。
「いらっしゃいませニャ!」
「ニャ?」
よく見ると猫耳、尻尾、語尾にニャ!黄色い猫型の亜人種だった。
「3名様ニャ?」
「どうしよう月斗!この店員さんめちゃくちゃ可愛いんだが?連れて帰ったらダメだろうか?」
千里が黄色い猫型の店員を見て目をキラキラさせている。
月斗は少しドキッとした。
「どうせ東京と言いながら千葉にある世界一有名なネズミの人の様に中に人が入ってるんだ!ダメだぞ!連れて帰ったら!中身は小さいオっさんだぞ!」
「馬鹿な事を言うな!ネズミさんに中の人なんかいない!ペッパー君にだって中の人などいないんだぞ!」
「なっ⁈⁈エッ⁈べッパー君の中に人が居ないだとっ?……まさか?じゃあ、何故あんなに流暢に会話が出来るんだ???まるでべッパー君はロボだとでも言うのか⁈」
「ああ!べッパー君はロボですわ!って京華ちゃんに聞いて私もめっちゃ驚いた!私も最近、中の人などいないって知ったんだ。これまで私はベッパーくんを店でみつけるたびに耳元で狭い中お疲れ様ですと囁いてたのだが最近辞めた!」
「まさか!?あんな高性能なロボを?日本にそんな技術が?どれだけ先進国なんだ!……だが…さすがにアイポには中に生身の犬が入っているんだろ?」
「アイポには流石に中の犬がいるに決まってるだろ!」
心愛は月斗は顔はいいけどちょっと頭が残念な人なのかも?と思いながら月斗の腕に更にしがみつく!
メニューを見るが全く読めない。
「とりあえずお勧めのカレーを頼んでみようか?」
月斗がそう言うと店員を呼んだ。
店員がピョコピョコ歩いてくる。
「おまたせニャ!」
「マズイ!めちゃくちゃ可愛いいんだが!連れて帰ったらダメだろうか?」
また千里が目をキラキラさせている。
ダメだ。と小声で呟く。
「すみません、お勧めのカレーってあります?」
月斗の問いかけに首を傾げながら
「カレー?」
その仕草がまたあざと可愛い!
「この香りのいいやつです。茶色って言うか黄色って言うか……その…」
「ああ「クソソソ」のことニャ?」
「クソソソ?カレーってこの世界では「クソソソ」って言うのか?ビジュアルと響き的に嫌な名前だな…」
「わからん…わからんが仕方ない。一つ試しに注文してみよう!」
千里はそう言って店員に「クソソソ」を一つ注文した。
「一つでいいニャ?」
可愛い仕草で見つめて来る猫店員。
「と…とりあえず1つ……。」
千里はそれと店員さんをお持ち帰りで!と言いかけて踏みとどまった。
申し訳無さそうに千里が1皿だけ試しに注文してみる。
しばらくしてテーブルに「クソソソ」が運ばれて来た。
「カレーだ!」
「カレーだな!」
「では、心愛ちゃん!先に食べてみるか?」
千里がそう言うと
「なぁに?私に毒味でもさせるつもり?あなたが食べたら?」
「い…いいのか?」
千里は嬉しそうにスプーンを手にして一口。
「ん?味がしないぞ……」
2口め。
「全く何の味もしない…?」
そして3口目を口に入れた瞬間!
「うっ!美味い!でも後から辛っ!!!。だっ!だが舌先ではなく喉元に来る絶妙の辛さ!そして舌先で最初に感じる甘さと酸味、苦味、最後に来る旨味!月斗!お前もどうだ!」
そう言って千里が月斗にスプーンを渡した。
ゴクリ。
月斗が唾を飲み込む音が響く。
(千里と間接キス…か!)
すると心愛がスプーンを取り上げ一口。
「!!何っにも味がしないわ!」
「!!そんなはずは…」
「ホントよ!ハイ月斗」
と言って月斗にスプーンにすくったカレーを食べさせた。
「???ほんとだ!何にも!味がしない。」
「そんなはずは!」
と言ってスプーンを取り上げ様とした千里に対して(させるか!)とばかりに心愛が自分の口に入れる。
「美味しい!って後から辛っ!!!でも喉元に来る辛さが心地いいわ!」
「だっ!だろ?」
「ハイ月斗!」
幼稚園児にアーンってされてる月斗も可愛いな。と千里は思った。
「ん?やっぱり味がしないぞ!」
「そんなはずは!」と言って。
心愛が口にする。
「ん?」
もう一口続けて
「美味しい!って辛っ!」
「ん?ん?美味しい!って辛っ!」
「ん?ん?美味しい!って辛っ!ん?ん?美味しいって辛っ!ん?ん?美味しい!って辛っ!て何なのよ!」
完食していた……。
「……追加で頼もう…か?」
しばらくして、新たに2皿同じ物が月斗と千里の前に運ばれる。
「ん?ん?旨っ!って辛っ!ん?ん?旨って辛っ!」
「ん?ん?美味しい!って辛っ!ん?ん?美味しいって辛っ!」
2人も完食した。
あっという間に……
「なっ!何なんだ……?こんなスピードでカレーを完食した事は無い…んだが……。カレーは…飲み物…とはよく言ったものだ。……通常の3倍くらいの早さかもしれない…。」
「あ。ああ。3倍…か。……3の倍数?…」
「こんなに美味しいカレーは昔、神戸の王子動物園の前で食べた薬膳(やくぜん)カレー以来はじめてだ…」
「ああ!あそこか…」
「ああ。……シェ…シェフを呼ぶか?……」
「シェフかどうかはさておき、理由が…気になるな…3の倍数だけがめちゃくちゃ旨いって?」
月斗はそう言ってさっきの店員に料理人を呼んでもらう様お願いした。
しばらくして厨房から料理人と思われる人物が現れる。
全身赤い……猫?
「どうかしたニャ?」
赤いのもピョコピョコ歩いてかわいい。
「すみません。余りにも美味しかったので……」
「3倍クソソソの事かニャ?」
「ええ、コレの事です。」
「クソソソのことかーーーーーッ?ニャ」
なんかめっちゃ怒られてる!
「すみません。怒らせるつもりは…無かったんですけど……さっきもこんな感じの事があったけど……あまりに美味しくて.…コレって一体何の材料を使ってるんですか?」
「材料……?ほとんど水ニャーーーーーッ!」
なんかめちゃくちゃキレられた。
――――――――――――――――――――――――
6
各店には猫耳、尻尾、語尾にニャの色とりどりの猫の亜人がピョコピョコ働いていた。
お嬢様育ちの天道 京華はあちらこちらのお店で大量に買い物をする。
ノールック投法ならぬノールック購入で値札をほとんど見ず!だった。
『何かレベルが上がったみたいで相手に触れなくても心の声が流れ出す様になったみたいだ!』
『より一層の社会的距離でお願いしますわ!)』
今回も駿の登場シーンはなくほとんど見ずだった………。
他にも沢山登場人物はいるが
ほとんど見ずだった……。
3倍カレーを飲む様にして食べた3人は次々とトイレへと駆け込んだ。
物凄い下痢に見舞われる。
出たものは、ほとんど水だった……
――――――――――――――――――――――――
7
「お客さん。お金も無いのによくもまぁ……困るのニャ。こっちも慈善事業してる訳じゃ無いニャ……」
猫耳、尻尾、語尾にニャの店員が言う。
「金が無いなら身体で払ってもらうニャ!……少し先の辺りは歓楽街なので……そこで働いてもらうニャ!」
「どうやら…続きの映像は見れそうに無さそうだ……。残念だ」
「身体で払うって…?一体……何を?…」
猫耳、尻尾、語尾にニャの店員が言う。
「仕事は…手取り早くフロに沈んで貰いたいところニャ……が。今は温泉がほとんど水なので仕方ないニャ!キャバクラかホストとして働いてもらうニャ!そう!ほとんど「お水」ニャ!」
37.Almost water (ほとんど水!) 完!
to be continued in 38. magical Love toys(魔法の愛玩具)
0
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