2 / 110
第1章 村スキル
第2話 異世界生活
しおりを挟む
『お客さん朝だよ~』
「あ! そうだった。異世界に来てたんだった」
どうにかお金を得て宿屋に泊まることが出来た。宿屋の一室で寝ていると入り口から大きな声が聞こえてくる。
この宿屋、『ハヤブサ』の女将さんのルルさんの声だ。かっぷくのいい彼女は声も大きい。
「おはようございますルルさん」
「おはようさん。ムラタさん。はは、今日は普通の格好だね」
支度をして部屋を出ると食堂に向かう。ルルさんは陽気に僕を迎えてくれる。
村人の服はこの世界の服と同じ感じ。少しよれてる感じだな。パジャマの方が着心地はいい。
「当分あの部屋を使うだろ? 別の部屋の方がいいかい?」
「あ、いえ。あの部屋でいいです」
ルルさんは食堂の席に座る僕の前に料理を並べながら聞いてきてくれる。
宿代は一日50ラリ。とりあえず、一週間と言って借りてみたら7倍の値段を言ってきてくれた。
この世界の一週間も七日だというのが確認できた。当面の問題はやはりお金か。
「もぐもぐ。村の人数は15か。10までは早かったけど、それ以降は遅い。やっぱりチュートリアルだったってことか」
白いパンとスープを口に入れながら村のウィンドウを眺める。
宿屋に来て分かったけど、このウィンドウは僕にしか見えていないみたい。
ステータスのウィンドウも他人には見えないらしい。スキルがバレることはないってことかな。
「1000ラリか。村の方は減らないんだな」
僕の残金は650ラリ。鉄でできたコインが5枚と銅で出来たコインが6枚。
大きな銅のコインを一枚渡して帰ってきたのがこのコイン。
ということは鉄貨、大きな鉄貨、銅貨、大きな銅貨、銀貨、大きな銀貨と上がるんだろうな。
そして、それらを使っても村スキルの中のお金は変わらない。何かに使えるということだな。もちろん、赤い夜の防衛者を雇う以外に。
『村人からお願いが届いています』
「ずずっ。ん?」
スープをスプーンからすすっているとそんな声が聞こえてくる。
村を見ると困った様子の男性が映し出される。
『畑を作りたいな。野菜の種が欲しい【100ラリ】』
なるほど、そういうことか。
村人のお願いを解決するためにお金を使うわけだな。ここは、はい一択だな。
「おお!? すぐにできるんだな」
選択肢を選ぶとすぐに村の柵の外に畑が出来上がる。種をまいていく男性は満面の笑みになってる。
「面白いな。でも、100ラリか……。宿代二日分だぞ」
飯付き二日分が種代ってなんだか悲しいな。まあ、美味しいからいいんだけどさ。
「どうだい? 今日も美味しかったかい?」
「あ、はい! 昨日はありがとうございました。これからよろしくお願いします」
「ははは、いいんだよ。飯抜きじゃかわいそうだと思っただけさ。それにしても普通な子だね」
「え? 普通ですか?」
ルルさんが声をかけてくれる。彼女の言葉に首を傾げていると彼女は僕の背中を叩いてくる。
「おかしな格好をしていただろ? それに色んな店に働かせてくれって言ってたらしいじゃないか。それでみんなと話していたのさ。おかしな奴がいるってね」
「ええ!? そんなことになってたんですか? なんだかすみませんでした」
「ははは、いいさ。普通の田舎者だったって言っておくよ。でもすまないけどね。衛兵には話しちまったんだ。少し話をすることになっちまうかもしれない。改めて衛兵には話すつもりだけど」
「あ、そうなんですか……」
ルルさんは申し訳なさそうに告げてくる。
そうだよな~。町で見ない人が急に働きたいなんておかしな格好で来たら通報しちゃうよね。仕方のないことだな。
「女将。通報があったようなんだが」
「あ、来ちまったね。は~い」
ルルさんと話していると入り口の方から声が聞こえてくる。彼女が入り口の方へ向かうと、衛兵さんと一緒に帰ってくる。
「君がいろんなお店から話があった子だね。何歳だい?」
「えっと20歳です」
「20!? 若く見えるが……。まあいい。じゃあ名前を」
衛兵さんは僕の前の席に座ると、ルルさんにお茶を頼んで名前を聞いてくる。
日本人は外国人からすると若く見えると聞くけど、異世界でも同じみたいだな。
「ムラタ・アユムか。苗字持ちだが貴族や王族ではないと。この町に入る時に出した証明書やカードはあるか?」
「えっと。持っていなくて……」
「ん? この町の生まれか? いや、それなら店の者達がわかるはずだな。路地出身か?」
「いえ……」
衛兵さんの質問に答えていくと言えないことも出てくる。彼は困った様子で茶色い紙、羊皮紙にメモを書いていく。
「まあ、人には言えないこともあるだろう。恥ずかしくてな。これからこの町で暮らすなら身分を証明するものが必要になる。商人ギルドや冒険者ギルドでカードを作っておいたほうがいいぞ。俺はドールスだ。何か困ったことがあったら言ってくれ」
「あ、ありがとうございます」
ドールスさんはそう言って宿屋を出ていく。とてもいいおじさんだな。
「ドールスさんはこの町でも有名なお人よしだよ。路地の人に飯を食べさせたりしてる人だよ」
「そうなんですね。だからか」
ルルさんが自慢げに話す。
町の中にいるのに証明書を持っていない僕に忠告してくれたのはそういうことか。
証明書、カードを手に入れないとダメってことだな。ということはギルドか。異世界と言ったら冒険者ギルドだな。
「あ! そうだった。異世界に来てたんだった」
どうにかお金を得て宿屋に泊まることが出来た。宿屋の一室で寝ていると入り口から大きな声が聞こえてくる。
この宿屋、『ハヤブサ』の女将さんのルルさんの声だ。かっぷくのいい彼女は声も大きい。
「おはようございますルルさん」
「おはようさん。ムラタさん。はは、今日は普通の格好だね」
支度をして部屋を出ると食堂に向かう。ルルさんは陽気に僕を迎えてくれる。
村人の服はこの世界の服と同じ感じ。少しよれてる感じだな。パジャマの方が着心地はいい。
「当分あの部屋を使うだろ? 別の部屋の方がいいかい?」
「あ、いえ。あの部屋でいいです」
ルルさんは食堂の席に座る僕の前に料理を並べながら聞いてきてくれる。
宿代は一日50ラリ。とりあえず、一週間と言って借りてみたら7倍の値段を言ってきてくれた。
この世界の一週間も七日だというのが確認できた。当面の問題はやはりお金か。
「もぐもぐ。村の人数は15か。10までは早かったけど、それ以降は遅い。やっぱりチュートリアルだったってことか」
白いパンとスープを口に入れながら村のウィンドウを眺める。
宿屋に来て分かったけど、このウィンドウは僕にしか見えていないみたい。
ステータスのウィンドウも他人には見えないらしい。スキルがバレることはないってことかな。
「1000ラリか。村の方は減らないんだな」
僕の残金は650ラリ。鉄でできたコインが5枚と銅で出来たコインが6枚。
大きな銅のコインを一枚渡して帰ってきたのがこのコイン。
ということは鉄貨、大きな鉄貨、銅貨、大きな銅貨、銀貨、大きな銀貨と上がるんだろうな。
そして、それらを使っても村スキルの中のお金は変わらない。何かに使えるということだな。もちろん、赤い夜の防衛者を雇う以外に。
『村人からお願いが届いています』
「ずずっ。ん?」
スープをスプーンからすすっているとそんな声が聞こえてくる。
村を見ると困った様子の男性が映し出される。
『畑を作りたいな。野菜の種が欲しい【100ラリ】』
なるほど、そういうことか。
村人のお願いを解決するためにお金を使うわけだな。ここは、はい一択だな。
「おお!? すぐにできるんだな」
選択肢を選ぶとすぐに村の柵の外に畑が出来上がる。種をまいていく男性は満面の笑みになってる。
「面白いな。でも、100ラリか……。宿代二日分だぞ」
飯付き二日分が種代ってなんだか悲しいな。まあ、美味しいからいいんだけどさ。
「どうだい? 今日も美味しかったかい?」
「あ、はい! 昨日はありがとうございました。これからよろしくお願いします」
「ははは、いいんだよ。飯抜きじゃかわいそうだと思っただけさ。それにしても普通な子だね」
「え? 普通ですか?」
ルルさんが声をかけてくれる。彼女の言葉に首を傾げていると彼女は僕の背中を叩いてくる。
「おかしな格好をしていただろ? それに色んな店に働かせてくれって言ってたらしいじゃないか。それでみんなと話していたのさ。おかしな奴がいるってね」
「ええ!? そんなことになってたんですか? なんだかすみませんでした」
「ははは、いいさ。普通の田舎者だったって言っておくよ。でもすまないけどね。衛兵には話しちまったんだ。少し話をすることになっちまうかもしれない。改めて衛兵には話すつもりだけど」
「あ、そうなんですか……」
ルルさんは申し訳なさそうに告げてくる。
そうだよな~。町で見ない人が急に働きたいなんておかしな格好で来たら通報しちゃうよね。仕方のないことだな。
「女将。通報があったようなんだが」
「あ、来ちまったね。は~い」
ルルさんと話していると入り口の方から声が聞こえてくる。彼女が入り口の方へ向かうと、衛兵さんと一緒に帰ってくる。
「君がいろんなお店から話があった子だね。何歳だい?」
「えっと20歳です」
「20!? 若く見えるが……。まあいい。じゃあ名前を」
衛兵さんは僕の前の席に座ると、ルルさんにお茶を頼んで名前を聞いてくる。
日本人は外国人からすると若く見えると聞くけど、異世界でも同じみたいだな。
「ムラタ・アユムか。苗字持ちだが貴族や王族ではないと。この町に入る時に出した証明書やカードはあるか?」
「えっと。持っていなくて……」
「ん? この町の生まれか? いや、それなら店の者達がわかるはずだな。路地出身か?」
「いえ……」
衛兵さんの質問に答えていくと言えないことも出てくる。彼は困った様子で茶色い紙、羊皮紙にメモを書いていく。
「まあ、人には言えないこともあるだろう。恥ずかしくてな。これからこの町で暮らすなら身分を証明するものが必要になる。商人ギルドや冒険者ギルドでカードを作っておいたほうがいいぞ。俺はドールスだ。何か困ったことがあったら言ってくれ」
「あ、ありがとうございます」
ドールスさんはそう言って宿屋を出ていく。とてもいいおじさんだな。
「ドールスさんはこの町でも有名なお人よしだよ。路地の人に飯を食べさせたりしてる人だよ」
「そうなんですね。だからか」
ルルさんが自慢げに話す。
町の中にいるのに証明書を持っていない僕に忠告してくれたのはそういうことか。
証明書、カードを手に入れないとダメってことだな。ということはギルドか。異世界と言ったら冒険者ギルドだな。
158
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる