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交差し始める想い
初めての逢瀬
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カゲと合わない日々の中、魔王が最後の大会前に忙しくなる前に会いたいからと、会いに来て初めて魔王と二人で会う事になった。
当日
「遠くからお疲れ」
俺は魔王を駅まで出迎えた。
魔王は俺の家に行きたいと望んだから、一泊してのんびり過ごす事にした。
「君に会えると思ったら疲れなんてないよ」
「そうか、それなら良かった。俺の家でいいんだよな?」
俺は魔王を迎えの為待たせていた車に乗せて自宅へと向かった。
魔王は家に着くと緊張しているのか、玄関先で先に入る俺の背を見ていて、俺は視線に気づいて振り返り首を傾げた。
「どうかした?」
「……あっ、別になんでもない」
「そうなの?ヒカルとゴウキが言ってたけど、舞桜の家と変わらな広さなんだよな?俺しかいないし寛いでくれていいからな」
俺は魔王の荷物を奪うように持ち家の中に招き入れた。
用意していた客室に荷物を持って案内をした。
「疲れてるよな、部屋で寛ぐ?それともリビングでお茶でも飲むか?」
魔王は荷物だけ部屋に置くとリビングでお茶を飲んで俺と話したいと言われたから、魔王が部屋に荷物を置いて来る間に俺は家事全般をしてくれているメイドにお茶の準備をしてもらって魔王を待った。
お茶の準備が整うと魔王はリビングに戻ってきた。
「いい香りだね」
「そうか?気に入ってくれるならいいんだけどな」
俺はソファに座り魔王にも座るように促した。
「君と一緒に飲めるだけで嬉しいよ」
魔王は向かいに優雅に座った。以前にゴウキが言った気がする、魔王の家も広いらしいって……魔王の家は裕福なのだと優雅に座る姿に思い出して魔王を見ていた。
「……そんなに見られると照れるんだか」
「ごめん。見すぎたか?」
俺は魔王に笑み向けて目の前のお茶を一口飲んだ。
「俺は…君が好きだと伝えたが、君は俺と西影さんのどちらの手を取ってくれる?俺は光一が決めるまでは諦めるつもりはないよ。…決めてもすぐには諦められないとは思うが邪魔はしないよ」
寂しげに目を伏せながらもお茶を飲む魔王の姿に異世界に残してきた息子が、俺の最後に近い姿を見ていた表情と重なった。
魔王はカゲを選んでも俺の側にいたいという、カゲは魔王を選んだら俺の側から離れるという……。
既に答えは出てるけど…選べない俺は狡いって理解はしてる…。
それでも、俺は選ばないという答えしか出来ない。
俺は魔王の側に座り抱きしめた。
「……ごめんな。選べないけど舞桜の側にはいるから、そんな顔はしないで欲しい」
俺は魔王を抱きしめ不安そうな表情で俺を見つめる魔王の頬を撫でた。
魔王は撫でた俺の手に擦り寄って俺を引き寄せて俺との距離を縮めた。
魔王は引き寄せる手を震わせながら俺に口付けてきた。
俺は拒絶も受け入れもせずしたいようにさせた。
「……好きなんだ。俺は君を離しくないんだ」
俺の態度に懇願するように見つめ、俺の肩に頭を乗せてきた。
「……うん、知ってる。でも、俺は選ばないって決めたから」
「ねぇ、俺じゃなく西影さんにキスされたら…?」
魔王は不安気に瞳を揺らし尋ねてきた。
「……あのさ、俺に選べって言いたいのか?俺が今望むのは秋桜と最後の全国大会で全力のお前と戦って勝ちたいんだ。…それに、俺は選ばないって決めた。舞桜が俺にキスしたきゃしてもいい、でもお前と付き合うとかはしないし突き放しもしない」
魔王は泣きそう表情を浮かべながらも俺を押し倒し噛みつくようなキスをしてきた。
当日
「遠くからお疲れ」
俺は魔王を駅まで出迎えた。
魔王は俺の家に行きたいと望んだから、一泊してのんびり過ごす事にした。
「君に会えると思ったら疲れなんてないよ」
「そうか、それなら良かった。俺の家でいいんだよな?」
俺は魔王を迎えの為待たせていた車に乗せて自宅へと向かった。
魔王は家に着くと緊張しているのか、玄関先で先に入る俺の背を見ていて、俺は視線に気づいて振り返り首を傾げた。
「どうかした?」
「……あっ、別になんでもない」
「そうなの?ヒカルとゴウキが言ってたけど、舞桜の家と変わらな広さなんだよな?俺しかいないし寛いでくれていいからな」
俺は魔王の荷物を奪うように持ち家の中に招き入れた。
用意していた客室に荷物を持って案内をした。
「疲れてるよな、部屋で寛ぐ?それともリビングでお茶でも飲むか?」
魔王は荷物だけ部屋に置くとリビングでお茶を飲んで俺と話したいと言われたから、魔王が部屋に荷物を置いて来る間に俺は家事全般をしてくれているメイドにお茶の準備をしてもらって魔王を待った。
お茶の準備が整うと魔王はリビングに戻ってきた。
「いい香りだね」
「そうか?気に入ってくれるならいいんだけどな」
俺はソファに座り魔王にも座るように促した。
「君と一緒に飲めるだけで嬉しいよ」
魔王は向かいに優雅に座った。以前にゴウキが言った気がする、魔王の家も広いらしいって……魔王の家は裕福なのだと優雅に座る姿に思い出して魔王を見ていた。
「……そんなに見られると照れるんだか」
「ごめん。見すぎたか?」
俺は魔王に笑み向けて目の前のお茶を一口飲んだ。
「俺は…君が好きだと伝えたが、君は俺と西影さんのどちらの手を取ってくれる?俺は光一が決めるまでは諦めるつもりはないよ。…決めてもすぐには諦められないとは思うが邪魔はしないよ」
寂しげに目を伏せながらもお茶を飲む魔王の姿に異世界に残してきた息子が、俺の最後に近い姿を見ていた表情と重なった。
魔王はカゲを選んでも俺の側にいたいという、カゲは魔王を選んだら俺の側から離れるという……。
既に答えは出てるけど…選べない俺は狡いって理解はしてる…。
それでも、俺は選ばないという答えしか出来ない。
俺は魔王の側に座り抱きしめた。
「……ごめんな。選べないけど舞桜の側にはいるから、そんな顔はしないで欲しい」
俺は魔王を抱きしめ不安そうな表情で俺を見つめる魔王の頬を撫でた。
魔王は撫でた俺の手に擦り寄って俺を引き寄せて俺との距離を縮めた。
魔王は引き寄せる手を震わせながら俺に口付けてきた。
俺は拒絶も受け入れもせずしたいようにさせた。
「……好きなんだ。俺は君を離しくないんだ」
俺の態度に懇願するように見つめ、俺の肩に頭を乗せてきた。
「……うん、知ってる。でも、俺は選ばないって決めたから」
「ねぇ、俺じゃなく西影さんにキスされたら…?」
魔王は不安気に瞳を揺らし尋ねてきた。
「……あのさ、俺に選べって言いたいのか?俺が今望むのは秋桜と最後の全国大会で全力のお前と戦って勝ちたいんだ。…それに、俺は選ばないって決めた。舞桜が俺にキスしたきゃしてもいい、でもお前と付き合うとかはしないし突き放しもしない」
魔王は泣きそう表情を浮かべながらも俺を押し倒し噛みつくようなキスをしてきた。
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