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第1章 成長
第32話 ゴーレムラッシュ
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「魔物の様子は?」
「ストーンゴーレムが8体。弓は利いていません。城壁は十分持ちそうですが」
城門の中に入ると門が閉まる。とりあえず安心とホッとしていると、ガストンさん達が慌ただしく動き出す。
「助かったぜファムちゃん。すぐに聖職者がやってくる。欠損は治らないだろうが、命は助かるだろう」
「そうですか……」
ガストンさんの声にホッとしながらもケガをしていた騎士を見て胸が締め付けられる。普通の人は怪我をしたらあんな姿になってしまう。
ラッドの姿が彼に重なる。一時の判断が彼を騎士達と同じ姿にしてしまう。そんなことには絶対にしたくない。
「はぁ~、外には行けなさそうだな。流石にゴーレムは剣じゃ倒せねえ」
「ん、剣じゃ無理だね」
ラッドは残念そうに両手を頭の後ろで組んで声を上げる。レイブンも自分の力のなさを嘆く。剣で石を切るなんてできないもんな~。
「ゴーレムの魔石はいくらくらいなのかな?」
「確か、1000キット、銀貨10枚。ファム様もしかして?」
ゴーレムの魔石の値段が気になって呟くと、レイブンが教えてくれた。銀貨10枚か。ってことは8000キット、80枚の銀貨。それだけあればトトおじさん達に何かしてあげられるかも。
期待の瞳で見つめてくるレイブンにニヤッと口角を上げて見せる。
「騎士様。今すぐ治しますよ」
不穏な笑みを浮かべていると、司祭の格好をした人が現れる。笑みを浮かべて持っていた杖を掲げる司祭。そして、詠唱を始める。
「【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ【ヒール】】」
司祭は言い終わると回復魔法を唱える。杖の先から光の粒が降り注いで騎士にかけていく。傷口が塞がっていく、欠損はガストンさんが言っていた通り治らない。
「助かりました司祭様」
「礼には及びませんよ。お気持ちは神の御前で寄付という形で示していただければそれだけで」
騎士がお礼をしてお辞儀をすると、司祭が答える。
回復魔法は安くないのかもしれないな~。なんだか人の汚い部分を見ているような、そんな気分にさせられた。
「騎士様。早速で悪いのですが魔法を使える方を派遣していただけませんか?」
「了解した。レナリス様に報告して派遣を頼んでみよう。その間、ゴーレムの対処をお願いする。では」
ガストンさんの要請に素直に答えてくれる騎士の青年。
足はすっかり治ったみたい。回復魔法か、使えるか試してみるべきかもしれないな。使えたらかなり便利だ。
「えっと確か【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ】だっけ」
メモ帳がないから復唱して練習しないとね。
「【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ】
【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ】。よし! 覚えた」
「……ファム? なにやってんだ?」
「え? 何ってってなにこれ!?」
復唱して練習してるとラッドが肩を叩いて聞いてくる。彼の顔は青ざめていたので、どうしたんだろうと思ったら私の体の周りに光が集まっていた。
「せ、精霊様が視覚化している!? な、何が起こっているんだ!?」
司祭の格好をしたおじさんが腰を抜かして倒れる。そのまま泡を吹いて気絶してる。
私はそれだけ凄いことをしてしまったみたい。
『力貸す? ない?』
「え? え? ……あ!?」
周りの反応に驚いていると声が聞こえてくる。言葉の意味を頭が理解すると精霊の声だということがわかった。
「ご、ごめんなさい。練習してただけなの」
『わかった。いつでも使ってね』
私に集まった光は私が謝ると空に散っていく。まるで蛍が空に舞う様に消えていく精霊さん。
光が消えるとガストンさん達が目をこすって何度も私を見つめてきた。
「は、ははは~、まぐれ! まぐれですよ~。ヤダな~」
「ん、ファム様は偉大」
「ちょ、ちょっとレイブン。あははは~」
焦りながらも誤魔化すとレイブンが褒めてくる。それも否定するとガストンさんは大きなため息をついて。
「みんな、見なかったことにするぞ。司祭も誤魔化せ。そうしねえと教会にファムちゃんが縛られちまう。知ってるだろ? そういうことだから今起きたことは何もない。いいな?」
『ああ』
ガストンさんが声を上げてくれる。何やら教会がおかしいことをしているように聞こえる。何かあるのかな?
「そういうことでいいな、ファムちゃん」
「あ、はい。ありがとうございます。それで教会って何かあるんですか?」
「あ? ああそうか。外から来たんだったな。教会は魔法の素質のあるものを集めてるんだ。特に【光魔法】に固執してる。親を襲ってでも捕まえに来るって噂だ」
ガストンさんにお礼を言うと教会について教えてくれる。それってラッセルみたいなことを教会がやってるってこと? なんだか怖いな。
「ゴーレムの騒動が治まるまでは大丈夫だろうけどな。町の中であまり騒がないようにしておけ。まだ司祭に顔を確認されていないだろうから、これ以上目立たなければ大丈夫なはずだ」
「そうですか。よかった。でも、なんで精霊さんは……」
ガストンさんの声にホッとしながらも疑問に思う。
ただ詠唱をしていただけであんなにはっきりと集まってくるなんておかしい。司祭の時もそうだけど、精霊は魔法を発動するまでは見えない。私の魔法の時も火の回りに少し見える程度。もしかして、見えてるのもおかしいのかな?
「MPが多い奴が詠唱をするとたまに見えることがあると言われてたはずだ。まあ、ファムちゃん程じゃないけどな……」
「……な、なるほど」
ここでもMPか。詠唱の言葉にありそうだな~。私のファイアアローは自分でたどり着いた詠唱。
光魔法の詠唱は司祭様の使ったものをそのまま使った。精霊さんの力を貸してください、とか言っているから自力じゃない。
私の魔法は自力だけだったんだ。ってことは精霊さんの力を借りたらもっと強い魔法に変わる? ばれないように行動する方法を考えないとダメだな~。それとも、教会を私の物にしてしまう? ってそんな物騒なことを考えちゃダメよね。
「ストーンゴーレムが8体。弓は利いていません。城壁は十分持ちそうですが」
城門の中に入ると門が閉まる。とりあえず安心とホッとしていると、ガストンさん達が慌ただしく動き出す。
「助かったぜファムちゃん。すぐに聖職者がやってくる。欠損は治らないだろうが、命は助かるだろう」
「そうですか……」
ガストンさんの声にホッとしながらもケガをしていた騎士を見て胸が締め付けられる。普通の人は怪我をしたらあんな姿になってしまう。
ラッドの姿が彼に重なる。一時の判断が彼を騎士達と同じ姿にしてしまう。そんなことには絶対にしたくない。
「はぁ~、外には行けなさそうだな。流石にゴーレムは剣じゃ倒せねえ」
「ん、剣じゃ無理だね」
ラッドは残念そうに両手を頭の後ろで組んで声を上げる。レイブンも自分の力のなさを嘆く。剣で石を切るなんてできないもんな~。
「ゴーレムの魔石はいくらくらいなのかな?」
「確か、1000キット、銀貨10枚。ファム様もしかして?」
ゴーレムの魔石の値段が気になって呟くと、レイブンが教えてくれた。銀貨10枚か。ってことは8000キット、80枚の銀貨。それだけあればトトおじさん達に何かしてあげられるかも。
期待の瞳で見つめてくるレイブンにニヤッと口角を上げて見せる。
「騎士様。今すぐ治しますよ」
不穏な笑みを浮かべていると、司祭の格好をした人が現れる。笑みを浮かべて持っていた杖を掲げる司祭。そして、詠唱を始める。
「【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ【ヒール】】」
司祭は言い終わると回復魔法を唱える。杖の先から光の粒が降り注いで騎士にかけていく。傷口が塞がっていく、欠損はガストンさんが言っていた通り治らない。
「助かりました司祭様」
「礼には及びませんよ。お気持ちは神の御前で寄付という形で示していただければそれだけで」
騎士がお礼をしてお辞儀をすると、司祭が答える。
回復魔法は安くないのかもしれないな~。なんだか人の汚い部分を見ているような、そんな気分にさせられた。
「騎士様。早速で悪いのですが魔法を使える方を派遣していただけませんか?」
「了解した。レナリス様に報告して派遣を頼んでみよう。その間、ゴーレムの対処をお願いする。では」
ガストンさんの要請に素直に答えてくれる騎士の青年。
足はすっかり治ったみたい。回復魔法か、使えるか試してみるべきかもしれないな。使えたらかなり便利だ。
「えっと確か【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ】だっけ」
メモ帳がないから復唱して練習しないとね。
「【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ】
【光の精霊シャインよ。我がマナに答えて力を授けよ。そして、我が友の怪我を治したまえ】。よし! 覚えた」
「……ファム? なにやってんだ?」
「え? 何ってってなにこれ!?」
復唱して練習してるとラッドが肩を叩いて聞いてくる。彼の顔は青ざめていたので、どうしたんだろうと思ったら私の体の周りに光が集まっていた。
「せ、精霊様が視覚化している!? な、何が起こっているんだ!?」
司祭の格好をしたおじさんが腰を抜かして倒れる。そのまま泡を吹いて気絶してる。
私はそれだけ凄いことをしてしまったみたい。
『力貸す? ない?』
「え? え? ……あ!?」
周りの反応に驚いていると声が聞こえてくる。言葉の意味を頭が理解すると精霊の声だということがわかった。
「ご、ごめんなさい。練習してただけなの」
『わかった。いつでも使ってね』
私に集まった光は私が謝ると空に散っていく。まるで蛍が空に舞う様に消えていく精霊さん。
光が消えるとガストンさん達が目をこすって何度も私を見つめてきた。
「は、ははは~、まぐれ! まぐれですよ~。ヤダな~」
「ん、ファム様は偉大」
「ちょ、ちょっとレイブン。あははは~」
焦りながらも誤魔化すとレイブンが褒めてくる。それも否定するとガストンさんは大きなため息をついて。
「みんな、見なかったことにするぞ。司祭も誤魔化せ。そうしねえと教会にファムちゃんが縛られちまう。知ってるだろ? そういうことだから今起きたことは何もない。いいな?」
『ああ』
ガストンさんが声を上げてくれる。何やら教会がおかしいことをしているように聞こえる。何かあるのかな?
「そういうことでいいな、ファムちゃん」
「あ、はい。ありがとうございます。それで教会って何かあるんですか?」
「あ? ああそうか。外から来たんだったな。教会は魔法の素質のあるものを集めてるんだ。特に【光魔法】に固執してる。親を襲ってでも捕まえに来るって噂だ」
ガストンさんにお礼を言うと教会について教えてくれる。それってラッセルみたいなことを教会がやってるってこと? なんだか怖いな。
「ゴーレムの騒動が治まるまでは大丈夫だろうけどな。町の中であまり騒がないようにしておけ。まだ司祭に顔を確認されていないだろうから、これ以上目立たなければ大丈夫なはずだ」
「そうですか。よかった。でも、なんで精霊さんは……」
ガストンさんの声にホッとしながらも疑問に思う。
ただ詠唱をしていただけであんなにはっきりと集まってくるなんておかしい。司祭の時もそうだけど、精霊は魔法を発動するまでは見えない。私の魔法の時も火の回りに少し見える程度。もしかして、見えてるのもおかしいのかな?
「MPが多い奴が詠唱をするとたまに見えることがあると言われてたはずだ。まあ、ファムちゃん程じゃないけどな……」
「……な、なるほど」
ここでもMPか。詠唱の言葉にありそうだな~。私のファイアアローは自分でたどり着いた詠唱。
光魔法の詠唱は司祭様の使ったものをそのまま使った。精霊さんの力を貸してください、とか言っているから自力じゃない。
私の魔法は自力だけだったんだ。ってことは精霊さんの力を借りたらもっと強い魔法に変わる? ばれないように行動する方法を考えないとダメだな~。それとも、教会を私の物にしてしまう? ってそんな物騒なことを考えちゃダメよね。
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