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いじめと賃金労働
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あるところにお金持ちの青年がいました。
お金持ちの青年は、働かなくても生きていけるのに、暇つぶしのためにある会社に入社しました。
その会社はいわゆるブラック企業と呼ばれるところで、すごく嫌な会社でしたが、青年はわざとそういう会社を選んだのでした。
しばらく働くうちに、青年はいじめられるようになりました。
青年が昼休みのご飯から戻ると、決まって机の上が色んな物で汚されていたのでした。
はじめは消しカスとかテッシュとかその程度でしたが、そのうちコーヒーがこぼれていたり、砂が撒き散らされていたりしました。
青年はせっせと掃除をしてから仕事に戻るのをルーティンにしていました。
みんなはそれを見てうふふとかクスクスとか、そういうふうに笑うのでした。みんなすごく楽しそうでした。
ある日、いつも通り昼ご飯から戻ると、その日はコーヒーがこぼれていて濡れたテッシュもグチャグチャにおかれていて、文房具などがビチョビチョになっていました。
みんな笑っています。
横にいる男もひっそり笑ってます。
青年は言いました。
「ううむ。これは大変そうだぞ」
横にいる男は言いました。
「おい、早く片付けろよ。こっちまで汚れちゃ困るね」
青年は、そんなこと言われてもと言いたげに悩んでいます。
しかし、青年はなにか思いついた様子でこっそり言いました。
「あの、これは提案なのですが…」
横の男は訝しげに「はあ?」と言いました。
「5万円あげるので、あなたが変わりに掃除してくれませんか?」
横の男はびっくりした様子で言いました。
「はあ?5万??………ふぅん」
横の男はすこし考えたあとニヤリとして言いました。
「5万ねぇ………ふふん、そうだな、お前の汚したものを先輩が片付けるんだ、10万は必要なんじゃないか?ん?」
それを聞いた青年は、財布から現ナマで10万円を出しました。
「そうですね。失礼いたしました。では、これでいかがでしょうか」
現ナマの10万円を見た男はぎょっとしました。
「………少し待ってろ」
そう言って横の男はお金を持ったまま席を立って、さっきまでクスクス笑ってたみんなのところに行きました。何やらおはなししています。
戻ってきた男は言いました。
「おう、お前随分羽振りがいいな。変な金じゃないだろうな」
青年は言いました。
「いやまさか。貯金以外の趣味がないので、今までの仕事で貯めたものがあるだけです」
男は考えました。
「そうか。…ま、今日はみんなで掃除しといてやるよ。空いてるデスクで仕事しな」
青年は移動して仕事をしました。
男と他のみんなは、明日からはもっとたくさん汚して、青年からお金をぶんどってやろうと考えました。
次の日も、その次の日も、机は汚れていました。青年は10万円とか、15万円とか、その日によって違いましたが、たくさんのお金を払いました。
青年は毎日楽しく職場に通いました。
そのうち、みんなが掃除しているのを青年がコーヒーを飲みながら見下しても、みんな何も言わなくなりました。自分たちで適当によごして、適当に掃除すれば会社より高いお金を貰えるからです。
みんな、キレイな服や美味しいものをいっぱい食べ始めました。
そして、青年からもらったお金で、自分の仕事を他の人間にさせるのでした。
でも、みんなは青年くらいのお金持ちにはなれませんでした。
大金持ちで資産家の青年は、会社の中に資本主義社会を作り上げました。
そして、頃合いを見て会社を辞めました。
よくわからないことをして、よくわからないお金をもらっている間、みんなは何も役に立つことをしなかったし勉強もしていなかったので、全員クビになりました。
青年は新しい会社に就職しました。
筋金入りのブラック企業で、青年はまた新たな資本主義世界を築き上げていくのでした。
お金持ちの青年は、働かなくても生きていけるのに、暇つぶしのためにある会社に入社しました。
その会社はいわゆるブラック企業と呼ばれるところで、すごく嫌な会社でしたが、青年はわざとそういう会社を選んだのでした。
しばらく働くうちに、青年はいじめられるようになりました。
青年が昼休みのご飯から戻ると、決まって机の上が色んな物で汚されていたのでした。
はじめは消しカスとかテッシュとかその程度でしたが、そのうちコーヒーがこぼれていたり、砂が撒き散らされていたりしました。
青年はせっせと掃除をしてから仕事に戻るのをルーティンにしていました。
みんなはそれを見てうふふとかクスクスとか、そういうふうに笑うのでした。みんなすごく楽しそうでした。
ある日、いつも通り昼ご飯から戻ると、その日はコーヒーがこぼれていて濡れたテッシュもグチャグチャにおかれていて、文房具などがビチョビチョになっていました。
みんな笑っています。
横にいる男もひっそり笑ってます。
青年は言いました。
「ううむ。これは大変そうだぞ」
横にいる男は言いました。
「おい、早く片付けろよ。こっちまで汚れちゃ困るね」
青年は、そんなこと言われてもと言いたげに悩んでいます。
しかし、青年はなにか思いついた様子でこっそり言いました。
「あの、これは提案なのですが…」
横の男は訝しげに「はあ?」と言いました。
「5万円あげるので、あなたが変わりに掃除してくれませんか?」
横の男はびっくりした様子で言いました。
「はあ?5万??………ふぅん」
横の男はすこし考えたあとニヤリとして言いました。
「5万ねぇ………ふふん、そうだな、お前の汚したものを先輩が片付けるんだ、10万は必要なんじゃないか?ん?」
それを聞いた青年は、財布から現ナマで10万円を出しました。
「そうですね。失礼いたしました。では、これでいかがでしょうか」
現ナマの10万円を見た男はぎょっとしました。
「………少し待ってろ」
そう言って横の男はお金を持ったまま席を立って、さっきまでクスクス笑ってたみんなのところに行きました。何やらおはなししています。
戻ってきた男は言いました。
「おう、お前随分羽振りがいいな。変な金じゃないだろうな」
青年は言いました。
「いやまさか。貯金以外の趣味がないので、今までの仕事で貯めたものがあるだけです」
男は考えました。
「そうか。…ま、今日はみんなで掃除しといてやるよ。空いてるデスクで仕事しな」
青年は移動して仕事をしました。
男と他のみんなは、明日からはもっとたくさん汚して、青年からお金をぶんどってやろうと考えました。
次の日も、その次の日も、机は汚れていました。青年は10万円とか、15万円とか、その日によって違いましたが、たくさんのお金を払いました。
青年は毎日楽しく職場に通いました。
そのうち、みんなが掃除しているのを青年がコーヒーを飲みながら見下しても、みんな何も言わなくなりました。自分たちで適当によごして、適当に掃除すれば会社より高いお金を貰えるからです。
みんな、キレイな服や美味しいものをいっぱい食べ始めました。
そして、青年からもらったお金で、自分の仕事を他の人間にさせるのでした。
でも、みんなは青年くらいのお金持ちにはなれませんでした。
大金持ちで資産家の青年は、会社の中に資本主義社会を作り上げました。
そして、頃合いを見て会社を辞めました。
よくわからないことをして、よくわからないお金をもらっている間、みんなは何も役に立つことをしなかったし勉強もしていなかったので、全員クビになりました。
青年は新しい会社に就職しました。
筋金入りのブラック企業で、青年はまた新たな資本主義世界を築き上げていくのでした。
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