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第一章
第30話 幽霊さん
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「フォッフォッフォ。フィルは若いのに両手に花か。凄いの~」
「ちょっとギルベンさん」
馬車に乗り込んで買う予定の屋敷に向かっている。左右に乗ったベルルさんとルリを見てギルベンさんが揶揄って来た。
二人は気にしていない様子だけど、少し頬が赤くなっているように見える。
でもそれだけで二人とも僕の事は気にしていないと思うんだけどな。
「そろそろつくころじゃな」
「結構街の中央なんですね」
「うむ、元伯爵の屋敷じゃからな」
ゲルグガルドの中央、主に貴族の人の屋敷がある地域。アライア男爵の屋敷も近いところにある。
「ふぃ、フィル~。ここに孤児が入るの?」
「う、うん……。門の前で止められそうだね」
貴族街に入るには内壁を通らないといけない。門の前を兵士が守っているから黙っては通してもらえないかもな。
「大丈夫じゃよ。そこは儂が何とかする」
「そこまでしてくれるんですか?」
「フォッフォッフォ。そうじゃよ。儂はおぬしを買っておるんじゃ。ドラゴンをゾンビとはいえ排除し、魔族も退けておると聞く。あの山を削るほどの威力の爆発も防ぐすべを持っているおぬしは儂の中で勇者に匹敵するものだということじゃ」
ギルベンさんはまだ言ってないことも知ってるみたいだ。
笑いながら言ってるけど目は本気って感じだ。僕が勇者か、確かにその域にはきてるかもしれないな。だって、
名前 フィル 【超越者】
レベル ☆20
HP 22900
MP 22800
STR 2500
DEF 2500
DEX 2387
AGI 2400
INT 2305
MND 2305
パーティーリーダー 【フィル】
メンバー
【ラフィーリア】
【ルリ】
【ルファー】
【ベルル】
【イレレイ】
【ジム】
【ファバル】
【ワッタ】
【パーティーメンバーが十人を超えたので経験値が上がります】
パーティーのリーダーが僕になってしまった。これは僕が強くなりすぎたことを示していそうだ。
強いものがリーダーになる。ラフィーリアを超えてしまったみたい、なんだか申し訳ない。
おまけに超越者となってしまった。どうやら、百レベルを超えると超越者になるみたい。今のところ超越者となって変わったことはないけど、なったことで何か変わっているのだろうか。
僕だけのステータスを見ても分からないけれど、勇者と言われるような人よりも強いのかな? って言うか勇者っているのか? まあ、魔王がいるって聞いてから気にはなっていたけど勇者もいるのか。あまり関わらないようにしたいな。
「ほれ、あれがその屋敷じゃ」
「「わ~……」」
屋敷を前に馬車が止まる。ギルベンさんの声で馬車から屋敷を眺めると凄い大きな屋敷が目に入った。噴水の周りに色とりどりの花で花壇が作られてる。
「綺麗」
「フォッフォッフォ。それをあの子にも言っておくれ。とても喜んでくれるはずじゃ」
ルリが思わずつぶやくとギルベンさんが微笑んだ。あの子って屋敷に住んでる霊のことかな?
「では降りようか」
ギルベンさんの合図で僕が先に下りる。みんなに手を貸して馬車から降ろすと屋敷のもんへとギルベンさんが歩いていく。
「ほれ、これがここの鍵じゃ。屋敷の鍵と同じもので出来ておる。魔法もかかっておるから偽装も出来ん優れモノじゃぞ」
へ~この世界の鍵は魔法でそんなことも出来るのか。なんだかいろんなことに魔法を使っているんだな~。
それなのに氷は流通していないのか。それだけ氷属性が珍しいってことかな?
渡された鍵で門を開ける。庭を通って屋敷の扉にたどり着いて鍵を差し込む。
「ん? 何もならんのか?」
「え? 何かなるものなんですか?」
普通に鍵を差し込んだだけなのにギルベンさんが驚いてる。
「実はの~。鍵を差し込むと魔力を登録することになっているようでな。そこそこMPを吸収するようなんじゃ。前に貴族が開けた時は倒れてしまったんじゃよ」
ええ、MPドレインってやつか。MPを吸い取って登録するってことね。
何も感じなかったけどどのくらい吸い取ったんだろうか? ちょっと見てみようかな。
MP 21000
千八百程吸い取られてる……吸い取りすぎだと思うんだけど。
「儂はそんなことをしなくても入れるから儂が気に入らなかったからやらせたんじゃがな。おお、フィルは違うぞ。たぶん大丈夫だと思ったから開けさせたんじゃ」
「ギルベンさん……」
三人でギルベンさんをジト目で見つめる。倒れたらどうするつもりだったんだろう?
「フォッフォッフォ。軽いテストみたいなものじゃよ。ほれ、そんな怖い顔をしてないで中に入ろうじゃないか」
「ん、大丈夫フィル?」
「フィル?」
ギルベンさんは笑いながら屋敷に入って行く。ベルルさんは心配してくれて手を握ってくれた。ルリも一緒に心配してくれてる。
中に入って行ったギルベンさんについて入るとギルベンさんの横に半透明な女性が現れた。
「おお、すまないね。この子達が今回のお客様だよ。どうだろうか?」
ギルベンさんがそういって僕らを見つめる。
女性は落ち着いた様子で僕らを一人一人見つめてくる。
「!?」
ベルルさん、ルリと見て最後に僕を見るとなぜかびっくりしたように後ずさった。
「ど、どうしたんじゃ?」
「ほしい!」
「あれ? 話せるんじゃ?」
「ああ、そうなんじゃよ。精霊に近い彼女はしっかりとは言葉を発せられなくなってしまってね」
ギルベンさんに身振り手振りと片言で説明してる霊の女性。ルリが疑問に思って聞くとギルベンさんが答えてくれた。
精霊に近いのか。でも、イフリートやシルフは普通に言葉を話していたけどな?
「そこで何じゃが。この子、エレクトラがフィルのマナを欲しておるんじゃ」
「え? マナを?」
ギルベンさんの言葉に首を傾げると霊のエレクトラさんが大きく頷いて答える。
「欲しいって言われてもどうすれば?」
「簡単じゃよ。握手をしてくれればいいんじゃ」
「握手?」
言われて僕は手をエレクトラさんへ差し出す。彼女は喜んで両手で僕の手を覆った。握手と言うより抱きしめる感じだ。
「ありがとう! あなたのおかげでちゃんと話せるようになった」
「ええ!? どういうこと?」
「あなたのマナは精霊にとって最高の食べ物みたい。大精霊様のマナに似てる」
エレクトラさんはそう説明してくれた。大精霊に似てるっか……そういえばイフリートとかシルフも喜んでいたような気がする?
でも、彼らはその大精霊なんだよな~。
「大精霊のマナに似ておるっか……。またまた気になることを」
「ははは、それよりもどうなの? 僕らがこの屋敷を買っていいのかな?」
ギルベンさんが顎に手を当てて考えているのを見てごまかすようにエレクトラさんに質問する。彼女は大きく頷いて微笑んでくれる。
「こちらこそお願いしますマスター!」
「ええ! マスター?」
「はい! あなたは新しい私のマスターなのです」
僕の両手を握って頬をスリスリとすり合わせてくる。僕は恥ずかしくて視線を逸らすとルリと目が合ってしまった。
ルリはジト目でそっぽを向いた。無視しないで助けてほしいんだけどな。
「ん、そんなマスターを困らせちゃダメだよ」
「あ、申し訳ありません奥方様」
「……ん、奥方。(嬉しい)」
ベルルさんがエレクトラさんに声をかけると奥方と呼んでしまった。ベルルさんは顔を背けて何かつぶやいてる。流石に奥方なんて言われてショックだったかな。
「ベルルさん!」
「はっ! ごめんルリ。とにかく、エレクトラさん。私達は孤児院をこの屋敷で経営したいと思うの。協力してくれる?」
ルリが叫ぶとベルルさんが話しだす。
「孤児院? 子供がたくさんくるです?」
「そうだよ。大丈夫かな?」
「……はい! 子供。大好きです。マスターよりも小さな子供です?」
「うん。僕らと同じくらいのは3人だけだね」
ルファーとリファとレイチェル以外は僕らよりも小さい。エレクトラさんは僕の言葉を聞くと嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ早速引っ越すね」
「マスターも行ってしまうです?」
「あ、うん。そりゃ引越しだから、色々とね」
「分かりました。待ってます」
「あ、はい……」
エレクトラさんは残念そうに呟く。引越しだからすぐに帰ってくるんだけど、凄い残念そうだ。なんだか申し訳ないな。
「ちょっとギルベンさん」
馬車に乗り込んで買う予定の屋敷に向かっている。左右に乗ったベルルさんとルリを見てギルベンさんが揶揄って来た。
二人は気にしていない様子だけど、少し頬が赤くなっているように見える。
でもそれだけで二人とも僕の事は気にしていないと思うんだけどな。
「そろそろつくころじゃな」
「結構街の中央なんですね」
「うむ、元伯爵の屋敷じゃからな」
ゲルグガルドの中央、主に貴族の人の屋敷がある地域。アライア男爵の屋敷も近いところにある。
「ふぃ、フィル~。ここに孤児が入るの?」
「う、うん……。門の前で止められそうだね」
貴族街に入るには内壁を通らないといけない。門の前を兵士が守っているから黙っては通してもらえないかもな。
「大丈夫じゃよ。そこは儂が何とかする」
「そこまでしてくれるんですか?」
「フォッフォッフォ。そうじゃよ。儂はおぬしを買っておるんじゃ。ドラゴンをゾンビとはいえ排除し、魔族も退けておると聞く。あの山を削るほどの威力の爆発も防ぐすべを持っているおぬしは儂の中で勇者に匹敵するものだということじゃ」
ギルベンさんはまだ言ってないことも知ってるみたいだ。
笑いながら言ってるけど目は本気って感じだ。僕が勇者か、確かにその域にはきてるかもしれないな。だって、
名前 フィル 【超越者】
レベル ☆20
HP 22900
MP 22800
STR 2500
DEF 2500
DEX 2387
AGI 2400
INT 2305
MND 2305
パーティーリーダー 【フィル】
メンバー
【ラフィーリア】
【ルリ】
【ルファー】
【ベルル】
【イレレイ】
【ジム】
【ファバル】
【ワッタ】
【パーティーメンバーが十人を超えたので経験値が上がります】
パーティーのリーダーが僕になってしまった。これは僕が強くなりすぎたことを示していそうだ。
強いものがリーダーになる。ラフィーリアを超えてしまったみたい、なんだか申し訳ない。
おまけに超越者となってしまった。どうやら、百レベルを超えると超越者になるみたい。今のところ超越者となって変わったことはないけど、なったことで何か変わっているのだろうか。
僕だけのステータスを見ても分からないけれど、勇者と言われるような人よりも強いのかな? って言うか勇者っているのか? まあ、魔王がいるって聞いてから気にはなっていたけど勇者もいるのか。あまり関わらないようにしたいな。
「ほれ、あれがその屋敷じゃ」
「「わ~……」」
屋敷を前に馬車が止まる。ギルベンさんの声で馬車から屋敷を眺めると凄い大きな屋敷が目に入った。噴水の周りに色とりどりの花で花壇が作られてる。
「綺麗」
「フォッフォッフォ。それをあの子にも言っておくれ。とても喜んでくれるはずじゃ」
ルリが思わずつぶやくとギルベンさんが微笑んだ。あの子って屋敷に住んでる霊のことかな?
「では降りようか」
ギルベンさんの合図で僕が先に下りる。みんなに手を貸して馬車から降ろすと屋敷のもんへとギルベンさんが歩いていく。
「ほれ、これがここの鍵じゃ。屋敷の鍵と同じもので出来ておる。魔法もかかっておるから偽装も出来ん優れモノじゃぞ」
へ~この世界の鍵は魔法でそんなことも出来るのか。なんだかいろんなことに魔法を使っているんだな~。
それなのに氷は流通していないのか。それだけ氷属性が珍しいってことかな?
渡された鍵で門を開ける。庭を通って屋敷の扉にたどり着いて鍵を差し込む。
「ん? 何もならんのか?」
「え? 何かなるものなんですか?」
普通に鍵を差し込んだだけなのにギルベンさんが驚いてる。
「実はの~。鍵を差し込むと魔力を登録することになっているようでな。そこそこMPを吸収するようなんじゃ。前に貴族が開けた時は倒れてしまったんじゃよ」
ええ、MPドレインってやつか。MPを吸い取って登録するってことね。
何も感じなかったけどどのくらい吸い取ったんだろうか? ちょっと見てみようかな。
MP 21000
千八百程吸い取られてる……吸い取りすぎだと思うんだけど。
「儂はそんなことをしなくても入れるから儂が気に入らなかったからやらせたんじゃがな。おお、フィルは違うぞ。たぶん大丈夫だと思ったから開けさせたんじゃ」
「ギルベンさん……」
三人でギルベンさんをジト目で見つめる。倒れたらどうするつもりだったんだろう?
「フォッフォッフォ。軽いテストみたいなものじゃよ。ほれ、そんな怖い顔をしてないで中に入ろうじゃないか」
「ん、大丈夫フィル?」
「フィル?」
ギルベンさんは笑いながら屋敷に入って行く。ベルルさんは心配してくれて手を握ってくれた。ルリも一緒に心配してくれてる。
中に入って行ったギルベンさんについて入るとギルベンさんの横に半透明な女性が現れた。
「おお、すまないね。この子達が今回のお客様だよ。どうだろうか?」
ギルベンさんがそういって僕らを見つめる。
女性は落ち着いた様子で僕らを一人一人見つめてくる。
「!?」
ベルルさん、ルリと見て最後に僕を見るとなぜかびっくりしたように後ずさった。
「ど、どうしたんじゃ?」
「ほしい!」
「あれ? 話せるんじゃ?」
「ああ、そうなんじゃよ。精霊に近い彼女はしっかりとは言葉を発せられなくなってしまってね」
ギルベンさんに身振り手振りと片言で説明してる霊の女性。ルリが疑問に思って聞くとギルベンさんが答えてくれた。
精霊に近いのか。でも、イフリートやシルフは普通に言葉を話していたけどな?
「そこで何じゃが。この子、エレクトラがフィルのマナを欲しておるんじゃ」
「え? マナを?」
ギルベンさんの言葉に首を傾げると霊のエレクトラさんが大きく頷いて答える。
「欲しいって言われてもどうすれば?」
「簡単じゃよ。握手をしてくれればいいんじゃ」
「握手?」
言われて僕は手をエレクトラさんへ差し出す。彼女は喜んで両手で僕の手を覆った。握手と言うより抱きしめる感じだ。
「ありがとう! あなたのおかげでちゃんと話せるようになった」
「ええ!? どういうこと?」
「あなたのマナは精霊にとって最高の食べ物みたい。大精霊様のマナに似てる」
エレクトラさんはそう説明してくれた。大精霊に似てるっか……そういえばイフリートとかシルフも喜んでいたような気がする?
でも、彼らはその大精霊なんだよな~。
「大精霊のマナに似ておるっか……。またまた気になることを」
「ははは、それよりもどうなの? 僕らがこの屋敷を買っていいのかな?」
ギルベンさんが顎に手を当てて考えているのを見てごまかすようにエレクトラさんに質問する。彼女は大きく頷いて微笑んでくれる。
「こちらこそお願いしますマスター!」
「ええ! マスター?」
「はい! あなたは新しい私のマスターなのです」
僕の両手を握って頬をスリスリとすり合わせてくる。僕は恥ずかしくて視線を逸らすとルリと目が合ってしまった。
ルリはジト目でそっぽを向いた。無視しないで助けてほしいんだけどな。
「ん、そんなマスターを困らせちゃダメだよ」
「あ、申し訳ありません奥方様」
「……ん、奥方。(嬉しい)」
ベルルさんがエレクトラさんに声をかけると奥方と呼んでしまった。ベルルさんは顔を背けて何かつぶやいてる。流石に奥方なんて言われてショックだったかな。
「ベルルさん!」
「はっ! ごめんルリ。とにかく、エレクトラさん。私達は孤児院をこの屋敷で経営したいと思うの。協力してくれる?」
ルリが叫ぶとベルルさんが話しだす。
「孤児院? 子供がたくさんくるです?」
「そうだよ。大丈夫かな?」
「……はい! 子供。大好きです。マスターよりも小さな子供です?」
「うん。僕らと同じくらいのは3人だけだね」
ルファーとリファとレイチェル以外は僕らよりも小さい。エレクトラさんは僕の言葉を聞くと嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ早速引っ越すね」
「マスターも行ってしまうです?」
「あ、うん。そりゃ引越しだから、色々とね」
「分かりました。待ってます」
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