【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)

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第1章 村スキル

第40話 ルナの才能

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「わ~、ゴブリンさん二人目~」

「「ギャギャギャ!」」

 ゴブリンの教育をしていると新たにゴブリンが現れた。倒すとルナちゃんのゴブリンが増える。闇魔法って便利だな。あの黒い影に魔物をしまうことが出来るみたいだな。
 思ってみれば僕に似てる。僕は人を従えるけど、彼女は魔物を従える。……彼女があのまま死んでいたら、ジャネット達と一緒に僕に従うことになったわけだよね。彼女達とまったく違う能力、ゲームのキャラクターを現実で集めているように感じてしまう。
 そのためだけでルナちゃんが選ばれた? そう思うとやるせない気持ちになる。

「便利な能力だな。気のせいが知能も上がってるしな」

「そうですね。ゴブリンなのに言うことをちゃんと守りますし」

 ルーザーさんとジャネットがゴブリン達を見て声を上げる。ステータスは上がってるってことかな。そこもジャネット達に似てるな。
 僕のスキルで呼び出せる彼女たちが僕よりも強い。能力も全く違うし、自立して行動してくれる。指示までしてくれて指示待ちな僕には至れり尽くせりだ。

「……たぶんこれは能力の向上が施されています。闇魔法の才能があったルナですけど。死霊術師、ネクロマンサー以上の力となっています。死を扱うネクロマンサーは死骸を操るだけ、意思を持つ生物を従わせるなんて範疇を超えています」

 ルーンが少し考えて発言する。
 やっぱりそうか……。僕は彼女の言葉を聞いて俯く。僕のスキルに選ばれた彼女は能力が向上されてしまったんだ。
 スキルに入る前に助けたから、能力向上だけを受けてしまったんだろう。こういう現象はゲームなんかだと”バグ”というけど、現実だと”奇跡”になるだろうな。

「どんな魔物でも従わせることができるのか?」

「はい、まだ推測ですが」

「そうか……。ムラタ以上に秘密にすべき能力だな。”魔王”と言われても否定できない能力だから」

 ルーザーさんも少し考えて口を開く。ルーンの答えを聞いた彼の言葉が少し重苦しいことに、僕は顔をしかめてしまった。

「ワンワン!」

「ルドラ? どうしたの?」

 そうしているとルドラが急に声を上げる。彼は足にスリスリと顔を擦りつける。
 可愛いので頭を撫でてあげる。そして彼の頭の匂いを嗅いでしまう。犬吸いはやめられない。狼だけどね。ほんとモフモフで最高だ。

「ふふ、ルドラは難しい顔をしていたマスターを和ませようとしたんでしょうね」

「え!? そうなのルドラ?」

「ワンワン!」

 ジャネットが微笑ましく笑うと教えてくれる。
 少し考え込みすぎちゃったな。考えていいのは前を向くことだけ、父さんにはそう教えてもらったっけ。
 
「私強くなる! ルーンお姉ちゃんの仇を取るんだ!」

「え?」

 急に声を上げるルナちゃん。僕は困惑してしまう。

「そのためにお兄ちゃんについてきたんだもん! もっともっと強くなって敵を倒すの! それでお姉ちゃんを利用した奴らを倒すんだ!」

「……そういうことだったのか」

 頑なに来たがった彼女を不思議に思ったけど、目的があったんだな。言ってくれればよかったのに。でも、5歳くらいの少女が目標にすべきものじゃない。

「ルナちゃん。目標を持つことはいいことだけどね。復讐なんて考えちゃダメだよ」

「ダメなの? でも、お姉ちゃんは騙されたんでしょ? ルナと一緒で騙されたんだよね?」

 彼女の目線まで腰を下ろして諭すように話す。その言葉を聞いて彼女はルーンを見つめる。

「私は私の意思で命を捧げたの。あなたのため、そしてオルクスが所属している国、【オスロード王国】を打倒するためにね。だから復讐なんてやめなさい」

「……お姉ちゃん」

 ルーンがそう言って諭す。するとルナちゃんは涙を流して彼女を見上げる。

「お姉ちゃんのほうがダメだよ! なんでルナの為にやったの! 私はお姉ちゃんがいてくれるだけでよかったのに!」

「……そうだよね。私もそうだったもの。それに気がつくのが少し遅かったね」

 泣きながら抱き着くルナちゃんの頭を優しく撫でるルーン。
 奇跡……今僕たちは奇跡を目の当たりにしてる。死んだはずの人が生き返って記憶を蘇らせていく。涙が止まらなよ。

「マスター……」

「マスターは優しいな~」

 涙しているとジャネットが涙を拭ってジャンが微笑んでくれる。二人の優しさにまた涙腺が刺激されて涙が流れてくる。しまいにはルドラが涙をなめとってくれてベットベトに……まあいいんだけどさ。

「さて! 今日は終わりだな。帰ろうぜ。あ、そうそう今日からムラタと同じ宿で泊まることにした」

「ええ!?」

「あそこの食事がうまかったからな。それに実家は広すぎてな。一人じゃ持てあましてるんだ。女将を実家に呼んでもいいんだが、食事に惚れたのは俺だけじゃねえだろうからな」

 ルーザーさんはそう言ってオルクスへと歩き出す。ルルさんの食事は確かに美味しい。そうなっても仕方ないかもな。
 オルクスは彼の故郷。実家があるんだな。大きな屋敷を離れて宿屋に泊まるのか~。ってもしかして、ルーザーさんって結構いい暮らししてるのかな? お酒で全部売ったようなことを言っていたけどな。彼の過去が気になって夜も眠れない……。
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