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第二章 綾なす姦計
第二十話 千尋のストラテジー
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「残念ながら実現しませんでしたが、中川宮は先の十三代将軍徳川家定公ご逝去の折、次の十四代将軍として一橋慶喜公を推挙され、公武合体政策にも力を尽くしていらっしゃる。攘夷はお望みでも、倒幕までは本意ではない帝の複雑な御心情にも理解を示され、帝からの信任もお厚い。ここまで話せば、おわかりでしょう? 久藤様から慶喜公に、慶喜公から中川宮親王に、行幸中止を帝に進言して下さるように、働きかけて頂きたい」
その瞬間、千尋が椅子を蹴倒して立ちあがり、テーブル越しに沖田に凄んだ。
「……こいつに何をさせる気だ」
「実際、宮に接見するのは慶喜公になるでしょう。ですが、どう宮を攻略するかは千尋さんがお考えになって下さい。そうすれば、あなた方お二人は、会津藩の窮地を救った会津にとっての『恩人』になる。土方さんも、もうお二人には手出しは出来ません」
「そんなの、俺の知ったことか!」
「私は久藤様のご意向を伺いたい」
「その必要はない」
千尋は佑輔の強ばる肩口を抱き寄せた。
「OK. The Choshu clan's political strategy is ready. Don't worry.(大丈夫だ。長州藩制圧の策は打っている。心配いらない)」
顔を上げた佑輔の耳に唇を寄せて囁きかける。
「Leave it to me.(俺に任せろ)Was it understood? Dear.(わかったな?)」
「But……」
「沖田さん」
千尋は沖田を仇のように睨み据え、テーブルの下で佑輔の右手を握り締めた。
その瞬間、千尋が椅子を蹴倒して立ちあがり、テーブル越しに沖田に凄んだ。
「……こいつに何をさせる気だ」
「実際、宮に接見するのは慶喜公になるでしょう。ですが、どう宮を攻略するかは千尋さんがお考えになって下さい。そうすれば、あなた方お二人は、会津藩の窮地を救った会津にとっての『恩人』になる。土方さんも、もうお二人には手出しは出来ません」
「そんなの、俺の知ったことか!」
「私は久藤様のご意向を伺いたい」
「その必要はない」
千尋は佑輔の強ばる肩口を抱き寄せた。
「OK. The Choshu clan's political strategy is ready. Don't worry.(大丈夫だ。長州藩制圧の策は打っている。心配いらない)」
顔を上げた佑輔の耳に唇を寄せて囁きかける。
「Leave it to me.(俺に任せろ)Was it understood? Dear.(わかったな?)」
「But……」
「沖田さん」
千尋は沖田を仇のように睨み据え、テーブルの下で佑輔の右手を握り締めた。
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