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第1章 成長
第57話 雑音
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「はぁ~、美味しかった」
ビュッフェ方式の食事会。満足するまで食事を楽しんで席に座る。思わず満足のため息をついてしまう。
ネネさんの料理も大好きだけど、ここの料理も大好きになった。特にお肉の焼き方が特徴的だった。
強火で焼いて、外側はカリカリ。中は肉汁が溢れる。そのプールに私はメロメロ。ここに白米があればな~……、なんて思ってしまう。
白米は買い物のときに見て見たけど、どこにも売っていなかった。刀なんかも売ってないのを見ると東方の物は一切来ていないように感じる。残念。
「ファム! 楽しんでくれた?」
「大満足だよ。ありがとうねメリナ」
「ふふ、よかった。お父様も元気になってくれたし。ホント、ファムに会ってからいいことしか起こってない。あなたは私の天使なのかな」
メリナが嬉しそうに感想を求めてくる。私の答えを聞くと彼女はブルース様を見て呟く。
「うん、幸運を呼ぶ天使。あなたは私の騎士であるのと同時に天使なのかも」
メリナはそう言って抱き着いてくる。思わず頭を撫でてあげたくなる。前世の娘を思い出す。
学校であったことを毎日聞かせてくれた甘えん坊の長女。長男が生まれた時には嬉しそうに頬を突いていた。
あの子はほんとに子供が好きで保育園で働いていたっけ。でも、現実は厳しい。結婚をして不妊治療をしたけれど、子供を授かることが出来なかった。
でも、あの子は保育園の子供達を大事にしていた。私の自慢の娘だった。
メリナもとても優しい子だ。この子も守ってあげたい。
「はっはっは。まるで母に抱かれているみたいだな。メリナ」
「お父様」
優しく頭を撫でてあげているとブルース様が声をかけてくる。私は席を立ってお辞儀をした。
「堅苦しい礼儀はいらんよ。私の娘の友達ならば、私の友達でもあるのだから」
「は、はい」
ブルース様はそういうけれど、とっても大きいから威圧感が凄い。
2メートルはあるであろう体躯。小さな私は恐怖を感じる。といってもケルベロスには勝てないから何とかなっているけど。
「ブルース様。そろそろお薬の時間ですよ」
「ムロク大臣。もうそんな時間か。楽しい時間は早いものだな」
ムロク大臣が緑色の液体の入った瓶をブルース様に手渡す。
やっぱり体調は悪いのかな。薬に頼らないといけないみたい。
ブルース様は手渡された薬を一気に飲み干す。空になった瓶をムロク大臣に返すと空いていた椅子に座って一息吐く。
「ふぅ~。良薬は苦い。なぜ体にいいものはまずいのだろうな~」
ブルース様はそう言ってハムとパンを挟んで口に入れる。モグモグと食べる王様はハムスターみたいになってる。
口全体が苦い状態だから中和しようとしてるのかな。
「ゴホッ! ゴホッ!」
パンが一気に喉を通ると咳き込むブルース様。顔色も悪くなってる?
本当に薬なのかと疑ってしまう。
「ブルース様。お水です」
「おお、ありがとうムロク大臣」
水の入ったコップを手渡す大臣。それも一気に飲み干すブルース様。何をやっても豪快の一言。
「ふぅ。若いころは薬なんていらないと思っていたのだがな。儂も歳には勝てないということか」
大きなため息と共に呟くブルース様。とても寂しそうで私も悲しくなってしまう。
「今では片手でオークしか倒せない。昔はトロールやゴーレムなども行けたんだがな~」
「お父様凄い!」
力こぶを見せてそんなことを言うブルース様。凄い力こぶでメリナも真似して見せてくる。
片手でオークを倒せるだけでも凄いと思うけどな~。
「ゴホッ! ゴホッ! ふぅ。今日は少し具合がいいと思っていたのだがな。メリナの友に会えただけでも良かったとしておくか。そろそろ儂は寝ることにするよ。今日は会ってくれてありがとう」
もう一度咳き込むとブルース様はパーティールームから出ていく。
「ファム様。ブルース様明らかに変?」
「レイブン……。あなたもそう思ったの?」
ブルース様の寂しそうな背中を見送るとレイブンが小声で聞いてくる。明らかに薬を飲んでから具合が悪そうだった。
「レナリスさん! また稽古つけてよ」
おかしいと思っているとラッドが、警備の兵士と一緒に並んでいるレナリスさんに声をかける。彼女は首を横に振ってこたえる。
「今は無理よ。また今度ね」
断られるに決まっているのに。ラッドは本当にレナリスさんが好きね。
なんだか気になるけど、今はブルース様よね。
気を取り直して薬を持ってきたムロク大臣を見据える。薬の入っていた瓶をメイドに渡している。手渡すと大臣もどこかへ行ってしまった。
メイドに掃除させようとしてるのかな。
「レイブン調べられる?」
「待ってた。行ってきます」
レイブンに指示を飛ばす。すると彼女はサササッとメイドの後を追っていく。
「イーターも行ってあげて」
「え? あんまり動かないほうがいいんじゃ?」
「今のところ気づいている人はいないみたいだから大丈夫。行ってきて」
「わかった」
肩に乗っていたイーターに声をかける。隠れて料理を食べていた彼女に気づく人はいなかった。
やっぱりステータスが1000を超えている人は少ないと見た。
彼女は堂々と空を飛んでレイブンについて行く。
しばらくすると、メイドの持っていた瓶を回収してくるレイブン。後はこれをラッセルに調べさせて。
「ファム。来ているって聞いてきたわ」
「え? リドナさん?」
ラッセルのことを考えていたら彼の奥様のリドナさんが声をかけてくる。王城に入ってこれるような身分のひとなの?
「驚いたでしょ? 私もラッセルもそこそこ身分が高いのよ。まあ、あの人は今、奴隷の身分に落ちてしまったから気軽に王城には入れないけどね」
リドナさんは得意げにそう話すと私のおでこを突いてくる。
「一応、ラッセルが【男爵】の位を持っているの。そのおかげで私も自由に入ることが出来るってわけ」
「そうなんですね。丁度良かった」
「え? 丁度って何かあったの?」
リドナさんの説明を聞いて納得すると、私は彼女に瓶を手渡す。
「ムロク大臣が用意したブルース様の薬なんですけど、なんだかおかしくて」
「成分を調べたいってことね。わかったわ。すぐにあの人に渡るようにするわ。私の護衛に運ばせる」
液体が少し残った瓶をリドナさんに手渡す。
自分で運びたいのはやまやまなんだけど、今いなくなると家族が危険にさらされるかもしれない。我慢して彼女に働いてもらおう。
「貸し一つよ」
ウインクしてそう言ってくるリドナさんは、すぐに部屋を後にした。
ちゃっかりしてるけど、今は頼らざる負えない。
ビュッフェ方式の食事会。満足するまで食事を楽しんで席に座る。思わず満足のため息をついてしまう。
ネネさんの料理も大好きだけど、ここの料理も大好きになった。特にお肉の焼き方が特徴的だった。
強火で焼いて、外側はカリカリ。中は肉汁が溢れる。そのプールに私はメロメロ。ここに白米があればな~……、なんて思ってしまう。
白米は買い物のときに見て見たけど、どこにも売っていなかった。刀なんかも売ってないのを見ると東方の物は一切来ていないように感じる。残念。
「ファム! 楽しんでくれた?」
「大満足だよ。ありがとうねメリナ」
「ふふ、よかった。お父様も元気になってくれたし。ホント、ファムに会ってからいいことしか起こってない。あなたは私の天使なのかな」
メリナが嬉しそうに感想を求めてくる。私の答えを聞くと彼女はブルース様を見て呟く。
「うん、幸運を呼ぶ天使。あなたは私の騎士であるのと同時に天使なのかも」
メリナはそう言って抱き着いてくる。思わず頭を撫でてあげたくなる。前世の娘を思い出す。
学校であったことを毎日聞かせてくれた甘えん坊の長女。長男が生まれた時には嬉しそうに頬を突いていた。
あの子はほんとに子供が好きで保育園で働いていたっけ。でも、現実は厳しい。結婚をして不妊治療をしたけれど、子供を授かることが出来なかった。
でも、あの子は保育園の子供達を大事にしていた。私の自慢の娘だった。
メリナもとても優しい子だ。この子も守ってあげたい。
「はっはっは。まるで母に抱かれているみたいだな。メリナ」
「お父様」
優しく頭を撫でてあげているとブルース様が声をかけてくる。私は席を立ってお辞儀をした。
「堅苦しい礼儀はいらんよ。私の娘の友達ならば、私の友達でもあるのだから」
「は、はい」
ブルース様はそういうけれど、とっても大きいから威圧感が凄い。
2メートルはあるであろう体躯。小さな私は恐怖を感じる。といってもケルベロスには勝てないから何とかなっているけど。
「ブルース様。そろそろお薬の時間ですよ」
「ムロク大臣。もうそんな時間か。楽しい時間は早いものだな」
ムロク大臣が緑色の液体の入った瓶をブルース様に手渡す。
やっぱり体調は悪いのかな。薬に頼らないといけないみたい。
ブルース様は手渡された薬を一気に飲み干す。空になった瓶をムロク大臣に返すと空いていた椅子に座って一息吐く。
「ふぅ~。良薬は苦い。なぜ体にいいものはまずいのだろうな~」
ブルース様はそう言ってハムとパンを挟んで口に入れる。モグモグと食べる王様はハムスターみたいになってる。
口全体が苦い状態だから中和しようとしてるのかな。
「ゴホッ! ゴホッ!」
パンが一気に喉を通ると咳き込むブルース様。顔色も悪くなってる?
本当に薬なのかと疑ってしまう。
「ブルース様。お水です」
「おお、ありがとうムロク大臣」
水の入ったコップを手渡す大臣。それも一気に飲み干すブルース様。何をやっても豪快の一言。
「ふぅ。若いころは薬なんていらないと思っていたのだがな。儂も歳には勝てないということか」
大きなため息と共に呟くブルース様。とても寂しそうで私も悲しくなってしまう。
「今では片手でオークしか倒せない。昔はトロールやゴーレムなども行けたんだがな~」
「お父様凄い!」
力こぶを見せてそんなことを言うブルース様。凄い力こぶでメリナも真似して見せてくる。
片手でオークを倒せるだけでも凄いと思うけどな~。
「ゴホッ! ゴホッ! ふぅ。今日は少し具合がいいと思っていたのだがな。メリナの友に会えただけでも良かったとしておくか。そろそろ儂は寝ることにするよ。今日は会ってくれてありがとう」
もう一度咳き込むとブルース様はパーティールームから出ていく。
「ファム様。ブルース様明らかに変?」
「レイブン……。あなたもそう思ったの?」
ブルース様の寂しそうな背中を見送るとレイブンが小声で聞いてくる。明らかに薬を飲んでから具合が悪そうだった。
「レナリスさん! また稽古つけてよ」
おかしいと思っているとラッドが、警備の兵士と一緒に並んでいるレナリスさんに声をかける。彼女は首を横に振ってこたえる。
「今は無理よ。また今度ね」
断られるに決まっているのに。ラッドは本当にレナリスさんが好きね。
なんだか気になるけど、今はブルース様よね。
気を取り直して薬を持ってきたムロク大臣を見据える。薬の入っていた瓶をメイドに渡している。手渡すと大臣もどこかへ行ってしまった。
メイドに掃除させようとしてるのかな。
「レイブン調べられる?」
「待ってた。行ってきます」
レイブンに指示を飛ばす。すると彼女はサササッとメイドの後を追っていく。
「イーターも行ってあげて」
「え? あんまり動かないほうがいいんじゃ?」
「今のところ気づいている人はいないみたいだから大丈夫。行ってきて」
「わかった」
肩に乗っていたイーターに声をかける。隠れて料理を食べていた彼女に気づく人はいなかった。
やっぱりステータスが1000を超えている人は少ないと見た。
彼女は堂々と空を飛んでレイブンについて行く。
しばらくすると、メイドの持っていた瓶を回収してくるレイブン。後はこれをラッセルに調べさせて。
「ファム。来ているって聞いてきたわ」
「え? リドナさん?」
ラッセルのことを考えていたら彼の奥様のリドナさんが声をかけてくる。王城に入ってこれるような身分のひとなの?
「驚いたでしょ? 私もラッセルもそこそこ身分が高いのよ。まあ、あの人は今、奴隷の身分に落ちてしまったから気軽に王城には入れないけどね」
リドナさんは得意げにそう話すと私のおでこを突いてくる。
「一応、ラッセルが【男爵】の位を持っているの。そのおかげで私も自由に入ることが出来るってわけ」
「そうなんですね。丁度良かった」
「え? 丁度って何かあったの?」
リドナさんの説明を聞いて納得すると、私は彼女に瓶を手渡す。
「ムロク大臣が用意したブルース様の薬なんですけど、なんだかおかしくて」
「成分を調べたいってことね。わかったわ。すぐにあの人に渡るようにするわ。私の護衛に運ばせる」
液体が少し残った瓶をリドナさんに手渡す。
自分で運びたいのはやまやまなんだけど、今いなくなると家族が危険にさらされるかもしれない。我慢して彼女に働いてもらおう。
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