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第一章 神様からの贈り物
第二十三話 僕らの強さ
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「疲れた~」
「お帰りなさい!」
「東の森はどうだった?」
「色々大変だったよ~」
ウサギノ宿屋について、ラナさんとクル君に迎えられた。簡単に東の森の出来事を話すとクル君は目を輝かせていました。ドラゴンの事やワイバーンの事は伏せているけどクル君にとっては十分面白かったみたい。二人を信じていないわけじゃないけど、あんまり広めたくないからそこは抑えておいた。
「大変だったね~。肉はいっぱいあるから夕飯は期待しててね」
「「は~い」」
僕らはラナさんに手を振って答えて自分たちの部屋へと向かった。
「ホント疲れた~」
「だね」
自分達の部屋に着くとシーナがベッドに飛び込んでいく。僕は荷物を床に落として座り込んだ。まさか、初めての討伐依頼がドラゴン退治になるなんて思わなかったよ。
「明日はゴブリンの巣か~」
「ウーナさんの話じゃ、マスターたちはドラゴンは居なくなったって事で話を進めるはずだから、今日みたいな騒ぎにはならないはずだよね。東の森に行ければいいけど・・」
シーナの呟きに僕は思考を巡らせる。ドラゴンが居なくなったんだから、みんな町から逃げなくても大丈夫、今日のような事になってなくて東の森にも普通にいけるようになってるはずだよね。
「行けなかったら、Eランクの依頼で町観光だね~」
「はは、そうなるかもね」
しっかりと町を探検出来ていないのでシーナは観光したいみたいだ。
「・・・アレク~」
「えっ? どうしたのシーナ?」
シーナが甘い声で僕の名を囁きながら、背中に抱き着いてきた。胸がポヨンポヨンと僕の背中に。
「ど、どうしたの・・」
僕は若干緊張しながら聞き返す。いけない考えを払拭しながらも期待してしまう自分がいる。
「これ見て!」
「えっ?」
背中から手を回して僕の眼前に紙を差し出した。その紙はステータスを記す事が出来る魔道具、冒険者ギルドでもらった物だ。ステータス・・・はっ!
「もしかして?」
「うん・・」
僕は色々と察してシーナに顔を向けるとシーナがゆっくりと頷いた。僕はごくりと生唾を飲み込んで、シーナのステータスを覗く。
「ステータスオープン・・」
「・・・何これ?」
シーナ
レベル 53
【HP】4900
【MP】5500
【STR】480
【VIT】450
【DEX】435
【AGI】428
【INT】540
【MND】530
ギフト
巫女
レベル53・・・、数は数えていないけどワイバーンを十以上、ドラゴン一匹、その前に、ゴブリンを百匹、オークを二十匹。それで、53レベル? 妥当なのかよくわからないけれど、上がりすぎなような気がする。
「やっぱり、ゴブリンとかオークが大量にいたのはドラゴンがスタンピードを招こうとしていたって事なのかな?」
「そう言えばそうだね。僕らは知らずにスタンピードを止めちゃったって事かな・・・」
改めて考えるとウルフに乗って町を見ていたゴブリン達は斥候で、今にも町に攻め込もうとしていたのかもしれない。僕らは運がいいのか悪いのか、その場面に鉢合わせて仕留めてしまった。まあ、町を救えたと単純に考えられればそれでいいんだけど、これが王様とか貴族様に知られたら大変なことになっちゃうな~。マスターとかがうまくやってくれていればいいけれど、貴族様からの追及があったら迷惑がかかりそうだよね。
「アレクのステータスは?」
「はっ! そう言えば僕のはどうなってるんだ!」
僕はシーナの声に我に返って自分の紙を召喚。
アレク
レベル 68
【HP】8640
【MP】5200
【STR】729
【VIT】715
【DEX】709
【AGI】708
【INT】510
【MND】505
ギフト
裁縫(速度5 完成度11 スキル9)
「・・・」
「わ~凄~い。やっぱり、アレクの方が強いね~」
呑気なシーナの声が部屋に木霊する。こんなにレベルが上がっているなんて、目立たない方が可笑しいよ。
「お帰りなさい!」
「東の森はどうだった?」
「色々大変だったよ~」
ウサギノ宿屋について、ラナさんとクル君に迎えられた。簡単に東の森の出来事を話すとクル君は目を輝かせていました。ドラゴンの事やワイバーンの事は伏せているけどクル君にとっては十分面白かったみたい。二人を信じていないわけじゃないけど、あんまり広めたくないからそこは抑えておいた。
「大変だったね~。肉はいっぱいあるから夕飯は期待しててね」
「「は~い」」
僕らはラナさんに手を振って答えて自分たちの部屋へと向かった。
「ホント疲れた~」
「だね」
自分達の部屋に着くとシーナがベッドに飛び込んでいく。僕は荷物を床に落として座り込んだ。まさか、初めての討伐依頼がドラゴン退治になるなんて思わなかったよ。
「明日はゴブリンの巣か~」
「ウーナさんの話じゃ、マスターたちはドラゴンは居なくなったって事で話を進めるはずだから、今日みたいな騒ぎにはならないはずだよね。東の森に行ければいいけど・・」
シーナの呟きに僕は思考を巡らせる。ドラゴンが居なくなったんだから、みんな町から逃げなくても大丈夫、今日のような事になってなくて東の森にも普通にいけるようになってるはずだよね。
「行けなかったら、Eランクの依頼で町観光だね~」
「はは、そうなるかもね」
しっかりと町を探検出来ていないのでシーナは観光したいみたいだ。
「・・・アレク~」
「えっ? どうしたのシーナ?」
シーナが甘い声で僕の名を囁きながら、背中に抱き着いてきた。胸がポヨンポヨンと僕の背中に。
「ど、どうしたの・・」
僕は若干緊張しながら聞き返す。いけない考えを払拭しながらも期待してしまう自分がいる。
「これ見て!」
「えっ?」
背中から手を回して僕の眼前に紙を差し出した。その紙はステータスを記す事が出来る魔道具、冒険者ギルドでもらった物だ。ステータス・・・はっ!
「もしかして?」
「うん・・」
僕は色々と察してシーナに顔を向けるとシーナがゆっくりと頷いた。僕はごくりと生唾を飲み込んで、シーナのステータスを覗く。
「ステータスオープン・・」
「・・・何これ?」
シーナ
レベル 53
【HP】4900
【MP】5500
【STR】480
【VIT】450
【DEX】435
【AGI】428
【INT】540
【MND】530
ギフト
巫女
レベル53・・・、数は数えていないけどワイバーンを十以上、ドラゴン一匹、その前に、ゴブリンを百匹、オークを二十匹。それで、53レベル? 妥当なのかよくわからないけれど、上がりすぎなような気がする。
「やっぱり、ゴブリンとかオークが大量にいたのはドラゴンがスタンピードを招こうとしていたって事なのかな?」
「そう言えばそうだね。僕らは知らずにスタンピードを止めちゃったって事かな・・・」
改めて考えるとウルフに乗って町を見ていたゴブリン達は斥候で、今にも町に攻め込もうとしていたのかもしれない。僕らは運がいいのか悪いのか、その場面に鉢合わせて仕留めてしまった。まあ、町を救えたと単純に考えられればそれでいいんだけど、これが王様とか貴族様に知られたら大変なことになっちゃうな~。マスターとかがうまくやってくれていればいいけれど、貴族様からの追及があったら迷惑がかかりそうだよね。
「アレクのステータスは?」
「はっ! そう言えば僕のはどうなってるんだ!」
僕はシーナの声に我に返って自分の紙を召喚。
アレク
レベル 68
【HP】8640
【MP】5200
【STR】729
【VIT】715
【DEX】709
【AGI】708
【INT】510
【MND】505
ギフト
裁縫(速度5 完成度11 スキル9)
「・・・」
「わ~凄~い。やっぱり、アレクの方が強いね~」
呑気なシーナの声が部屋に木霊する。こんなにレベルが上がっているなんて、目立たない方が可笑しいよ。
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