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第1章 魔王
第18話 ダクトの力
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◇
「ダクトさん! 一度離れよう!」
「お? 何だジャック、疲れたか。俺はもう少しやってくよ」
「……化け物かよ。引退した身とは思えねぇ」
俺とダクトさんはゴブリンの群れに追いついて追撃をしている。一日中戦闘して、流石に疲れたから一度離れようと思った。ダクトさんはそんな俺とは出来が違う。つきあっていると俺の命が危ない。ゴブリンの群れから離れるとその場に座って一息を入れる。
群れのゴブリンは全てがウォーリアから上の上位種の魔物だ。俗にいう職業持ちのゴブリン。ウォーリアから始まって、メイジ、アーチャー、バーサーカーが目に付く。
これだけの規模の群れを従えている支配者級のゴブリンはキングからロードといった奴らだろう。キングならばダクトさん一人で倒せるかもしれない。ロードだったら……王国最高戦力の【勇者】が必要な案件だ。
王国がその戦力を投入するとは思えない。キングであることを願うしかないな。
「とにかく、今は姉ちゃんのいる町の心配をするべきか。姉ちゃんとカズヤも【勇者】みたいに厄介な人物だしな」
カズヤは魔物を従える魔王。この時点で王国からしたら敵対戦力だろう。姉ちゃんは火の神、【フラムベルグ】を宿してる。ダクトさんでも勝てないと言わせる姉ちゃんは、ゴブリン達を倒せる人物の一人だ。【勇者】にも匹敵する。
姉ちゃんが鍛冶をしているのも、【フラムベルグ】を宿せる武器を作るためだ。【フラムベルグ】は武器を作ってくれれば離れてくれると約束してくれたらしい。
【フラムベルグ】は姉ちゃんを守る為に戦闘になると無茶をする。それで俺達の故郷は無くなった。住人は無事だったからよかったが、それ以来姉ちゃんは戦うことはなくなった。
「ガハハハ、いくら倒しても数が減らん! こりゃ困ったな」
ダクトさんも群れから離れて合流する。隣に座るとカバンの中からパンを取り出す。いくらでも物が入る、【マジックバッグ】だな。俺も欲しいけれど、白金貨2枚のアイテムだ。流石に手が出ない。白金貨1枚で貴族が住むような屋敷が買えるからな。
「ロードがいるなこりゃ」
「やっぱりそうですか……」
1万以上の群れ。別動隊がゼクテムに行ってる可能性があるから、もっと多いかもな。俺達が追撃してる群れは囮か本隊かもわかってないが。
「魔法使いが居ればな。一気に片付けられるが。ドロンに出てもらうべきか?」
「いや、姉ちゃんは戦いませんよ。もう、ものが壊れるとこを見たくないと思いますし」
姉ちゃんは故郷を壊した時にトラウマをもってしまった。
俺はそんな姉ちゃんを守る為に力を手に入れたかった。結局はあんなゴブリンなんかで手をこまねいてる。ほんとカッコ悪いな俺。
「とりあえず町に帰るか。町を守る為に」
「そうです……ね、と言いたいところですけど。そうさせてもらえないみたいだ」
「みたいだな……」
ダクトさんの声に肯定したかったがいつの間にかゴブリンの群れが俺達に向かってきていた。俺達のことを強者だと認めて、時間稼ぎか。という事は町に向かってるであろう部隊が本隊か……間に合うか?
◇
「お兄ちゃん! 目玉焼きできたよ~」
「リリーちゃん、ありがと。この皿にのせておいて~」
「は~い」
ドロンさんのお店に泊めてもらって次の日。
リリーちゃんと一緒に朝食の準備。
ドロンさんのお店は二階が住宅になってる。二階に泊めてもらうのも考えものだったので僕はお店に布団を敷いて寝た。
ドロンさんは『どこでもいいよ。私の部屋でも』と言ってくれたけど、丁重にお断りした。だから30歳でもDTなんだよな。据え膳食わぬ男だからね。
「ふぁ~‥‥。寝るのは久しぶりだけど、いいものだね」
「え? 寝るのが久しぶり?」
ドロンさんが起きてきてあくびをしながら呟く。その言葉が逸脱すぎて思わず首を傾げた。
人なら必ず寝るよね。ショートスリーパーの人ですら2~3時間寝るのに。
「あ~、私って鍛冶が好きだからさ。食事や寝ることを忘れちゃうんだよね。体力があるから忘れても大丈夫なんだ」
「‥‥いやいや、お腹すいて倒れてたでしょ。しっかり食べて寝た方がいいですよ!」
ドロンさんの話を聞いて納得しかけたけど、ついつい突っ込んでしまった。彼女は少し悲しい顔になって料理の並ぶ机を見つめる。
「じゃあ食べよう」
「そうですよ! しっかり食べて働いて寝るんです。健全な人の生活です!」
「健全な人‥‥か。そうだね。やっぱりカズヤは凄いな」
「?」
ドロンさんが料理を見て目を輝かせて席に着く。それを見て声を上げると何故か彼女は再度悲しい顔になってしまう。
僕何かおかしなこと言ったかな?
「お兄ちゃん! 食べよ!」
「あ、ああそうだねリリーちゃん」
考え込んでいるとリリーちゃんが腕をつかんでくる。一緒に席に着くとドロンさんがジト目で睨みつけてくる。またもや首を傾げる事態だ。
「リリーには甘いんだね。ダクトに報告しなくちゃ。カズヤは子供が好きだってね」
「ちょ!? ドロンさん!?」
ドロンさんが目玉焼きの乗った白いパンを半分に切ったものを口に入れながら疑惑を口にする。
別に僕はロリコンじゃないぞ。これは冤罪だ。大人の女性の方が好きなのだよ!
「はぁ、外はまだまだお祭り騒ぎだね。ダクト達が帰ってくるまでうちにいるしかないね」
「はい……」
窓の外を見つめてドロンさんが声を上げる。リリーちゃんは悲しそうな顔になってしまう。まあ、二人は無事だと思うけど、ジャックは確かに強かったからね。
「さて、そろそろ私は鍛冶仕事に入るよ。リリーは好きなことをしてな。もちろん、カズヤもね」
ドロンさんは食事を済ませると奥の部屋に入っていく。彼女は少し悲しい顔だった。今日の料理はあまり好まなかったかな。もう少しお肉を出した方がよかったか。
「じゃあ僕は外に行ってくるよ。冒険者ギルドで様子を見てくる」
「はい! 行ってらっしゃいカズヤお兄ちゃん!」
見送ってくれるリリーちゃんに手を振ってお店を後にする。二人を守れるのは今は僕だけだ。しっかり情報収集しないとな。
ゼクテムの町が落ちるなら、二人を連れて逃げ出さないと。
「ダクトさん! 一度離れよう!」
「お? 何だジャック、疲れたか。俺はもう少しやってくよ」
「……化け物かよ。引退した身とは思えねぇ」
俺とダクトさんはゴブリンの群れに追いついて追撃をしている。一日中戦闘して、流石に疲れたから一度離れようと思った。ダクトさんはそんな俺とは出来が違う。つきあっていると俺の命が危ない。ゴブリンの群れから離れるとその場に座って一息を入れる。
群れのゴブリンは全てがウォーリアから上の上位種の魔物だ。俗にいう職業持ちのゴブリン。ウォーリアから始まって、メイジ、アーチャー、バーサーカーが目に付く。
これだけの規模の群れを従えている支配者級のゴブリンはキングからロードといった奴らだろう。キングならばダクトさん一人で倒せるかもしれない。ロードだったら……王国最高戦力の【勇者】が必要な案件だ。
王国がその戦力を投入するとは思えない。キングであることを願うしかないな。
「とにかく、今は姉ちゃんのいる町の心配をするべきか。姉ちゃんとカズヤも【勇者】みたいに厄介な人物だしな」
カズヤは魔物を従える魔王。この時点で王国からしたら敵対戦力だろう。姉ちゃんは火の神、【フラムベルグ】を宿してる。ダクトさんでも勝てないと言わせる姉ちゃんは、ゴブリン達を倒せる人物の一人だ。【勇者】にも匹敵する。
姉ちゃんが鍛冶をしているのも、【フラムベルグ】を宿せる武器を作るためだ。【フラムベルグ】は武器を作ってくれれば離れてくれると約束してくれたらしい。
【フラムベルグ】は姉ちゃんを守る為に戦闘になると無茶をする。それで俺達の故郷は無くなった。住人は無事だったからよかったが、それ以来姉ちゃんは戦うことはなくなった。
「ガハハハ、いくら倒しても数が減らん! こりゃ困ったな」
ダクトさんも群れから離れて合流する。隣に座るとカバンの中からパンを取り出す。いくらでも物が入る、【マジックバッグ】だな。俺も欲しいけれど、白金貨2枚のアイテムだ。流石に手が出ない。白金貨1枚で貴族が住むような屋敷が買えるからな。
「ロードがいるなこりゃ」
「やっぱりそうですか……」
1万以上の群れ。別動隊がゼクテムに行ってる可能性があるから、もっと多いかもな。俺達が追撃してる群れは囮か本隊かもわかってないが。
「魔法使いが居ればな。一気に片付けられるが。ドロンに出てもらうべきか?」
「いや、姉ちゃんは戦いませんよ。もう、ものが壊れるとこを見たくないと思いますし」
姉ちゃんは故郷を壊した時にトラウマをもってしまった。
俺はそんな姉ちゃんを守る為に力を手に入れたかった。結局はあんなゴブリンなんかで手をこまねいてる。ほんとカッコ悪いな俺。
「とりあえず町に帰るか。町を守る為に」
「そうです……ね、と言いたいところですけど。そうさせてもらえないみたいだ」
「みたいだな……」
ダクトさんの声に肯定したかったがいつの間にかゴブリンの群れが俺達に向かってきていた。俺達のことを強者だと認めて、時間稼ぎか。という事は町に向かってるであろう部隊が本隊か……間に合うか?
◇
「お兄ちゃん! 目玉焼きできたよ~」
「リリーちゃん、ありがと。この皿にのせておいて~」
「は~い」
ドロンさんのお店に泊めてもらって次の日。
リリーちゃんと一緒に朝食の準備。
ドロンさんのお店は二階が住宅になってる。二階に泊めてもらうのも考えものだったので僕はお店に布団を敷いて寝た。
ドロンさんは『どこでもいいよ。私の部屋でも』と言ってくれたけど、丁重にお断りした。だから30歳でもDTなんだよな。据え膳食わぬ男だからね。
「ふぁ~‥‥。寝るのは久しぶりだけど、いいものだね」
「え? 寝るのが久しぶり?」
ドロンさんが起きてきてあくびをしながら呟く。その言葉が逸脱すぎて思わず首を傾げた。
人なら必ず寝るよね。ショートスリーパーの人ですら2~3時間寝るのに。
「あ~、私って鍛冶が好きだからさ。食事や寝ることを忘れちゃうんだよね。体力があるから忘れても大丈夫なんだ」
「‥‥いやいや、お腹すいて倒れてたでしょ。しっかり食べて寝た方がいいですよ!」
ドロンさんの話を聞いて納得しかけたけど、ついつい突っ込んでしまった。彼女は少し悲しい顔になって料理の並ぶ机を見つめる。
「じゃあ食べよう」
「そうですよ! しっかり食べて働いて寝るんです。健全な人の生活です!」
「健全な人‥‥か。そうだね。やっぱりカズヤは凄いな」
「?」
ドロンさんが料理を見て目を輝かせて席に着く。それを見て声を上げると何故か彼女は再度悲しい顔になってしまう。
僕何かおかしなこと言ったかな?
「お兄ちゃん! 食べよ!」
「あ、ああそうだねリリーちゃん」
考え込んでいるとリリーちゃんが腕をつかんでくる。一緒に席に着くとドロンさんがジト目で睨みつけてくる。またもや首を傾げる事態だ。
「リリーには甘いんだね。ダクトに報告しなくちゃ。カズヤは子供が好きだってね」
「ちょ!? ドロンさん!?」
ドロンさんが目玉焼きの乗った白いパンを半分に切ったものを口に入れながら疑惑を口にする。
別に僕はロリコンじゃないぞ。これは冤罪だ。大人の女性の方が好きなのだよ!
「はぁ、外はまだまだお祭り騒ぎだね。ダクト達が帰ってくるまでうちにいるしかないね」
「はい……」
窓の外を見つめてドロンさんが声を上げる。リリーちゃんは悲しそうな顔になってしまう。まあ、二人は無事だと思うけど、ジャックは確かに強かったからね。
「さて、そろそろ私は鍛冶仕事に入るよ。リリーは好きなことをしてな。もちろん、カズヤもね」
ドロンさんは食事を済ませると奥の部屋に入っていく。彼女は少し悲しい顔だった。今日の料理はあまり好まなかったかな。もう少しお肉を出した方がよかったか。
「じゃあ僕は外に行ってくるよ。冒険者ギルドで様子を見てくる」
「はい! 行ってらっしゃいカズヤお兄ちゃん!」
見送ってくれるリリーちゃんに手を振ってお店を後にする。二人を守れるのは今は僕だけだ。しっかり情報収集しないとな。
ゼクテムの町が落ちるなら、二人を連れて逃げ出さないと。
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