制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 国

第45話 胡椒

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「このガキ!」

 アイリがレストランの子供とチンピラの間に入るとチンピラがアイリを睨みつける。
 アイリも負けじと睨みつけるとチンピラの仲間が立ち上がって俺達を睨みつけた。

「親の教育がなってねえんじゃねえか?」

 椅子に座る俺達を囲うように近づいてきたチンピラ。殺してしまったら騒ぎになるよな~。面倒だな~。

「お客さん! 騒ぐなら出ていってくださいよ!」

 コキコキ!

 親分さんが指を鳴らしてチンピラに言い放つ。異様な気迫のある親方さんの言葉にチンピラはたじろいだ。

「ふ、ふんっ。こんなまずい店にいつまでもいられるか! いくぞ」

「ふんっ」

「べ~」

 チンピラたちは親方の圧で店から出て行った。アイリがあっかんべーをしているよ。まったく……正義感が強い子になっちゃって。
 あいつらは何がしたかったんだ?

「ありがとうよ。嬢ちゃん」

『ありがと~』

 親方と子供たちがアイリにお礼を言っている。アイリは恥ずかしそうに頭を掻いて照れているよ。

「じゃあ食べ終わったし、帰りますね」

「おう、これ持ってってくれ」

「えっ?」

 親方は革袋を手渡してきた。中を見ると胡椒の粒がたんまり入っている。

「もらってくれ」

「いやいや、流石にお金は払いますよ」

「いやいいんだ。金をもらっちまうと売ったって事になっちまうだろ。あげたって事にしておいてくれ」

 販売は禁止されているけど、あげるなら大丈夫って事か。
 でも、何だか悪いな~。

「じゃあ、俺も」

「えっ?」

 俺も子供達に革袋を渡した。中には金貨がいっぱい入っている。

「子供達のサービスへのチップです。親方にあげたわけじゃないですからね」

「……あんたいい奴だな」

「あんた程じゃないよ」

 親方と顔を見合ってニカっと笑う。親方は子供たちの頭をわしゃわしゃと撫でると子供達を厨房に帰した。

「じゃあ、お勘定を」

「おいおい、これ以上もらったら犯罪になっちまうよ。勘弁してくれ」

「おじちゃん顔真っ赤~」

『ははは』

 お勘定を渡そうと思ったら親方が顔を真っ赤にして両手を顔の前で振った。アイリが楽しそうに揶揄うとみんなで笑いあった。

「俺はガンジだ」

「俺はヒフミ、こっちはマイル」

「マイルです」

「で、こっちが」

「アイリだよ」

 笑いあって自己紹介をしあった。親方のガンジと硬く握手を交わして俺達はレストランを後にした。

「へっへっへ、調子に乗りやがって。こんな店燃やしてやる」

「へへへ……。!? 剣?」

 チンピラたちが気になったので剣君を飛ばしておいた。案の定、店に何かしようとしていたようだ。松明を持っているという事は火付けかもしれないな。
 剣君を見た、チンピラは首を傾げていたがすぐにその首が地面に落ちた。

「な、なんだ!? ヒィ!」

 一人のチンピラの首を落とすと他のチンピラたちが逃げ出した。村の外に出たなら始末も簡単だ。

 この夜、村の外では複数の男の悲鳴が聞かれたが死体などの姿が無かった為に大騒ぎにならなかった。
 村の中の死体はリビングアーマー達に体を隠させた、村の外へと放棄したのだった。

「始末しました」

「そうか」

「何かあったんですか?」

 宿屋に帰ってきて、くつろいでいると窓の外から剣君が報告してくれた。何をしまつしたかを言わないのも剣君は分かっているなと感心するよ。マイルが気になって聞いてきたけど、首を横に振ってなんでもないと答える。
 あまり、気持ちのいいことじゃないからな。

「お兄ちゃん! 一緒に寝よ!」

「ん? マイルとじゃなくていいのか?」

「ん~。みんなで寝たいの!」

 みんなで寝るのか……、四人で寝るには一個のベッドでは厳しいな。四人部屋なので四個のベッドがあるんだが、ベッドをくっつければ行けるかな?

「床で寝れば行けるんじゃないですか?」

「布団を外せばいいのか」

 ベッドではどうしても真ん中が沈んでしまう。そう思っているとマイルが提案してくれた。マイルも何だか乗り気なんだな。

「じゃあ、外しますね~」

 リックも乗り気でさささと布団を外していく。

「あったかいね~」

「ああ、そうだな~」

 アイリとリックを俺とマイルで挟んで床に寝転がる。少し床が硬い気はするけど、眠れないほどではない。
 アイリの言葉に笑顔で返すとリックとマイルも微笑んでいる。

「何だか、お父さんとお母さんが帰ってきたみたいです」

「……」

 リックの言葉に涙腺が緩む。
 みんな、この厳しい世界で悲惨な目にあってきたんだよな。のほほんと生きてきた俺とはえらい違いだ。

「ヒフミ様には本当に救われています」

 マイルの後押しで涙腺崩壊。俺は寝たふりをしてやり過ごした。
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