108 / 126
LOVE
3-5 continue the relationship
しおりを挟む
「結局どーすんだ、あの話」
事務所のアルミ扉を四五度だけ引き開けながら、良二は半身を振り返って若菜へ問う。
「いやあ、手を引こうかなって」
けろりと答える若菜を、細くした白銀の右目が物言いたげに刺す。
「あ、『自分のせいで』とかなんとか思ってるでしょ」
「べっ! いや、だァら」
「そういうとこだけ自意識過剰なの、どうなってんですか」
意地悪くキヒヒと笑う若菜。ひとつ、静かな舌打ちで切る良二。
「柳田さんが心配してくれたように、確かに私の許容範囲オーバーかなぁって思わなくもなかったんです。話貰って、正直戸惑ってたので」
A3の薄茶色の封筒を眺めながら、若菜は告げる。
「私が端から縫製職に進まなかったのは、『顔も見たことがない人のためには全力で頑張れない』って、きっとどこかで思ってたからだと思うんですよね」
『春己の孫へ』という明確な対象がいたからこそ、あのベビードレス作成には没頭できたのかもしれない。そう考え至った若菜は、春己ならばきっと理解を示してくれるだろうと覚る。
「オマエよ。投げやりになったワケじゃねーよな?」
「やだな、違いますよ。その証拠に、預かった企画書は一応読んでみるつもりです」
「まだ、読んでなかったのか」
「はい。だから全部をまだ把握してないんですよ、私。それに、読まずに返すのは、ちょっとね。ヤギじゃあないんだし」
「ヤギは食ったんだろーが」
「あはは、よくご存じで」
「読んで、オマエにすんげー都合よくても、やっぱ受けねぇのか」
「はい。ごめんなさいって言うつもりです」
出かかる「春己さんにはすんごく悪いけど」は、喉の奥へ押し込み、無理矢理飲み下す。若菜はハの字眉に俯いた。
「ちょ、見せてみろ、それ」
「え」
おもむろにアルミ扉から手を離す良二は、パタンとそれが閉まった音を背後で聴き、若菜へ二歩近付く。A3大の薄茶色の封筒を受け取り、中の書類に目を通していく。
「フーン? あふぁ……」
時折あくびを挟み、眠気を噛み殺す良二。若菜は申し訳なさそうに顎を引いて、それを眺めていた。
「まぁ。なんとなく、わかったような気もしなくもねぇっつーか」
良二の読み進める速度は決して速くはない。束ねてあったその書類をやんわりと三周し、封筒へ戻し、顔を上げる。
「あのよ」
「はい」
「オマエのことだから、どーせ『スパッと断わっちまうのは申し訳がどーとか』って思ってンだろ」
ドキリな若菜。顔に出さないよう細心の注意を払っていたのにもかかわらず、あっさりと気付かれてしまった。良二に考えが見透かされることは、普段ならばほぼ無い。
フ、と目尻を三ミリ狭めた良二は、封筒を若菜へ向けた。
「『完全に手を引く』とか『どっぷり関わる』より丁度よさそうな案を一個思い付いたけど、聞いとくか」
「え?」
♧
間もなく自宅に戻った若菜は、すぐに春己へ電話をかけた。三コール以内で電話に出た春己は、『昼休みが終わるギリギリ前で良かった』と、電話口で明るく笑んだ。
「ごめんなさい!」
全身鏡へ向かって九〇度を越す角度で、ガバッと上半身を下げる若菜。その背中が、どこか虚しく逆さに映る。
『いやいや、いいのいいの!』
会っていたときと変わらない、明るい春己の声色。若菜はそろりそろりと頭を上げていく。
『むしろ謝んのはこっち。ケンカさせちゃっただろ、ごめんね』
「あ、いや、それは日常茶飯事なので全然」
『いいからいいから。悪者になるのは馴れてるから。必要ならいつでも悪者にしてくれて構わないよ』
なんてね、と冗談を含ませて明るく努めるので、若菜は口をへの字に曲げた。
「せっかく環境を整えてもらってたのに、ホントに申し訳ないです」
『ううん、俺が無茶振りしたんだから。それにまだ企画段階だから、ここからどうにでもなるしさ。断ったからってそんな気負わないで。もともと秘書業務とは関係ないし、断わられても仕方ない思ってたんだ』
若菜の声色に配慮しているらしい春己の優しさが、骨身に沁みる。
『柳田探偵は、きっとキミを雑用に使われたくなかったんだよね?』
「あっいえ、そういうことじゃなく! 柳田さん、いろいろ早とちりしてて。あの人頭に血が上ったら、全然話聞かないから、それで」
そうなんだ、とクスクス返ってくる電話口。
「で、落ち着いて説明したら、柳田さんが提案があるんだけどって言うもんで、それをお伝えしたくてですね」
『提案?』
「はい」
生唾ごくりの若菜。深呼吸を挟み、全身鏡に向かって『気をつけ』の姿勢。
「私が早急に、型紙とアドバイスノートを作成して、急場を凌ぎます。その間に、ベールリメイクを担当してくれる縫製師を募集する、ってのはいかがでしょう」
『ほう、『募集』?』
「縫製師に関しては、春己さんのご迷惑じゃなければ、是非とも私の母校を紹介したいと思うんです」
『母校』
「はい。てんちょからお聞きしてるかもですが、私の出身高校、縫製やら調理やらの専門高校なんです」
『ああ、聞いてる。家政科だったって。もしかして、南区の家政科高校?』
「はい。ご存じでしたか」
『存在だけだけどね』
「あの学校、卒業後はそれを活かせるような専門職系に就職する人が半分以上なんです。でも私みたいに拗らせたりして、燻ってる人もいるんですよね」
相槌が返ってくる耳もと。
「そういう子たちの選択肢のひとつに、この企画を提案してもいいかもな、という、柳田さんの案なんですが」
「出過ぎたことかもですけど」と、若菜は口をすぼめてゴニョゴニョ。
『あーなるほどなぁ、考えもしなかった。学生かぁ。就職先かぁ!』
ふんふん、と声色をそのままに頷いているらしい春己。
『せっかくだから聞いておいてもいいかなぁ! 俺一人じゃ決められないから、あとで会議に廻してみるよ』
「ほ、ホントですか!」
『うんうん! だって若菜ちゃんレベルの子が沢山居るってことだろ? それだけでもいい話なのに、心の折れそうな若い子の救いの網目になれることは、俺も救われる話だしね』
若い頃に何かあったんだろうな、と覚る若菜。
「私が直接お役に立てなくて、ホントごめんなさい」
『ううん! アドバイスノートと型紙くれるんでしょ? 充分助かるよ、ありがとう』
じんわり、と罪悪感が溶けていく。
『それに、そもそもキミがウチの孫に丁寧に作ってくれたから、思ってた以上に沢山の人の要望に応えられそうな企画になりつつあるんだ』
「え、あ、いや」
『自ら率先してやることも大事だけどさ、キミが母校の後輩を信じることで、キミと似たような人を何人か救うんだと思う』
「似たような人を、救う?」
『そ。救われた人が、また新たに依頼してきた人たちを笑顔にする。ほら、これは全部、起源である若菜ちゃんの功績にもなるだろ?』
♧
私、YOSSYさんの『人を簡単に笑顔にしてしまうところ』に憧れてるんです。私も前、笑顔にしてもらったことがあって。
私みたいに、自然に笑顔になれない子どもたちを世界から無くしたいと思って! 『みんな笑顔の世界になれば』っていうYOSSYさんに、私もついていきたいんです。
♧
かつて、YOSSY the CLOWNにそう演説した若菜。回り回って、叶えたかったことが唐突に形を変え、その手中にて輝きを放ち出す。
「いい、んでしょうか」
『若菜ちゃんが居なきゃ、始まらなかったことだよ』
涙が滲むほど嬉しい言葉を貰った若菜。震える声色で、やがて幾度も「ありがとうございます」を繰り返し、鼻を啜った。
『柳田探偵に、俺が申し訳なかったって言ってたこと伝えてくれる? 多分この先しばらく、アポを取ってお会いできそうにないから』
「あ、はい、もちろんです。でもそういうこと気にするタイプじゃないし、気にしなくて大丈夫ですよ」
『フフ、いいパートナーなんだな』
「んふふ、そうなんです」
滲んだ涙を拭い、若菜は全身鏡へにんまりと笑む。
「私、柳田さんの唯一無二の秘書なんで」
事務所のアルミ扉を四五度だけ引き開けながら、良二は半身を振り返って若菜へ問う。
「いやあ、手を引こうかなって」
けろりと答える若菜を、細くした白銀の右目が物言いたげに刺す。
「あ、『自分のせいで』とかなんとか思ってるでしょ」
「べっ! いや、だァら」
「そういうとこだけ自意識過剰なの、どうなってんですか」
意地悪くキヒヒと笑う若菜。ひとつ、静かな舌打ちで切る良二。
「柳田さんが心配してくれたように、確かに私の許容範囲オーバーかなぁって思わなくもなかったんです。話貰って、正直戸惑ってたので」
A3の薄茶色の封筒を眺めながら、若菜は告げる。
「私が端から縫製職に進まなかったのは、『顔も見たことがない人のためには全力で頑張れない』って、きっとどこかで思ってたからだと思うんですよね」
『春己の孫へ』という明確な対象がいたからこそ、あのベビードレス作成には没頭できたのかもしれない。そう考え至った若菜は、春己ならばきっと理解を示してくれるだろうと覚る。
「オマエよ。投げやりになったワケじゃねーよな?」
「やだな、違いますよ。その証拠に、預かった企画書は一応読んでみるつもりです」
「まだ、読んでなかったのか」
「はい。だから全部をまだ把握してないんですよ、私。それに、読まずに返すのは、ちょっとね。ヤギじゃあないんだし」
「ヤギは食ったんだろーが」
「あはは、よくご存じで」
「読んで、オマエにすんげー都合よくても、やっぱ受けねぇのか」
「はい。ごめんなさいって言うつもりです」
出かかる「春己さんにはすんごく悪いけど」は、喉の奥へ押し込み、無理矢理飲み下す。若菜はハの字眉に俯いた。
「ちょ、見せてみろ、それ」
「え」
おもむろにアルミ扉から手を離す良二は、パタンとそれが閉まった音を背後で聴き、若菜へ二歩近付く。A3大の薄茶色の封筒を受け取り、中の書類に目を通していく。
「フーン? あふぁ……」
時折あくびを挟み、眠気を噛み殺す良二。若菜は申し訳なさそうに顎を引いて、それを眺めていた。
「まぁ。なんとなく、わかったような気もしなくもねぇっつーか」
良二の読み進める速度は決して速くはない。束ねてあったその書類をやんわりと三周し、封筒へ戻し、顔を上げる。
「あのよ」
「はい」
「オマエのことだから、どーせ『スパッと断わっちまうのは申し訳がどーとか』って思ってンだろ」
ドキリな若菜。顔に出さないよう細心の注意を払っていたのにもかかわらず、あっさりと気付かれてしまった。良二に考えが見透かされることは、普段ならばほぼ無い。
フ、と目尻を三ミリ狭めた良二は、封筒を若菜へ向けた。
「『完全に手を引く』とか『どっぷり関わる』より丁度よさそうな案を一個思い付いたけど、聞いとくか」
「え?」
♧
間もなく自宅に戻った若菜は、すぐに春己へ電話をかけた。三コール以内で電話に出た春己は、『昼休みが終わるギリギリ前で良かった』と、電話口で明るく笑んだ。
「ごめんなさい!」
全身鏡へ向かって九〇度を越す角度で、ガバッと上半身を下げる若菜。その背中が、どこか虚しく逆さに映る。
『いやいや、いいのいいの!』
会っていたときと変わらない、明るい春己の声色。若菜はそろりそろりと頭を上げていく。
『むしろ謝んのはこっち。ケンカさせちゃっただろ、ごめんね』
「あ、いや、それは日常茶飯事なので全然」
『いいからいいから。悪者になるのは馴れてるから。必要ならいつでも悪者にしてくれて構わないよ』
なんてね、と冗談を含ませて明るく努めるので、若菜は口をへの字に曲げた。
「せっかく環境を整えてもらってたのに、ホントに申し訳ないです」
『ううん、俺が無茶振りしたんだから。それにまだ企画段階だから、ここからどうにでもなるしさ。断ったからってそんな気負わないで。もともと秘書業務とは関係ないし、断わられても仕方ない思ってたんだ』
若菜の声色に配慮しているらしい春己の優しさが、骨身に沁みる。
『柳田探偵は、きっとキミを雑用に使われたくなかったんだよね?』
「あっいえ、そういうことじゃなく! 柳田さん、いろいろ早とちりしてて。あの人頭に血が上ったら、全然話聞かないから、それで」
そうなんだ、とクスクス返ってくる電話口。
「で、落ち着いて説明したら、柳田さんが提案があるんだけどって言うもんで、それをお伝えしたくてですね」
『提案?』
「はい」
生唾ごくりの若菜。深呼吸を挟み、全身鏡に向かって『気をつけ』の姿勢。
「私が早急に、型紙とアドバイスノートを作成して、急場を凌ぎます。その間に、ベールリメイクを担当してくれる縫製師を募集する、ってのはいかがでしょう」
『ほう、『募集』?』
「縫製師に関しては、春己さんのご迷惑じゃなければ、是非とも私の母校を紹介したいと思うんです」
『母校』
「はい。てんちょからお聞きしてるかもですが、私の出身高校、縫製やら調理やらの専門高校なんです」
『ああ、聞いてる。家政科だったって。もしかして、南区の家政科高校?』
「はい。ご存じでしたか」
『存在だけだけどね』
「あの学校、卒業後はそれを活かせるような専門職系に就職する人が半分以上なんです。でも私みたいに拗らせたりして、燻ってる人もいるんですよね」
相槌が返ってくる耳もと。
「そういう子たちの選択肢のひとつに、この企画を提案してもいいかもな、という、柳田さんの案なんですが」
「出過ぎたことかもですけど」と、若菜は口をすぼめてゴニョゴニョ。
『あーなるほどなぁ、考えもしなかった。学生かぁ。就職先かぁ!』
ふんふん、と声色をそのままに頷いているらしい春己。
『せっかくだから聞いておいてもいいかなぁ! 俺一人じゃ決められないから、あとで会議に廻してみるよ』
「ほ、ホントですか!」
『うんうん! だって若菜ちゃんレベルの子が沢山居るってことだろ? それだけでもいい話なのに、心の折れそうな若い子の救いの網目になれることは、俺も救われる話だしね』
若い頃に何かあったんだろうな、と覚る若菜。
「私が直接お役に立てなくて、ホントごめんなさい」
『ううん! アドバイスノートと型紙くれるんでしょ? 充分助かるよ、ありがとう』
じんわり、と罪悪感が溶けていく。
『それに、そもそもキミがウチの孫に丁寧に作ってくれたから、思ってた以上に沢山の人の要望に応えられそうな企画になりつつあるんだ』
「え、あ、いや」
『自ら率先してやることも大事だけどさ、キミが母校の後輩を信じることで、キミと似たような人を何人か救うんだと思う』
「似たような人を、救う?」
『そ。救われた人が、また新たに依頼してきた人たちを笑顔にする。ほら、これは全部、起源である若菜ちゃんの功績にもなるだろ?』
♧
私、YOSSYさんの『人を簡単に笑顔にしてしまうところ』に憧れてるんです。私も前、笑顔にしてもらったことがあって。
私みたいに、自然に笑顔になれない子どもたちを世界から無くしたいと思って! 『みんな笑顔の世界になれば』っていうYOSSYさんに、私もついていきたいんです。
♧
かつて、YOSSY the CLOWNにそう演説した若菜。回り回って、叶えたかったことが唐突に形を変え、その手中にて輝きを放ち出す。
「いい、んでしょうか」
『若菜ちゃんが居なきゃ、始まらなかったことだよ』
涙が滲むほど嬉しい言葉を貰った若菜。震える声色で、やがて幾度も「ありがとうございます」を繰り返し、鼻を啜った。
『柳田探偵に、俺が申し訳なかったって言ってたこと伝えてくれる? 多分この先しばらく、アポを取ってお会いできそうにないから』
「あ、はい、もちろんです。でもそういうこと気にするタイプじゃないし、気にしなくて大丈夫ですよ」
『フフ、いいパートナーなんだな』
「んふふ、そうなんです」
滲んだ涙を拭い、若菜は全身鏡へにんまりと笑む。
「私、柳田さんの唯一無二の秘書なんで」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる