【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)

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第1章

第11話 避難テント

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「みんな集まったか?」

 避難民テントでも一番大きなテント。
 そのテントに多くの避難してきた人が集まった。

「集まってもらったのは他でもない。エラン達家族の事だ」

 彼らはエラン、アーリー達のことで集まったようだ。

「我々は返しきれないほどの恩を受けてしまった。それをどうするかという話だ」

 彼らは与えられるだけの人達ではなかった。ちゃんと恩を返そうと考えているようだ。

「肩たたきする~」

「おい! 子供は連れてくるなと言っただろ」

 大人たちが集まるということで子供も集まってきてしまった。少女を手で払うと本題に戻った。
 子供達は真剣に見つめるようになった。出ては行かない。

「獲物を狩れるものはギルドに換金。出来ないものは街に働きに言って稼ぐか」

「狩るのはいいけど、街は無理ですよ。グライアスって商会くらいしか雇ってくれねえ」

「そうか。まあ、失格紋も多いしな俺達」

 うなだれるように首を垂れる面々。
 それでも恩を返すんだと顔をあげた青年が声をあげた、

「獲物をいっぱい狩って、牧場でも作っちゃうとか? 牛の魔物とか豚の魔物連れてきて」

「魔物牧場か……。しかし、うまくいくか?」

 魔物使いという特殊な人間が魔物牧場を作るという話は聞いたことがある。しかし、とおじさんは話し続けた。

「魔物は年々強くなる。魔物使いの強さを越えたとき、命令を聞かなくなって廃墟になったと聞いたぞ」

「そこはダークさんに頼んでさ!」

「あ~あの姉ちゃんか。確かにあの姉ちゃんなら……って恩を返す相手の中じゃねえか」

「それ以外だと手はないよ~」

 う~む、と集まった面々はうなだれた。
 確かにダークならば、魔物を威圧で支配することも可能だろう。もともと使役している魔物もいるし、何よりも強いので弱肉強食の世界である魔物の支配はおてのものだ。
 しかし、ダークが作ったお金で恩を受けているので何とも言えない様子。

 うなだれている中、代表の男が立ち上がって声をあげる、

「決まりだ! 恥をしのんで頼んでみよう」

 面々はぞろぞろとダークのもとへ向かった。
 ダークの前に多くの人がぞろぞろとやってくるとさすがのダークもたじろいだ。

「な、なんだ? お前たち」

「恥を忍んでお願いがある! ちょっとこちらに」

 みんなでダークを囲んで円陣を作る。子供のように楽しそうに加わってキャッキャしている。

「まったく、これは遊びじゃないぞ」

「遊びではないのか?」

 男がため息交じりで子供に声をあげる。
 ダークはその様子を見て唖然として話した。

「それで話とは?」

「それがですね。私達はあなた方に恩を返したいと思っています。恩を返すにはお金がいるわけですがそれを作ることもできない」

 代表の男がそういうと目頭をおさえた。

「情けねえが恩を返す対象にお願いに来たってわけです」

 男は真剣な目でダークを見つめる。
 
 牧場計画を話すとダークは顎を抑えて考え込む。

「なるほど、支配するということか。人はやはり面白い」

 アーリーとの出会いで人への興味を大きくしていったダーク。
 自分を怖がらずに近づいてくる多くの人間に好感を持ち始めていたため二つ返事で了承した。

「私は召喚もできる。それを使って管理していこう。管理はしっかりとお前たちでするんだぞ。あくまでも暴れないようにするだけだ」
「ああ、まかせてくれ!」

 牧場計画は進んでいくこととなった。
 魔物を捕まえるのにはダークの眷属が同行した。
 男達の戦力はたかが知れている。ウサギの魔物にも負けるほどの戦力、一人で歩かせるには心もとない。

「牧場に作るには囲いを作らなくちゃな」

「そこはほれ! 俺達は大工だろう」

「ああ、そうだったな」

 王都の城壁のすぐ横、堀の横に木の囲いが作られていく。一つの街の避難民が来ていただけあって大きな避難テント群だったそれは見る間に大きさを変えていった。
 魔物の牧場というだけあってかなりの規模のものになっていく。
 
「名前はどうする?」

「名前? そうだな~。あの親子の物だからアーリー牧場なんてどうだ?」

 代表の男、ヴァイスの提案にみんないいねを返した。

 一夜にして出来上がる牧場を見て、兵士たちが騒いでいるがそんなものはお構いなし。
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