悪役令嬢の弟

ミイ

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83. アドバイス

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広間に着くと僕は改めて口を開く。

「兄様、お願いがあるんだ。」

するとサンバックはニッと笑うと「なんだ?」と聞いてくる。

「明日が実戦のテストなんだけど、体術も評価に入るから何かアドバイスが欲しくて…。」

「あぁ!そういうことか。流石に体術は一日やそこらでどうにかなるもんでもないしな、明日は誰と戦うんだ?」

サンバックは何故か楽しそうだ。

「先生が用意した魔法で創り出したモノみたい。」

「…なら"影"だな。」

「影?」

影…?なんだろう…?

「自分の影みたいな人型の人形だ。影みたいにユラユラしているが当たったらキチンと反動がある。見た目は真っ黒で表情は読めないが人間と同じ動きをする。多分、生徒同士を戦わせると怪我をする恐れがあるから生身ではやらないんだろう。」

「そうなんだ…。」

影がどんなものかだいたい分かったが、真っ黒というところが怖い…。

「しかし困ったな…影には弱点がないんだ。」

「えぇ!?」

「でも、ある程度ダメージを与えると影が消えるっていうのは決まっている。それが魔法であれ体術であれ攻撃すれば消えるってことだ。だからよく狙って攻撃すれば数回で勝負はつく。」

そうサンバックは元気付けてくれようとするが、弱点がないとわかると少しだけビビってしまう。

「最初のテストだし、そんなには強く設定はしてないと思うが…あっ!そういえば影の弱点があったぞ、物理的攻撃に弱い。影は割とすばしっこいから魔法でよく狙いを定めないと避けられてしまう。しかし体術などの物理的攻撃は直接当たることで相手にダメージを与えるのができる。…トルーには難しいかもしれないが、なんとか近距離に持ち込んで近くから魔法を繰り出す方がいいかもしれないな。むやみやたらに魔法を使うと身体に負担がかかるし。」

「そっかぁ…僕、大丈夫かな…?」

だんだんと不安になってきた。

「トルー、軽くなら俺が相手になってやるが庭で一回やってみるか?」

「…うん、そうする。お願いしていい?」

「じゃあ行くか。」






サンバックの誘いもあり、庭に着いた僕達は早速、実戦練習を始める。といっても僕が体術で攻撃したところで彼に軽くいなされるだけなのだが。

僕は攻撃されることに慣れていない。よって、なるべく攻撃を受けないように相手が仕掛けてくるのを見計らってしまう。すると反応が遅れ、その間に攻撃されるというわけだ。

「トルー!相手のことを見過ぎだ!相手が動く前に動け!」

「うっ…うん!」

サンバックのアドバイスの元、懸命に動く。
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