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第1章 村スキル
第20話 洞窟4
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◇
「マスター!? マスター!」
マスターが! マスターが傷を! マスターが死んじゃう。
私は頭がいっぱいになった。チカチカといつかの日の記憶がちらつく。人の死……私はこれを知ってる。思い出したくない記憶。
「姉さん! マスターは生き返るよ。大丈夫だよ!」
「わかってる! わかってるけど……ダメ。頭がおかしくなる」
ジャンがコボルトロードと戦ってる。魔法を使って洞窟の壁が崩れ始めてる。激しい崩壊を始める洞窟内。コボルトロードが暴れているのも合わさると激しいもの。
だけど、私はマスターを失う恐怖で体が動かない。生き返る、生き返ってくれると分かっているのに。
「マスター。マスター……」
マスターを抱きしめる。
口から血を吐き出していた、苦しかっただろうな。私が奴の攻撃に気が付いて、マスターの体を受け止めた。受け止めることしかできなかった。私がもっと強ければ攻撃を代わりに受けることができたのに。
「私はもっと強くならないと。強くなる……。そうだよ、私は強くなりたかったんだ」
チラチラと前世の記憶が見えてきた。マスターと接している間、何度も感じた前世の記憶。優しくて気持ちのいい人……私の好きな人の記憶。
それを失って私は強くなることを誓ったんだ。だけど、それも叶わぬ願いになった。死を迎えたからだ。
それでも強くなりたいと願った私はマスターのスキルの中で形を成した。そうか……私は死んだ人なんだ。
「マスター! 見ていてください! 【業火よ! 私の力となり終焉の炎となせ!】」
私は強くなる。誰よりもどんなものよりも。
手から生まれた赤き炎は私を包んで青くなっていく。黒に近づいていく炎で体が崩れそうになる。
体が軽い、強さを増しているのを感じる。
「ふふ、これでダメなら打つ手なし。ルーザーに譲るのは気が引けるな。だって、私がマスターを守りたかったから」
青い炎で崩れる左手を見つめて呟く。マスターの【防衛者】は私達。守るのは私達……それなのに強くない私。悔しい。
でも、仕方ないよね。今はまだ弱い。私はもっともっと強くなる。マスターを守るために、夢見たことをなせるように。
「みんな! 離れて! 【炎よ! 槍となれ!】」
私の叫びが空洞に響く。そして、赤い炎の槍を作り出す。
青い炎を纏る私と赤い炎の槍が混じり紫色の炎となる。槍を構えると自分の体がなくなったかのように軽くなる。
「よくもマスターを!」
……高速の炎の槍の突き。体もそのまま武器に変わる突進。瞬きの一瞬の隙にコボルトロードに突き刺さる。炎の槍がコボルトロードの体を貫いているのを感じる。
私は倒した。こいつを倒したんだ。
「姉さん!」
ジャンの声が聞こえる。そうだよね。ジャンも前世の記憶を持っているんだ。守るものを守れなかった記憶を持ってるんだ。ごめんね。マスターも自分も守れなくて。
でも、大丈夫、私もマスターも生き返るんだから。
◇
「ん……んん~……。生き返った?」
真っ暗な世界から目を覚ますと死んだときの景色が一変していた。地上から降り注いでいた光が強くなってる。激しい戦闘があったんだろう。洞窟が大きく崩れているよ。
『ラリが足りません』
「ははは、ほんとに全額なくなってる……。また1からやり直しか」
ラリの不足を知らせてくる声。村のウィンドウを見ると0の数字が見える。これじゃイカルスのお願いも聞けないな。
「ジャネット達は……。帰っちゃってるか。ラリがなくなったから帰らされちゃったかな」
周りを見回すとエクス達しかいなくなってる。コボルトロードを倒したんだな。流石はエクス達だ。
「痛ましい戦いだった。倒せてもこれじゃあな……。ムラタも埋葬してやらねえと」
「お~い。エクス!」
「……疲れすぎて幻覚が。ムラタは死んだのに」
「お~い! エクス~。聞こえないの?」
『!?』
エクスがコボルトロードの死を確認して涙を流してる。僕の方に視線を向けて来たから手を振ってみせると、彼らは驚いてしりもちをつく。
そういえば、僕が生き返るのを知らないんだよな。って僕も知らなかったけど。
「ムラタ! 無事なのか? あの不思議な奴らが消えたからてっきり」
「僕も驚いたよ。まさか無事だとはね。傷もすっかりなくなった」
「……再生能力みたいなものか。詮索はしたくないけど、しりたくなる状況だな」
まさか、生き返ったなんて言えないから再生能力で手を打っておくかな。
「エクス。魔道具見つかったよ」
「でかした。これで帰れる」
彼らは魔道具を見つけてくれた。エクスは大きなため息をついて帰り道を探し始める。
「天井まで行ければ簡単に帰れるんだがな」
「流石にあの高さは無理だよね~」
エクスの身体能力でもあの高さまで飛ぶのは無理だ。エクスと一緒に地上から降り注ぐ日の光を見つめる。
「はぁ~、帰ったら腹いっぱいエール飲みたいよエクス」
「今日は命拾いしたからな。エミはムラタの仲間に感謝しないとな」
「ジャン君だっけ。今度呼び出すときはサービスしちゃおうかな。可愛かったし」
大きなため息をしてから話す弓を持つ女性のエミさん。ジャンと一緒にコボルトロードに捕まってしまった人だ。
エクスの声に答えて顔を赤くさせる彼女はジャンを狙っているみたいだ。
ジャンは本当にイケメンだもんな。大きくなったらエクスよりもカッコよくなるだろう。
「しかし、コボルトロードとは恐れ入った。禁止された魔道具なのがわかる」
「恐ろしいね。これ【魔根の球】だっけ」
「ああ。術者の生命力を吸って魔物を生み出す。術者は死を迎える。知らずに作動させて殺された術者もいるとか……。どちらにしても恐ろしい魔道具だ」
エミさんと話すエクス。生物兵器と言っても差し支えない魔道具だな。でも、なんでそんなものを作ったんだ?
「貴族がレベルを上げるために作ったんだっけ?」
「ん? ああ、貴族王族が奴隷の命を使ってレベル上げをしていたらしい。非人道的ってことでやめたって言われているが。この通り、流通してるな」
エミさんが問いかけるとエクスが答える。なるほどね。この世界の貴族様達はあまりいいものじゃないみたいだな。
「エクス! ここの通路は開いてるよ。風も感じる」
「お! でかした! じゃあ、帰ろう」
エクス達が道を見つけてくれた。彼らの後ろをついて歩くと恐怖の声が聞こえてくる。
『マスターの危険を感知。助けを呼びますか? 【赤い騎士ジャネット 100ラリ】【青い剣士ジャン 100ラリ】【緑の狼ルドラ】ERROR ラリが足りません』
「え……」
僕はその声を聞いて体をこわばらせる。倒れるコボルトロードを見つめるとビクンとその巨体が跳ねる。
「エクス! まだ生きてる!」
「なに!? 魔石は取ったんだぞ! どうなってる!」
声を上げるとエクスが驚き戸惑いながらも剣を抜く。魔石も見せてくれてる。拳よりも大きな魔石。確かにそこにある。それなのになんで生きてるんだ?
「まさか……。分割して別の部位にも魔石を。たまにいるんだ。儲けが倍だからありがたいって思うんだが……。これはありがたくないな」
エクスがそう言って顔を青ざめさせる。どうりで経験値が入らないわけだよ。僕も戦ったんだから経験値が入ってもいいんだから。
「続きをやろうってか? なめやがって。死にぞこないが」
コボルトロードがニヤリと笑みを浮かべる。エクスがそれに答えて声を上げた。
「ギャアァァァァァァァ!」
開戦の狼煙をあげるコボルトロード。僕は息をのんだ。
「うるせぇぇぇ~~~~~!」
命をかけた戦いが始まる。そう思ったとき、地上の光と共に降りてくる一人の男が声を上げる。僕らが待ちになった男だ。
『ルーザーさん!』
みんなが見上げて声をあげる。
彼は自由落下でコボルトロードに切りかかる。掴んでくる手を切り刻んで頭から地面までを両断。一瞬で勝負を決めてくれた。た、助かった……。僕はホッとしてしりもちをついた。
「マスター!? マスター!」
マスターが! マスターが傷を! マスターが死んじゃう。
私は頭がいっぱいになった。チカチカといつかの日の記憶がちらつく。人の死……私はこれを知ってる。思い出したくない記憶。
「姉さん! マスターは生き返るよ。大丈夫だよ!」
「わかってる! わかってるけど……ダメ。頭がおかしくなる」
ジャンがコボルトロードと戦ってる。魔法を使って洞窟の壁が崩れ始めてる。激しい崩壊を始める洞窟内。コボルトロードが暴れているのも合わさると激しいもの。
だけど、私はマスターを失う恐怖で体が動かない。生き返る、生き返ってくれると分かっているのに。
「マスター。マスター……」
マスターを抱きしめる。
口から血を吐き出していた、苦しかっただろうな。私が奴の攻撃に気が付いて、マスターの体を受け止めた。受け止めることしかできなかった。私がもっと強ければ攻撃を代わりに受けることができたのに。
「私はもっと強くならないと。強くなる……。そうだよ、私は強くなりたかったんだ」
チラチラと前世の記憶が見えてきた。マスターと接している間、何度も感じた前世の記憶。優しくて気持ちのいい人……私の好きな人の記憶。
それを失って私は強くなることを誓ったんだ。だけど、それも叶わぬ願いになった。死を迎えたからだ。
それでも強くなりたいと願った私はマスターのスキルの中で形を成した。そうか……私は死んだ人なんだ。
「マスター! 見ていてください! 【業火よ! 私の力となり終焉の炎となせ!】」
私は強くなる。誰よりもどんなものよりも。
手から生まれた赤き炎は私を包んで青くなっていく。黒に近づいていく炎で体が崩れそうになる。
体が軽い、強さを増しているのを感じる。
「ふふ、これでダメなら打つ手なし。ルーザーに譲るのは気が引けるな。だって、私がマスターを守りたかったから」
青い炎で崩れる左手を見つめて呟く。マスターの【防衛者】は私達。守るのは私達……それなのに強くない私。悔しい。
でも、仕方ないよね。今はまだ弱い。私はもっともっと強くなる。マスターを守るために、夢見たことをなせるように。
「みんな! 離れて! 【炎よ! 槍となれ!】」
私の叫びが空洞に響く。そして、赤い炎の槍を作り出す。
青い炎を纏る私と赤い炎の槍が混じり紫色の炎となる。槍を構えると自分の体がなくなったかのように軽くなる。
「よくもマスターを!」
……高速の炎の槍の突き。体もそのまま武器に変わる突進。瞬きの一瞬の隙にコボルトロードに突き刺さる。炎の槍がコボルトロードの体を貫いているのを感じる。
私は倒した。こいつを倒したんだ。
「姉さん!」
ジャンの声が聞こえる。そうだよね。ジャンも前世の記憶を持っているんだ。守るものを守れなかった記憶を持ってるんだ。ごめんね。マスターも自分も守れなくて。
でも、大丈夫、私もマスターも生き返るんだから。
◇
「ん……んん~……。生き返った?」
真っ暗な世界から目を覚ますと死んだときの景色が一変していた。地上から降り注いでいた光が強くなってる。激しい戦闘があったんだろう。洞窟が大きく崩れているよ。
『ラリが足りません』
「ははは、ほんとに全額なくなってる……。また1からやり直しか」
ラリの不足を知らせてくる声。村のウィンドウを見ると0の数字が見える。これじゃイカルスのお願いも聞けないな。
「ジャネット達は……。帰っちゃってるか。ラリがなくなったから帰らされちゃったかな」
周りを見回すとエクス達しかいなくなってる。コボルトロードを倒したんだな。流石はエクス達だ。
「痛ましい戦いだった。倒せてもこれじゃあな……。ムラタも埋葬してやらねえと」
「お~い。エクス!」
「……疲れすぎて幻覚が。ムラタは死んだのに」
「お~い! エクス~。聞こえないの?」
『!?』
エクスがコボルトロードの死を確認して涙を流してる。僕の方に視線を向けて来たから手を振ってみせると、彼らは驚いてしりもちをつく。
そういえば、僕が生き返るのを知らないんだよな。って僕も知らなかったけど。
「ムラタ! 無事なのか? あの不思議な奴らが消えたからてっきり」
「僕も驚いたよ。まさか無事だとはね。傷もすっかりなくなった」
「……再生能力みたいなものか。詮索はしたくないけど、しりたくなる状況だな」
まさか、生き返ったなんて言えないから再生能力で手を打っておくかな。
「エクス。魔道具見つかったよ」
「でかした。これで帰れる」
彼らは魔道具を見つけてくれた。エクスは大きなため息をついて帰り道を探し始める。
「天井まで行ければ簡単に帰れるんだがな」
「流石にあの高さは無理だよね~」
エクスの身体能力でもあの高さまで飛ぶのは無理だ。エクスと一緒に地上から降り注ぐ日の光を見つめる。
「はぁ~、帰ったら腹いっぱいエール飲みたいよエクス」
「今日は命拾いしたからな。エミはムラタの仲間に感謝しないとな」
「ジャン君だっけ。今度呼び出すときはサービスしちゃおうかな。可愛かったし」
大きなため息をしてから話す弓を持つ女性のエミさん。ジャンと一緒にコボルトロードに捕まってしまった人だ。
エクスの声に答えて顔を赤くさせる彼女はジャンを狙っているみたいだ。
ジャンは本当にイケメンだもんな。大きくなったらエクスよりもカッコよくなるだろう。
「しかし、コボルトロードとは恐れ入った。禁止された魔道具なのがわかる」
「恐ろしいね。これ【魔根の球】だっけ」
「ああ。術者の生命力を吸って魔物を生み出す。術者は死を迎える。知らずに作動させて殺された術者もいるとか……。どちらにしても恐ろしい魔道具だ」
エミさんと話すエクス。生物兵器と言っても差し支えない魔道具だな。でも、なんでそんなものを作ったんだ?
「貴族がレベルを上げるために作ったんだっけ?」
「ん? ああ、貴族王族が奴隷の命を使ってレベル上げをしていたらしい。非人道的ってことでやめたって言われているが。この通り、流通してるな」
エミさんが問いかけるとエクスが答える。なるほどね。この世界の貴族様達はあまりいいものじゃないみたいだな。
「エクス! ここの通路は開いてるよ。風も感じる」
「お! でかした! じゃあ、帰ろう」
エクス達が道を見つけてくれた。彼らの後ろをついて歩くと恐怖の声が聞こえてくる。
『マスターの危険を感知。助けを呼びますか? 【赤い騎士ジャネット 100ラリ】【青い剣士ジャン 100ラリ】【緑の狼ルドラ】ERROR ラリが足りません』
「え……」
僕はその声を聞いて体をこわばらせる。倒れるコボルトロードを見つめるとビクンとその巨体が跳ねる。
「エクス! まだ生きてる!」
「なに!? 魔石は取ったんだぞ! どうなってる!」
声を上げるとエクスが驚き戸惑いながらも剣を抜く。魔石も見せてくれてる。拳よりも大きな魔石。確かにそこにある。それなのになんで生きてるんだ?
「まさか……。分割して別の部位にも魔石を。たまにいるんだ。儲けが倍だからありがたいって思うんだが……。これはありがたくないな」
エクスがそう言って顔を青ざめさせる。どうりで経験値が入らないわけだよ。僕も戦ったんだから経験値が入ってもいいんだから。
「続きをやろうってか? なめやがって。死にぞこないが」
コボルトロードがニヤリと笑みを浮かべる。エクスがそれに答えて声を上げた。
「ギャアァァァァァァァ!」
開戦の狼煙をあげるコボルトロード。僕は息をのんだ。
「うるせぇぇぇ~~~~~!」
命をかけた戦いが始まる。そう思ったとき、地上の光と共に降りてくる一人の男が声を上げる。僕らが待ちになった男だ。
『ルーザーさん!』
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