フェアリーマジック

夜×朝

   俺は亜月から言われたことに驚いて、何も言えずに旅に出てしまった。
いわゆる人間とエルフの恋などの関係を良く見ない人がまだ多く、その二種族のハーフを殺す団体もいるらしい。
そんな事を考えていると、今座っている洞窟にちょこんと灯りをともしている焚き火が「パチッ」と音を立てた。

「キ)…………」
そして夜は自然界で暮らしているゴブリンなどが1番活動する時間でもある。
「キ)少し風が心地よくなってきたか…」
今の季節は夏、昼間などは暑くてしょうがない。
油断していてる時が危ないとはよくいうもので、
「キ)この気配……ゴブリンか？にしても何か……」
そう、違和感がする。
洞窟の周りの林がザワザワとしている。

「キ)………あっ、そうか！」
俺は急いで洞窟から出て林の様子を見る。
すると、大勢のゴブリン達がよってきていた。
「ゴ)キシシ……キシキシ…」
ニヤニヤとしながら寄ってくる様はまるで、獲物を捉えたつもりで追い込んでくる狩人である。
「キ)こりゃ…相手しきるのは難しいか？ただでさえゴブリンはちっこいのにすばしっこいからなぁ」
俺は足元に魔法陣を展開させ、魔力を練って高める。
そしてゴブリンが襲いかかる前にその魔力で周りに結界を貼り、強化し続ける。
「キ)グロウシールド!!」
洞窟の入口までも塞ぐ大きさの結界を貼った事により、破壊できなかったゴブリンは諦めていった。
グロウと付く通り、この結界は自分でも強化するが、攻撃を受ける程に固くなるのだ。
「キ)………引いたか」
そして、林が落ち着く頃には、既に朝日が昇り始めていた。

                         ～ see you next time ～