60 / 122
第2章
60. 仲直り
しおりを挟む
「モリオン様と話し合われた方がいいかと思いますが…気まずい様でしたら私からショウ様が無事、戻られたことをお伝えしておきます。しかし、このまま距離を置いてしまうと今後の食事のこともありますし、一度顔を出した方が良いのではないでしょうか…?」
確かにそうだ、僕はモリオンに食事を与えないといけない。気まずいからって顔を合わせないようにすればいいだけじゃ済まされないんだ。僕は冷たい態度を取られる覚悟でモリオンに会うことに決める。
「うん、そうだね…。これ以上モリオンと気まずくなるのは嫌だし、僕から会いに行ってみる!ありがとう、ネフライト。」
「いいえ、ショウ様の心労を取るのも私の役目です。貴方にはいつも笑顔でいて頂きたい、私はそう願っております。」
…なんか凄いこと言われた…!
ネフライトの極上美人の笑顔に僕は顔を赤くしながら「そっそうなんだ!」と誤魔化すように笑う。するとネフライトは握ったままの手をグッと自分の方に引き寄せると僕を抱き締めた。
「私は貴方の笑顔を毎日、拝見したいのです。どうかお側に…。」
「………。」
えっ⁉︎なに!どうしたらいいの⁉︎何が正解…⁉︎
僕はあたふたしながら結局、ネフライトが満足するまでジッとする羽目となった。
魔王城に到着すると僕はモリオンの部屋の前で深呼吸をしながら覚悟を決める。そしてコンコンッと扉をノックして中からの返事を待った。すると「はい。」とモリオンの声が聞こえ、一瞬言葉に詰まる。
「ふぅ~…。」
よし!覚悟を決めたんだから当たって砕けろだ!僕は意を決して口を開く。
「モリオン、ショウだけど今、大丈夫?」
そう声を掛けると扉が勢いよく開き、彼が飛び出してきた。
「ショウ!心配したよ!」
彼は僕の顔を確認するとギュッと抱き着いてきた。その必死な様子に笑顔が溢れる。僕は彼を抱き締め返すと「ゴメンねモリオン、心配かけて。」と謝った。
その後、落ち着いたモリオンに部屋の中に案内してもらいソファーに腰掛けると早速モリオンに「何処に行ってたの?」と詰め寄られる。
僕は昨日の出来事から順番に説明し、今朝ネフライトに迎えに来てもらったことを告げた。するとモリオンは「またネフライトか…。」とボソッと呟く。
「モリオン…ネフライトがどうかしたの?」
苦々しい表情をする彼に尋ねてみたが彼は首を横に振って「何でもない。」と言う。これ以上は聞いてくるな、という態度に諦めざるを得ない。
それより僕には彼に謝らないといけないことがある。
「モリオン…一昨日のことだけど、ゴメンね?僕だけ気持ち良くなってモリオンのこと考えてあげられなかった…。」
「えっ…?」
「こんな僕のことを軽蔑したよね、あのっ!もしモリオンが僕のことが嫌なら魔王様に言って僕のこと、解雇にしてもらうようにお願いするから…。」
「何言ってるの⁉︎」
急にモリオンが立ち上がった。
確かにそうだ、僕はモリオンに食事を与えないといけない。気まずいからって顔を合わせないようにすればいいだけじゃ済まされないんだ。僕は冷たい態度を取られる覚悟でモリオンに会うことに決める。
「うん、そうだね…。これ以上モリオンと気まずくなるのは嫌だし、僕から会いに行ってみる!ありがとう、ネフライト。」
「いいえ、ショウ様の心労を取るのも私の役目です。貴方にはいつも笑顔でいて頂きたい、私はそう願っております。」
…なんか凄いこと言われた…!
ネフライトの極上美人の笑顔に僕は顔を赤くしながら「そっそうなんだ!」と誤魔化すように笑う。するとネフライトは握ったままの手をグッと自分の方に引き寄せると僕を抱き締めた。
「私は貴方の笑顔を毎日、拝見したいのです。どうかお側に…。」
「………。」
えっ⁉︎なに!どうしたらいいの⁉︎何が正解…⁉︎
僕はあたふたしながら結局、ネフライトが満足するまでジッとする羽目となった。
魔王城に到着すると僕はモリオンの部屋の前で深呼吸をしながら覚悟を決める。そしてコンコンッと扉をノックして中からの返事を待った。すると「はい。」とモリオンの声が聞こえ、一瞬言葉に詰まる。
「ふぅ~…。」
よし!覚悟を決めたんだから当たって砕けろだ!僕は意を決して口を開く。
「モリオン、ショウだけど今、大丈夫?」
そう声を掛けると扉が勢いよく開き、彼が飛び出してきた。
「ショウ!心配したよ!」
彼は僕の顔を確認するとギュッと抱き着いてきた。その必死な様子に笑顔が溢れる。僕は彼を抱き締め返すと「ゴメンねモリオン、心配かけて。」と謝った。
その後、落ち着いたモリオンに部屋の中に案内してもらいソファーに腰掛けると早速モリオンに「何処に行ってたの?」と詰め寄られる。
僕は昨日の出来事から順番に説明し、今朝ネフライトに迎えに来てもらったことを告げた。するとモリオンは「またネフライトか…。」とボソッと呟く。
「モリオン…ネフライトがどうかしたの?」
苦々しい表情をする彼に尋ねてみたが彼は首を横に振って「何でもない。」と言う。これ以上は聞いてくるな、という態度に諦めざるを得ない。
それより僕には彼に謝らないといけないことがある。
「モリオン…一昨日のことだけど、ゴメンね?僕だけ気持ち良くなってモリオンのこと考えてあげられなかった…。」
「えっ…?」
「こんな僕のことを軽蔑したよね、あのっ!もしモリオンが僕のことが嫌なら魔王様に言って僕のこと、解雇にしてもらうようにお願いするから…。」
「何言ってるの⁉︎」
急にモリオンが立ち上がった。
15
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!
ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。
らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。
なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる