8 / 113
第一章 異世界
第八話 尾根に小屋が
しおりを挟む
「もう少しで着きますよ」
「あそこです」
アルプス山脈の尾根のようなところにポツンと小屋が一軒建っていた。ここが冒険者達用の休憩スペースのようだ。
「他には誰もいませんね。日も落ちてきましたし飯の準備をしましょう」
「今日は私が作るね」
「ちょっと待て、俺が作るよ。お前だと食料が無駄になるからな」
「オッズひどい。タツミさん、何とか言ってよ」
はいはい、お若いお二人がイチャイチャし始めましたよ、って俺も十分若いけどね。
やはりこの二人はそう言う関係なのか?オッズの奴、こんなかわいい子と幼馴染ってやつか、羨ましい。
オッズはアイサの料理下手を知っているようなので弁護はできないな。だがしかし、ここは料理人の服を持っている俺がやる。
「お二人さん、俺がやるよ」
「ええ、そんな悪いですよ」
「二人には食料をもらうわけだしね。調理は俺に任せて」
オッズが悪いと言ってきたがそうはいかん。俺が料理すれば間違いなくうまい。それに料理人のエプロンを手に入れてから森の食べられそうな草を見極めることができるようになっていたのだ。流石チート先輩、マジ助かる。
二人にばれないようにするのは大変だったけどな。
「凄い気合の入りようですね」
「料理するのにわざわざ着替えるなんて」
ちょこんと少し大きめの岩を椅子代わりにすわってそう呟くお二人。確かに普通に考えると気合が入っているように見えるが俺の力は着替えないと効果がないと思われるので致し方なし。
「では始めます。包丁」
まるで手術をするかのように料理を開始していく。山道を登っていた時に捕まえたイノシシも調理素材に加わっているので騎士達と食べた時よりもおいしいものが作れそうだ。
内臓はさっき出して穴に埋めておいたので省略、血抜きもバッチリなのでそれなりに臭みはないはず。臭みがあっても大丈夫なように香草も取ってあるので大丈夫だ。
料理の知識はゼロに近いが能力のおかげでどういったことが有効かがわかる。パッパとイノシシを解体して食べやすい大きさへとカット。鉄串があったらそれに突き刺して焼いた方がおいしそうだがないので熱した鉄の盾で代用。この鉄の盾はこの小屋に置いてあったものだ。使わなくなった鉄の盾はこういった調理器具に早変わり、なんともエコ力の高い世界だろうか。
「よ~し、できたぞ。イノシシの香草焼きと野菜炒めだ」
「わ~、おいしそう」
「食べていい?」
「ちょっとまった、お二人さん。食べる前にお忘れの言葉がありますよ」
「「言葉?」」
「いただきますでしょうが」
「「いただきます?」」
まじか、この世界は食材に感謝をとか料理人に感謝をしないのか。なんとも嘆かわしい。これは教育していく必要があるな。
「料理をしてくれた人や食材になった生き物達に感謝する言葉だ。これからは食事の前に言うんだぞ」
「タツミさんは変わってるな~」
「オラストロの人とは思えない」
ただ単に挨拶を教えているようなものなのにオラストロの国が馬鹿にされている感じになった。どんだけオラストロって駄目なんだ?
「まあ、いいや。いただきます!」
「いただきます!」
二人は交互にいただきますを言って肉や野菜を一口口に放り込んだ。みるみる頬は緩み満面の笑みを浮かべた二人は俺を見て目を輝かせていた。
「こんなうまいもの初めて食べたよ」
「これなら街に店を持てるんじゃないかな?」
すごい褒めちぎるな。店か・・・金もないし考えてみるか。やるにしても元手がいるが。
「さて、俺も食べるかな。モグモグ・・・まじでうまいな」
「でしょ~」
「こんなに旨い物、本当に初めて食べました。うまいうまい」
オッズ君は言語能力をやられたのか同じことを二度言っています。しかし、そうなってもおかしくないほどうまい。
何というかイノシシのくせに牛の脂のうま味のような物があるし、香草もイノシシの嫌なところだけをうち消しているように思われる。
味付けは塩しかなかったのでシンプルなのだが、その脂のうま味がいい仕事をしていてなんとも言えない旨さになっている。
「このあと、交代で見張りに立ちましょう。最初は僕とアイサがやりますので次はタツミさんが」
「わかった」
オッズが肉を頬ばりながら話す。俺は頷きながら答えるとにっこりとほほ笑んで香草をつまんでいる。どんだけ気に入ったんだよって思ったがやっぱり、喜んで食べてくれると俺も嬉しい。
食事が終わると俺は二人を小屋の外において、小屋の中で就寝。
邪魔者は早めに寝るのが得策だ。
眠りが浅くて変な声が聞こえてきたら眠れるものも眠れないからな。変な声が聞こえてきたら起きちゃうからな・・・大事なことなので二度言ったぞ。
「あそこです」
アルプス山脈の尾根のようなところにポツンと小屋が一軒建っていた。ここが冒険者達用の休憩スペースのようだ。
「他には誰もいませんね。日も落ちてきましたし飯の準備をしましょう」
「今日は私が作るね」
「ちょっと待て、俺が作るよ。お前だと食料が無駄になるからな」
「オッズひどい。タツミさん、何とか言ってよ」
はいはい、お若いお二人がイチャイチャし始めましたよ、って俺も十分若いけどね。
やはりこの二人はそう言う関係なのか?オッズの奴、こんなかわいい子と幼馴染ってやつか、羨ましい。
オッズはアイサの料理下手を知っているようなので弁護はできないな。だがしかし、ここは料理人の服を持っている俺がやる。
「お二人さん、俺がやるよ」
「ええ、そんな悪いですよ」
「二人には食料をもらうわけだしね。調理は俺に任せて」
オッズが悪いと言ってきたがそうはいかん。俺が料理すれば間違いなくうまい。それに料理人のエプロンを手に入れてから森の食べられそうな草を見極めることができるようになっていたのだ。流石チート先輩、マジ助かる。
二人にばれないようにするのは大変だったけどな。
「凄い気合の入りようですね」
「料理するのにわざわざ着替えるなんて」
ちょこんと少し大きめの岩を椅子代わりにすわってそう呟くお二人。確かに普通に考えると気合が入っているように見えるが俺の力は着替えないと効果がないと思われるので致し方なし。
「では始めます。包丁」
まるで手術をするかのように料理を開始していく。山道を登っていた時に捕まえたイノシシも調理素材に加わっているので騎士達と食べた時よりもおいしいものが作れそうだ。
内臓はさっき出して穴に埋めておいたので省略、血抜きもバッチリなのでそれなりに臭みはないはず。臭みがあっても大丈夫なように香草も取ってあるので大丈夫だ。
料理の知識はゼロに近いが能力のおかげでどういったことが有効かがわかる。パッパとイノシシを解体して食べやすい大きさへとカット。鉄串があったらそれに突き刺して焼いた方がおいしそうだがないので熱した鉄の盾で代用。この鉄の盾はこの小屋に置いてあったものだ。使わなくなった鉄の盾はこういった調理器具に早変わり、なんともエコ力の高い世界だろうか。
「よ~し、できたぞ。イノシシの香草焼きと野菜炒めだ」
「わ~、おいしそう」
「食べていい?」
「ちょっとまった、お二人さん。食べる前にお忘れの言葉がありますよ」
「「言葉?」」
「いただきますでしょうが」
「「いただきます?」」
まじか、この世界は食材に感謝をとか料理人に感謝をしないのか。なんとも嘆かわしい。これは教育していく必要があるな。
「料理をしてくれた人や食材になった生き物達に感謝する言葉だ。これからは食事の前に言うんだぞ」
「タツミさんは変わってるな~」
「オラストロの人とは思えない」
ただ単に挨拶を教えているようなものなのにオラストロの国が馬鹿にされている感じになった。どんだけオラストロって駄目なんだ?
「まあ、いいや。いただきます!」
「いただきます!」
二人は交互にいただきますを言って肉や野菜を一口口に放り込んだ。みるみる頬は緩み満面の笑みを浮かべた二人は俺を見て目を輝かせていた。
「こんなうまいもの初めて食べたよ」
「これなら街に店を持てるんじゃないかな?」
すごい褒めちぎるな。店か・・・金もないし考えてみるか。やるにしても元手がいるが。
「さて、俺も食べるかな。モグモグ・・・まじでうまいな」
「でしょ~」
「こんなに旨い物、本当に初めて食べました。うまいうまい」
オッズ君は言語能力をやられたのか同じことを二度言っています。しかし、そうなってもおかしくないほどうまい。
何というかイノシシのくせに牛の脂のうま味のような物があるし、香草もイノシシの嫌なところだけをうち消しているように思われる。
味付けは塩しかなかったのでシンプルなのだが、その脂のうま味がいい仕事をしていてなんとも言えない旨さになっている。
「このあと、交代で見張りに立ちましょう。最初は僕とアイサがやりますので次はタツミさんが」
「わかった」
オッズが肉を頬ばりながら話す。俺は頷きながら答えるとにっこりとほほ笑んで香草をつまんでいる。どんだけ気に入ったんだよって思ったがやっぱり、喜んで食べてくれると俺も嬉しい。
食事が終わると俺は二人を小屋の外において、小屋の中で就寝。
邪魔者は早めに寝るのが得策だ。
眠りが浅くて変な声が聞こえてきたら眠れるものも眠れないからな。変な声が聞こえてきたら起きちゃうからな・・・大事なことなので二度言ったぞ。
52
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる