第二王女と隣国の奴隷との秘密の恋

Allen

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1.出会い

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「あの…大丈夫?おぉ~い」

   私は目の前に倒れる男の人の身体を木の枝で突っついた。小川があるからそこで濡れたのか、うつ伏せに倒れている男の人は私よりも背が随分と高くて腕もしっかりとしている。頭を軽く打っていたようで、魔法を使って治してあげたけど、まだ寝ているよう。もう体は大丈夫だと思うのに。

   今日は私はお父様に言わずに外に出てきている。私ってことがバレたら色々面倒。

「うーん。でも、ここに置いておくと風邪引いちゃうわよね…」

   取り敢えず、羽織っていたマントを彼にかける。これじゃ見つかれば、すぐに私だと気づかれるわ。この国の王族が出てるってバレたらお父様の怒りを買ってしまう。

「これで風邪は引かないわよね!目を覚ます前に帰らないと…えっと、バスケットは…」

   私はせっかく外で食べようと思っていたサンドイッチの入ったバスケットを手にとった。そして、バレないように私の魔獣であるフェルリンに乗って戻ろうと呼ぶ為にその場を離れようとした時─

「な…あっ!待って!お前が助けてくれたのかッ?」
「っ!?」

   後ろから確かあの男の声が聞こえて私は慌ててこの場を去ろうとした時だった。

「待っ─危ないっ!」
「きゃっ」
「くっ、貴様ら…!」

   咄嗟に男の人に手を捕まれて、体制を崩したが上手くキャッチされた。目をあけば綺麗な顔立ちに青い目、そして、奥の木には矢が深く突き刺さっている。

「すまない、巻き込んでしまったようだ…」
「えっ?」
「大丈夫、助けてくれた恩は必ず返す。女の子には危険だ。下がっていてくれ」

   男の人は私に目もくれず、私が持っていた短剣をいつの間にか抜き、前に立ちはだかった。

  そっと前を見るとそこには二人組の男の達が立っていた。真剣を抜き、装備も万全の模様。これはまずいところに巻き込まれてしまったわ…。
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