numb.

Ms.thirteen

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将来に向けて

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留学後えまはもう高校三年、進路を決める年だ。

高校終えて大学に行き就職が、日本の中での正規ルート。

そのためには将来の仕事を見据えて、大学を選ばなければならない。


日本はつくづくナンセンスな教育方針だとえまは感じた。

高校生に将来なんて考えられない。
まだまだ可能性に満ちてる若者に、ひとつの道を選ばせてそれに向かわせるルートなんてナンセンスだ。


若いうちは、ひとつの目標にしばられず、いろいろなことに挑戦できる環境を用意してあげるべきだ。



なんて自立心に満ちた価値観になったのは、留学のおかげ?せいかもしれない。


とりあえず名門と呼ばれる大学にいかなければ、母を黙らせれないと思い、母は名門の私立大学を受験し、あっさりと合格した。


母は自慢気に外でえまのことを話す。


そりゃそうだろう。
だいすきな息子はどんどん非行に走り、自分の思う通りに動いてくれない。ひとさまには、話せない息子と成長してきたからだ。

それでも母は兄をいっさい悪く言わない。庇い、慰め、甘やかす。

えまが同じようなことをすれば、それはもうヒステリックに怒り、えまの人格否定をするだろう。

なぜなら、えまが彼氏とセックスをしていたことがわかったとき、それだけのことで、えまを罵倒したのだ。

ふしだら
みっともない
色気付いて恥ずかしい
などと。


高校三年で彼氏がいて、セックスをすることはそこまで言われなきゃいけないのか?
えまは疑問に思った。




好き勝手やっていたえまの兄は、家庭の中で気にくわないことがあると、母とえまを殴る。家庭内暴力もひどかった。

だから、えまは家を出て、一人暮らしをしたかった。
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