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第2章
49. 初対面
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「エェーッ!」
ねっ…ねこ⁉︎コレ、ねこ⁉︎体長が3mくらいある…!熊じゃ…⁉︎
僕がその大きさに慄き固まっていると足元の仔猫が「ニャー。」と言いながらその猫?の足元に擦り付いた。
「あっ…ちょっ…えっ…!」
だっ…大丈夫なのか⁉︎いきなり襲われたりしないよね⁉︎
猫と仔猫を交互に見ると、親猫が仔猫の頭に自分の鼻を擦り付け戯れ合いを始める。
あぁ…良かった…ちゃんと親猫だった…。
ホッとして攻撃体勢を止めるとその場に深く座り込む。
そして暫くすると戯れていた仔猫と親猫がこちらを向き親猫と目が合った。とその時、親猫の身体がどんどんと縮んでいき人型に変化する。
…獣人だっ!!!
初めて見る獣人に興奮していると「子が世話になった。」と耳に心地良い声が響く。目の前の彼が発した言葉らしい。
「あっいえ…僕の方がお世話になったんです。ここまで案内してもらいました。」
「そうか…子が迷惑をかけたんじゃないか?」
「いいえ、大丈夫です。そんなことないですから。」と返すと再び彼はそうか、と告げる。その時、仔猫が「ニャー。」と寂しそうに鳴いた。
「あぁ…すまない。この子は私の息子アクア、私は親のインカだ。君は…?」
「僕はショウ・サトーです。」
「…ショウ、礼を言う。アクアがいなくなって心配していた。この子はまだ人に変化が出来ず喋れもしない。魔力もそう高くないから魔物に襲われたらひとたまりもなかっただろう。」
そう哀しそうにアクアの頭を撫でている彼を見て先程のことを思い出した。
「あっ!あの、さっき息子さんと会った時に足に怪我をしてたのでもしかしたら何かに襲われたのかもしれません…!ですが、魔法を使って治癒したので大丈夫だと思います…。」
「…!何もかもすまない。アクア、もう大丈夫か。」
そう言ってインカさんがアクアの足を確認する。その姿は子を心配する親そのもので微笑ましく思う。アクアは「ニャー。」と鳴き、インカさんはそれに「そうか。」と返事をする。しかし彼の顔は晴れないままだ。
どうかしたのかと見つめていると彼の口から「しかし…まだ血の匂いがするようだが…。」と告げられる。そして鼻をひくつかせながら匂いの根源を探すとこちらを見つめ「サトー…君から香るぞ。」とさらに告げた。
「えっ?」
なんでだろう?そんな怪我なんて…あっ!
「そういえばさっき息子さんに会った時に警戒されて…。」
そう言いながら腕を持ち上げるとインカさんは僕の腕を掴みアクアに引っ掻かれた痕を見た。そして徐ろにそこを舐める。
「えっ!いや、あの大丈夫ですから!」
僕は恥ずかしさからバッと腕を振り払い、後ろに隠す。
「あぁ、すまない。息子にやるようにしてしまった。」
「いっいえ、僕も振り払ってすみません…。」
インカさんとの間に変な空気が流れ出した時、再びアクアが「ニャー。」と鳴いた。
ねっ…ねこ⁉︎コレ、ねこ⁉︎体長が3mくらいある…!熊じゃ…⁉︎
僕がその大きさに慄き固まっていると足元の仔猫が「ニャー。」と言いながらその猫?の足元に擦り付いた。
「あっ…ちょっ…えっ…!」
だっ…大丈夫なのか⁉︎いきなり襲われたりしないよね⁉︎
猫と仔猫を交互に見ると、親猫が仔猫の頭に自分の鼻を擦り付け戯れ合いを始める。
あぁ…良かった…ちゃんと親猫だった…。
ホッとして攻撃体勢を止めるとその場に深く座り込む。
そして暫くすると戯れていた仔猫と親猫がこちらを向き親猫と目が合った。とその時、親猫の身体がどんどんと縮んでいき人型に変化する。
…獣人だっ!!!
初めて見る獣人に興奮していると「子が世話になった。」と耳に心地良い声が響く。目の前の彼が発した言葉らしい。
「あっいえ…僕の方がお世話になったんです。ここまで案内してもらいました。」
「そうか…子が迷惑をかけたんじゃないか?」
「いいえ、大丈夫です。そんなことないですから。」と返すと再び彼はそうか、と告げる。その時、仔猫が「ニャー。」と寂しそうに鳴いた。
「あぁ…すまない。この子は私の息子アクア、私は親のインカだ。君は…?」
「僕はショウ・サトーです。」
「…ショウ、礼を言う。アクアがいなくなって心配していた。この子はまだ人に変化が出来ず喋れもしない。魔力もそう高くないから魔物に襲われたらひとたまりもなかっただろう。」
そう哀しそうにアクアの頭を撫でている彼を見て先程のことを思い出した。
「あっ!あの、さっき息子さんと会った時に足に怪我をしてたのでもしかしたら何かに襲われたのかもしれません…!ですが、魔法を使って治癒したので大丈夫だと思います…。」
「…!何もかもすまない。アクア、もう大丈夫か。」
そう言ってインカさんがアクアの足を確認する。その姿は子を心配する親そのもので微笑ましく思う。アクアは「ニャー。」と鳴き、インカさんはそれに「そうか。」と返事をする。しかし彼の顔は晴れないままだ。
どうかしたのかと見つめていると彼の口から「しかし…まだ血の匂いがするようだが…。」と告げられる。そして鼻をひくつかせながら匂いの根源を探すとこちらを見つめ「サトー…君から香るぞ。」とさらに告げた。
「えっ?」
なんでだろう?そんな怪我なんて…あっ!
「そういえばさっき息子さんに会った時に警戒されて…。」
そう言いながら腕を持ち上げるとインカさんは僕の腕を掴みアクアに引っ掻かれた痕を見た。そして徐ろにそこを舐める。
「えっ!いや、あの大丈夫ですから!」
僕は恥ずかしさからバッと腕を振り払い、後ろに隠す。
「あぁ、すまない。息子にやるようにしてしまった。」
「いっいえ、僕も振り払ってすみません…。」
インカさんとの間に変な空気が流れ出した時、再びアクアが「ニャー。」と鳴いた。
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