【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)

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第1章 村スキル

第2話 異世界生活

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『お客さん朝だよ~』

「あ! そうだった。異世界に来てたんだった」

 どうにかお金を得て宿屋に泊まることが出来た。宿屋の一室で寝ていると入り口から大きな声が聞こえてくる。
 この宿屋、『ハヤブサ』の女将さんのルルさんの声だ。かっぷくのいい彼女は声も大きい。

「おはようございますルルさん」

「おはようさん。ムラタさん。はは、今日は普通の格好だね」

 支度をして部屋を出ると食堂に向かう。ルルさんは陽気に僕を迎えてくれる。
 村人の服はこの世界の服と同じ感じ。少しよれてる感じだな。パジャマの方が着心地はいい。

「当分あの部屋を使うだろ? 別の部屋の方がいいかい?」

「あ、いえ。あの部屋でいいです」

 ルルさんは食堂の席に座る僕の前に料理を並べながら聞いてきてくれる。
 宿代は一日50ラリ。とりあえず、一週間と言って借りてみたら7倍の値段を言ってきてくれた。
 この世界の一週間も七日だというのが確認できた。当面の問題はやはりお金か。

「もぐもぐ。村の人数は15か。10までは早かったけど、それ以降は遅い。やっぱりチュートリアルだったってことか」

 白いパンとスープを口に入れながら村のウィンドウを眺める。
 宿屋に来て分かったけど、このウィンドウは僕にしか見えていないみたい。
 ステータスのウィンドウも他人には見えないらしい。スキルがバレることはないってことかな。

「1000ラリか。村の方は減らないんだな」

 僕の残金は650ラリ。鉄でできたコインが5枚と銅で出来たコインが6枚。
 大きな銅のコインを一枚渡して帰ってきたのがこのコイン。
 ということは鉄貨、大きな鉄貨、銅貨、大きな銅貨、銀貨、大きな銀貨と上がるんだろうな。
 そして、それらを使っても村スキルの中のお金は変わらない。何かに使えるということだな。もちろん、赤い夜の防衛者を雇う以外に。

『村人からお願いが届いています』

「ずずっ。ん?」

 スープをスプーンからすすっているとそんな声が聞こえてくる。
 村を見ると困った様子の男性が映し出される。

『畑を作りたいな。野菜の種が欲しい【100ラリ】』

 なるほど、そういうことか。
 村人のお願いを解決するためにお金を使うわけだな。ここは、はい一択だな。

「おお!? すぐにできるんだな」

 選択肢を選ぶとすぐに村の柵の外に畑が出来上がる。種をまいていく男性は満面の笑みになってる。

「面白いな。でも、100ラリか……。宿代二日分だぞ」

 飯付き二日分が種代ってなんだか悲しいな。まあ、美味しいからいいんだけどさ。

「どうだい? 今日も美味しかったかい?」

「あ、はい! 昨日はありがとうございました。これからよろしくお願いします」

「ははは、いいんだよ。飯抜きじゃかわいそうだと思っただけさ。それにしても普通な子だね」

「え? 普通ですか?」

 ルルさんが声をかけてくれる。彼女の言葉に首を傾げていると彼女は僕の背中を叩いてくる。

「おかしな格好をしていただろ? それに色んな店に働かせてくれって言ってたらしいじゃないか。それでみんなと話していたのさ。おかしな奴がいるってね」

「ええ!? そんなことになってたんですか? なんだかすみませんでした」

「ははは、いいさ。普通の田舎者だったって言っておくよ。でもすまないけどね。衛兵には話しちまったんだ。少し話をすることになっちまうかもしれない。改めて衛兵には話すつもりだけど」

「あ、そうなんですか……」

 ルルさんは申し訳なさそうに告げてくる。
 そうだよな~。町で見ない人が急に働きたいなんておかしな格好で来たら通報しちゃうよね。仕方のないことだな。

「女将。通報があったようなんだが」

「あ、来ちまったね。は~い」

 ルルさんと話していると入り口の方から声が聞こえてくる。彼女が入り口の方へ向かうと、衛兵さんと一緒に帰ってくる。

「君がいろんなお店から話があった子だね。何歳だい?」

「えっと20歳です」

「20!? 若く見えるが……。まあいい。じゃあ名前を」

 衛兵さんは僕の前の席に座ると、ルルさんにお茶を頼んで名前を聞いてくる。
 日本人は外国人からすると若く見えると聞くけど、異世界でも同じみたいだな。

「ムラタ・アユムか。苗字持ちだが貴族や王族ではないと。この町に入る時に出した証明書やカードはあるか?」

「えっと。持っていなくて……」

「ん? この町の生まれか? いや、それなら店の者達がわかるはずだな。路地出身か?」

「いえ……」

 衛兵さんの質問に答えていくと言えないことも出てくる。彼は困った様子で茶色い紙、羊皮紙にメモを書いていく。

「まあ、人には言えないこともあるだろう。恥ずかしくてな。これからこの町で暮らすなら身分を証明するものが必要になる。商人ギルドや冒険者ギルドでカードを作っておいたほうがいいぞ。俺はドールスだ。何か困ったことがあったら言ってくれ」

「あ、ありがとうございます」

 ドールスさんはそう言って宿屋を出ていく。とてもいいおじさんだな。

「ドールスさんはこの町でも有名なお人よしだよ。路地の人に飯を食べさせたりしてる人だよ」

「そうなんですね。だからか」

 ルルさんが自慢げに話す。
 町の中にいるのに証明書を持っていない僕に忠告してくれたのはそういうことか。
 証明書、カードを手に入れないとダメってことだな。ということはギルドか。異世界と言ったら冒険者ギルドだな。
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