25 / 42
広域戦術兵器
しおりを挟む
エンジンを停止すると、体を固定していた特殊ゲルが柔らかくなって、シート下に流れて行く。
特殊な繊維でできたパイロットスーツは、濡れてもいないしベタつきもしていない。本当に、いい加減慣れてはきたものの、不思議な感覚だ。
フェアリーから降り、整備員に問題は無かったと告げ、真理と明彦と合流して更衣室へ向かう。
「ルナリアンも、新型が多くなって来たねえ」
「ああ。お互いに終わりがないな」
「同じ地球内でも、張り合いと出し抜き合いだしな」
戦争を終わらせる気が本当にあるのかと訊きたいものだ。
「でも、パペットシステムは大したもんだぜ」
しみじみと明彦が言った。
「それよりもこのゲルだよ。ただ単に体を固定するだけじゃあ体への負担はそう変わらないけど、あの特殊ゲルはそうじゃなくて、負担を軽減するんだからな。どういう理屈なんだろうな」
俺は何度も考えてみたが、よくわからない。
そこについては秘密らしく、教えてももらえない。
それでも実際に、これまでなら不可能だった機動でも可能とし、対G限界を上げている。その結果、俺達自衛軍パイロットはルナリアンの曲芸じみた機動に追随する事を可能とし、これが全ての機体に採用されれば、かなりの戦力アップが見込める。
「頭のいいやつは、色々考えつくもんだぜ」
「確かにねえ」
ま、高校生ではわからない理論なんだろうという事だけはわかった。
ゲートには相変わらず、ルナリアンが調査、奪取の為に近付く。
そして活動域が広がったせいなのか、ノリブとの接触も増えている。特に、ゲートを乗り継いで遠くへ跳ぶと、ノリブと遭遇する回数が上がるだけでなく、群れの規模が大きくなるようだ。
俺達は今、最も外側のゲートからワープアウトした。一応辺りは今の所静かだ。
そこで、新たな無人のゲート組み立て機を放つ。凄い速さで遠ざかって行く無人機を見送ると、一緒にワープアウトして来たアメリカ軍と別れ、別々の宙域を警戒する事になっている。
ノリブのワープゲートが無いか、チェックだ。
岩でできているので、アステロイド帯の近くなどでは機械での発見は難しい。根気よく、目視で探す事になる。
空間を区切り、少しずつ手分けしながら、チェックをする。
小さく区切った範囲内を虱潰しにチェックし、クリアにしていく。
『この辺りは大丈夫そうだな』
ユウが安心したように言う。
『そうやな。ここらまでクリアってことで良さそうや』
『よし。今日の予定分は済んだし、ここまでにしよう。帰るぞ』
それで俺達はあすかに帰ろうとしたのだが、隊長から連絡が入った。
『アメリカ軍が当たりを引いた。向こうにルナリアンが潜んでいたらしい。あっちは心配無用という事らしいが、ゲートで待機するぞ』
『無人機は攻略済みだし、広域兵器を使うのかなあ』
真理のセリフに、皆、思わず黙り込む。
『まあ、とにかく帰艦して来い』
あれは、宇宙時代の核兵器だ。環境への影響も不明だ。
「そんなに、なりふり構わず一番でいたいかね」
俺はあすかへ向かいながら、苦いものを噛み締めた。
俺達飛行隊を収容したあすかは、ゲートに戻り、万が一ルナリアンがアメリカ軍を突破して来た時に備えて待機する。
俺達は格納庫脇の待機所で、壁にかかったモニターに映るメインカメラの映像を見ていた。
超望遠のカメラで捉えた映像で、戦場は小さくしか見えない。それでも、両軍がぶつかり合うのが見えた。
「アメリカ軍も、対策はして来たみたいだねえ」
ルナリアンと無人機は、まあまあ、互角に見える。
でも、何だろう。
「何か、不自然?」
「ああ?何がや?」
思わず出た呟きを、タカが聞きとがめる。
「いや、何とは言えないけど、ルナリアンの位置とか変じゃないですか?それにいつもは、もっと派手に、こう、散らばるっていうか」
それに即同意したのはユウだった。
「そうだな。あれじゃあまるで、ルナリアンの艦が、スナイピングを狙っているような位置取り・・・まさか、そうか?」
緊張したような顔つきになる。
「何や?」
「広域戦術兵器を開発したのは、アメリカだけとは限らないという事だよ」
「まさかぁ」
半信半疑の明彦に、ヒデが言う。
「軍事に、想定外、もし、まさかは無い」
俄かに緊張した空気が満ちる中、ヒデが艦内電話をかける。
その時、画面が真っ白になった。
「何だ!?」
思わず腰を浮かせて画面の回復を待つ。
やがて回復した映像を見て、何があったのか、大雑把に理解した。
両軍共、艦の装甲が解けたようになっていて、小さくは無い損傷を受けている。そして、ルナリアンの戦闘機もアメリカの無人機も数を減らしているが、その割には辺りに残骸が少ない。
そして、アメリカ軍の後方にあった小惑星がごっそりと質量を減らしていた。
「やりあいやがった。どっちも、喰らったらおしまいやな」
タカが唸る。
「核もどきを、両方が使ったのか?」
明彦が狼狽えるように言った。
「多分な。アメリカ軍艦は艦側面が融解してるし、後ろの小惑星がえぐられてる。言わば・・・超大型の超強力なビーム兵器をルナリアンは使ったんだろう。
ルナリアンの艦は前部に損傷が固まってるし、前方の戦闘機が撃ち合ってた辺りがすっかりなくなってる。アメリカの広域戦術兵器の実験映像が、こんな風に完全に蒸発させてただろ」
俺が言うと、ユウが頷いて続ける。
「ルナリアンの兵器は直線に攻撃が通るらしいし、艦の位置をチェックし続けていれば、発射の兆候は読み取れるだろう。アメリカの方は・・・まあ、今の所は友好国だしな。幸い」
「ええーっ。今のところはって」
「まあ、向こうの機体が少ないところがやばい、くらいかな。
あ、でも、無人機なら犠牲にしてくるかもなあ」
「そんなあ、砌ぃ」
「仕方ないだろ。形状とかも知らないんだし」
言っていると、ヒデが受話器を置いて振り返った。
「このまま待機だ」
両軍は睨み合っていたが、すぐにお互いの艦はに距離を開け始め、戦闘機を収容してそのまま戦闘を終了させる。
それを見て、ホッと息をつく。
「いや、次は俺達があれの相手をするかも知れないのか」
安心など、していられない。戦場で安心できる場所なんて、どこにある?
特殊な繊維でできたパイロットスーツは、濡れてもいないしベタつきもしていない。本当に、いい加減慣れてはきたものの、不思議な感覚だ。
フェアリーから降り、整備員に問題は無かったと告げ、真理と明彦と合流して更衣室へ向かう。
「ルナリアンも、新型が多くなって来たねえ」
「ああ。お互いに終わりがないな」
「同じ地球内でも、張り合いと出し抜き合いだしな」
戦争を終わらせる気が本当にあるのかと訊きたいものだ。
「でも、パペットシステムは大したもんだぜ」
しみじみと明彦が言った。
「それよりもこのゲルだよ。ただ単に体を固定するだけじゃあ体への負担はそう変わらないけど、あの特殊ゲルはそうじゃなくて、負担を軽減するんだからな。どういう理屈なんだろうな」
俺は何度も考えてみたが、よくわからない。
そこについては秘密らしく、教えてももらえない。
それでも実際に、これまでなら不可能だった機動でも可能とし、対G限界を上げている。その結果、俺達自衛軍パイロットはルナリアンの曲芸じみた機動に追随する事を可能とし、これが全ての機体に採用されれば、かなりの戦力アップが見込める。
「頭のいいやつは、色々考えつくもんだぜ」
「確かにねえ」
ま、高校生ではわからない理論なんだろうという事だけはわかった。
ゲートには相変わらず、ルナリアンが調査、奪取の為に近付く。
そして活動域が広がったせいなのか、ノリブとの接触も増えている。特に、ゲートを乗り継いで遠くへ跳ぶと、ノリブと遭遇する回数が上がるだけでなく、群れの規模が大きくなるようだ。
俺達は今、最も外側のゲートからワープアウトした。一応辺りは今の所静かだ。
そこで、新たな無人のゲート組み立て機を放つ。凄い速さで遠ざかって行く無人機を見送ると、一緒にワープアウトして来たアメリカ軍と別れ、別々の宙域を警戒する事になっている。
ノリブのワープゲートが無いか、チェックだ。
岩でできているので、アステロイド帯の近くなどでは機械での発見は難しい。根気よく、目視で探す事になる。
空間を区切り、少しずつ手分けしながら、チェックをする。
小さく区切った範囲内を虱潰しにチェックし、クリアにしていく。
『この辺りは大丈夫そうだな』
ユウが安心したように言う。
『そうやな。ここらまでクリアってことで良さそうや』
『よし。今日の予定分は済んだし、ここまでにしよう。帰るぞ』
それで俺達はあすかに帰ろうとしたのだが、隊長から連絡が入った。
『アメリカ軍が当たりを引いた。向こうにルナリアンが潜んでいたらしい。あっちは心配無用という事らしいが、ゲートで待機するぞ』
『無人機は攻略済みだし、広域兵器を使うのかなあ』
真理のセリフに、皆、思わず黙り込む。
『まあ、とにかく帰艦して来い』
あれは、宇宙時代の核兵器だ。環境への影響も不明だ。
「そんなに、なりふり構わず一番でいたいかね」
俺はあすかへ向かいながら、苦いものを噛み締めた。
俺達飛行隊を収容したあすかは、ゲートに戻り、万が一ルナリアンがアメリカ軍を突破して来た時に備えて待機する。
俺達は格納庫脇の待機所で、壁にかかったモニターに映るメインカメラの映像を見ていた。
超望遠のカメラで捉えた映像で、戦場は小さくしか見えない。それでも、両軍がぶつかり合うのが見えた。
「アメリカ軍も、対策はして来たみたいだねえ」
ルナリアンと無人機は、まあまあ、互角に見える。
でも、何だろう。
「何か、不自然?」
「ああ?何がや?」
思わず出た呟きを、タカが聞きとがめる。
「いや、何とは言えないけど、ルナリアンの位置とか変じゃないですか?それにいつもは、もっと派手に、こう、散らばるっていうか」
それに即同意したのはユウだった。
「そうだな。あれじゃあまるで、ルナリアンの艦が、スナイピングを狙っているような位置取り・・・まさか、そうか?」
緊張したような顔つきになる。
「何や?」
「広域戦術兵器を開発したのは、アメリカだけとは限らないという事だよ」
「まさかぁ」
半信半疑の明彦に、ヒデが言う。
「軍事に、想定外、もし、まさかは無い」
俄かに緊張した空気が満ちる中、ヒデが艦内電話をかける。
その時、画面が真っ白になった。
「何だ!?」
思わず腰を浮かせて画面の回復を待つ。
やがて回復した映像を見て、何があったのか、大雑把に理解した。
両軍共、艦の装甲が解けたようになっていて、小さくは無い損傷を受けている。そして、ルナリアンの戦闘機もアメリカの無人機も数を減らしているが、その割には辺りに残骸が少ない。
そして、アメリカ軍の後方にあった小惑星がごっそりと質量を減らしていた。
「やりあいやがった。どっちも、喰らったらおしまいやな」
タカが唸る。
「核もどきを、両方が使ったのか?」
明彦が狼狽えるように言った。
「多分な。アメリカ軍艦は艦側面が融解してるし、後ろの小惑星がえぐられてる。言わば・・・超大型の超強力なビーム兵器をルナリアンは使ったんだろう。
ルナリアンの艦は前部に損傷が固まってるし、前方の戦闘機が撃ち合ってた辺りがすっかりなくなってる。アメリカの広域戦術兵器の実験映像が、こんな風に完全に蒸発させてただろ」
俺が言うと、ユウが頷いて続ける。
「ルナリアンの兵器は直線に攻撃が通るらしいし、艦の位置をチェックし続けていれば、発射の兆候は読み取れるだろう。アメリカの方は・・・まあ、今の所は友好国だしな。幸い」
「ええーっ。今のところはって」
「まあ、向こうの機体が少ないところがやばい、くらいかな。
あ、でも、無人機なら犠牲にしてくるかもなあ」
「そんなあ、砌ぃ」
「仕方ないだろ。形状とかも知らないんだし」
言っていると、ヒデが受話器を置いて振り返った。
「このまま待機だ」
両軍は睨み合っていたが、すぐにお互いの艦はに距離を開け始め、戦闘機を収容してそのまま戦闘を終了させる。
それを見て、ホッと息をつく。
「いや、次は俺達があれの相手をするかも知れないのか」
安心など、していられない。戦場で安心できる場所なんて、どこにある?
0
あなたにおすすめの小説
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる