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第一章
第4話 家族
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「は~、まったく……ごめんねリーシャさん。巻き込んじゃって」
「い、いえ……」
家への帰路、謝るとリーシャさんは顔を赤くしてそっぽを向いた。やっぱり怖かったかな。
「すぐに家だから安心して」
「は、はい……」
声をかけたら俯いちゃった。
はぁ、怖い思いさせちゃったな。
「あの、ヒューイさん?」
「ん? どうしました?」
後悔してため息をついてるとリーシャさんが話しかけてきた。荷物を持ってるから首だけ振り向くと僕と目を合わせないようにしながら口をひらいた。
「なんでヒューイさんはあんな人たちと?」
彼女はチラチラと僕の顔を見て話す。なんで恥ずかしそうに話してるのかな?
【インヴィンシブルランス】との出会いか~……恥ずかしいな。適当にごまかして話そうかな。
「えっと、スカイっていたでしょ? その人がパーティーメンバーを探していて、丁度僕がいたって感じかな。一応、【インヴィンシブルランス】の設立メンバーだったんだ。まあ、あの時は僕とスカイだけだったけどね」
「ええ!? じゃあ、あの人と一緒に?」
驚く彼女に頷いて答える。そうしている間に家に到着して机に荷物を置いていく。ほとんど服とかだから軽かったな。
「最初はFランクの依頼をこなしてて楽しかったんだけどね。どんどん仲間が増えて、凄い依頼をこなしていくうちにスカイは変わっていっちゃったんだ。それで、僕はいらないってさ」
俯いて話す。冒険者はFランクが最初のランク、それからE、D、C、B、A、Sと上がって行く。
本当に最初はいい奴だったんだ。強くなっていくうちにどんどん変わっていった。自分の力が強くなっていくうちに自分は特別なんだ、なんて思ってしまったんだろうな。
そんなところに何もしてないように見えた僕が目障りになってしまったんだろう。そんな僕に今回一発で倒された……これでちゃんと反省してくれればいいけど。
「ひ、酷いです。最初の仲間であるヒューイさんをのけ者にするなんて。許せない」
「ははは、いいんだよ。僕も自分の【スキル】を説明してなかったしね。それにもう終わったことだしね」
あの一発を当てられたから僕はもういいんだ。これからスカイがもっと大きくなったら自慢してやるんだ。あのチームに僕もいたんだぞってね。
「む~。じゃあ私が怒ります」
「え?」
「ヒューイさんの代わりに私が怒ってます。忘れないように」
頬を膨らませてそういってくれる。少し救われた気分になって微笑むと彼女は恥ずかしそうに俯いた。
「ありがとうリーシャさん」
「いえ、お礼を言うのは私の方ですし、あの人に掴まれた時と昨日の……」
お礼を言いながら頭を撫でてあげる、もじもじと手遊びをして言ってくれる。更に撫でると彼女は僕の瞳を見つめ始める。
「あの……ヒューイさんって彼女とかいますか?」
「え? いないけど?」
「そ、そうですか……」
生まれた時から今まで、16歳まで誰とも付き合ったことはない。スカイにはいつも馬鹿にされてたな~。
「あの、私もいなくて……」
再度、もじもじと手遊びして話すリーシャさん。彼女もいないのか、可愛いのにもったいないな。
ん? これって?
「それであの……」
「う、うん……」
ゴクリッ! 僕は生唾を飲み込む。この雰囲気は絶対にあれだよね。
「わ、私と!」
「たっだいま~」
「わあっ!」
リーシャさんが何か話そうとした時、ミーシャさんが勢いよく帰ってきた。後ろにはステインさん達もいて、驚く僕に驚いてる。
「おいおい、どうしたんだよヒューイ?」
「うむ、どうやら、取込み中だったようじゃな」
「あ~、なるほど」
ステインさんが首を傾げるとワジソンさんが答えた。取り込み中って別に僕らは……。
「あら? あらら~。なるほどね~。お姉ちゃんが邪魔しちゃったってことね~。これはリーシャに悪いことしたわ~」
「べ、別に私は……」
「あ~ごめんね~」
「お姉ちゃん……からかってる?」
「ありゃ、バレちゃった?」
「お姉ちゃん!」
ミーシャさんがリーシャさんに抱き着いて慰め始める。それはからかっていただけだったみたいでリーシャさんは怒ってポカポカ殴って抗議してる。追いかけっこを始めて少しするとリーシャさんが息切れして椅子に座って終わりを迎えた。
「ふふ、いいリハビリになったんじゃない?」
「エラさん……」
「はいはい。ミーシャ、あんまりからかわないの」
「は~い。エラさん、分かりました~」
「ふ~、わかってないときの返事ね」
ミーシャさんにからかわれるとリーシャさんが泣きそうな顔でエラさんに抱き着いた。エラさんがミーシャさんを叱ると彼女は返事だけをしてルンルンと二階へ上がっていった。
なんか新しいおもちゃを手に入れた子供みたいだな。
「まあなんだ、リーシャが元気になって良かったな」
「そうじゃな。これでまた6人でダンジョンへと赴けると言うものじゃ」
ステインさんとワジソンさんが席に着きながら話す。
あ~そうか、リーシャさんが呪いで退場になっていたから5人で行動していたのか。
「そうだな……」
「なんじゃ? ステイン、何か不満でもあるのか」
「いや、何でもない。それよりも仕事は決まったかヒューイ?」
なぜか口ごもるステインさん。おかしく思ったワジソンさんが指摘するとステインさんはエラさんを見てから話を逸らした。分かりやすい逸らしだな~。
「まだです」
「やっぱりな。そう思って仕事を見つけてきたぞ。ヒューイにしかできない仕事だ」
僕にしかできない仕事? なんだろう?
「診療所の仕事だ。ピッタリだろ?」
「ええ!? そんな仕事したら目立っちゃいますよ」
「目立つとか目立たないとか言ってたら何もできないぞ。お前が俺達を助けたみたいに、困ってる人を待つ診療所がピッタリだろ。お金も手に入って困ってる人も絶対に助かる。いいだろ?」
た、確かに僕もお金が貰えて、怪我や病気の人が治るのはいいことだけど……。
「なんじゃ? 何か不満があるのか? 儂にはいいことずくめに聞こえるがの?」
「いや、いいと思うんですけど……。僕の【スキル】が特別なので……」
目立つとパーティーメンバーにとかそういう誘いがきそうで怖い。
「当分は冒険者ギルドには行きたくなくて」
「あ~、そういうことか。怪我人は冒険者も多いからな。噂になるかも知れないか」
ステインさんは頭を豪快に掻いてわかってくれた。
「しかしよ~。お前の力はみんなに必要だろ? いつまでもふさぎ込んでたらお前のためにも世のためにもならねえぞ」
「世のためって大げさな……」
「おいおい、知らぬは本人だけってやつか? お前の力はすげえんだぞ。前にも言ったがリッチの呪いを解いたんだからな」
「ええ!? リッチ?」
ステインさんが凄いことを言って来た。リーシャさんの呪いがリッチっていう魔物の力だったって言うんだ。リッチって言ったらAランクの魔物だよ。物理攻撃があまり聞かないゴーストタイプの魔物でスカイだって避けて通る魔物だ。僕の【スキル】はそんなものまで解呪できるのか。
「ありゃ? 言ってなかったか?」
「うむ、儂らは呪いとしか言って居らんかったな。しかし、ステインも間違っておるぞ。あれはダンジョンのイレギュラーボスの【グレイトリッチ】じゃ。Sランクの魔物じゃよ」
【グレイトリッチ】出会ったら必ず逃げろと言われる魔物だ。稀にダンジョンの浅い層で出会うことがあると言われてたっけ。運悪く出会うと死んでしまうって聞いたけど、リーシャさんはまだ運が良かったんだな。
「そうだったか? まあ、どっちでも凄いことに変わりねえ。ヒューイやってくれねえか?」
僕の力がそんなに凄いものだったなんて……スカイたちを治してた時はちっぽけな力だと思っていたけど、更に凄いものってわかっちゃったな~。
「わ、わかりました。何日かやってみます」
ステインさんが探してくれた仕事先、無下にはできないかな。
「おお、そうか! ありがとうヒューイ」
「折角ステインさんが見つけてくれたので」
「ははは、気を使わせちまったか。しかし、なんだ? その、さんって言うのはやめにしねえか? なんか他人行儀でよ。俺と同じように呼び捨てにしてくれよ。もちろん、他のやつのこともな」
ステインさんは大いに喜んでくれた。更に彼は呼び捨てにしてくれと言ってくれる。みんなも頷いてくれた。
「じゃ、じゃあ……ステイン」
「おう。それでいい。これから一つ屋根の下で一緒に暮らすんだからな。家族みたいなものだろ?」
呼び捨てにすると笑顔で家族と言ってくれた。嬉しいな。こんな温かいものを感じたのは初めてだ。
「ちょっと~。呼び捨てなら私も呼んでみてよ!」
「わ、私も!」
「そうね~。私も呼んでほしいかも」
「うむ、儂もな」
二階からミーシャさんが声をあげるとみんながからかうようにそういってくる。仕方なく一人一人呼び捨てで呼ぶとみんな笑顔で手をあげて答えてくれた。
気持ちのいい人たちだな。この人達に最初に出会っていたら、こんな状況になっていなかったんだろうな。
「い、いえ……」
家への帰路、謝るとリーシャさんは顔を赤くしてそっぽを向いた。やっぱり怖かったかな。
「すぐに家だから安心して」
「は、はい……」
声をかけたら俯いちゃった。
はぁ、怖い思いさせちゃったな。
「あの、ヒューイさん?」
「ん? どうしました?」
後悔してため息をついてるとリーシャさんが話しかけてきた。荷物を持ってるから首だけ振り向くと僕と目を合わせないようにしながら口をひらいた。
「なんでヒューイさんはあんな人たちと?」
彼女はチラチラと僕の顔を見て話す。なんで恥ずかしそうに話してるのかな?
【インヴィンシブルランス】との出会いか~……恥ずかしいな。適当にごまかして話そうかな。
「えっと、スカイっていたでしょ? その人がパーティーメンバーを探していて、丁度僕がいたって感じかな。一応、【インヴィンシブルランス】の設立メンバーだったんだ。まあ、あの時は僕とスカイだけだったけどね」
「ええ!? じゃあ、あの人と一緒に?」
驚く彼女に頷いて答える。そうしている間に家に到着して机に荷物を置いていく。ほとんど服とかだから軽かったな。
「最初はFランクの依頼をこなしてて楽しかったんだけどね。どんどん仲間が増えて、凄い依頼をこなしていくうちにスカイは変わっていっちゃったんだ。それで、僕はいらないってさ」
俯いて話す。冒険者はFランクが最初のランク、それからE、D、C、B、A、Sと上がって行く。
本当に最初はいい奴だったんだ。強くなっていくうちにどんどん変わっていった。自分の力が強くなっていくうちに自分は特別なんだ、なんて思ってしまったんだろうな。
そんなところに何もしてないように見えた僕が目障りになってしまったんだろう。そんな僕に今回一発で倒された……これでちゃんと反省してくれればいいけど。
「ひ、酷いです。最初の仲間であるヒューイさんをのけ者にするなんて。許せない」
「ははは、いいんだよ。僕も自分の【スキル】を説明してなかったしね。それにもう終わったことだしね」
あの一発を当てられたから僕はもういいんだ。これからスカイがもっと大きくなったら自慢してやるんだ。あのチームに僕もいたんだぞってね。
「む~。じゃあ私が怒ります」
「え?」
「ヒューイさんの代わりに私が怒ってます。忘れないように」
頬を膨らませてそういってくれる。少し救われた気分になって微笑むと彼女は恥ずかしそうに俯いた。
「ありがとうリーシャさん」
「いえ、お礼を言うのは私の方ですし、あの人に掴まれた時と昨日の……」
お礼を言いながら頭を撫でてあげる、もじもじと手遊びをして言ってくれる。更に撫でると彼女は僕の瞳を見つめ始める。
「あの……ヒューイさんって彼女とかいますか?」
「え? いないけど?」
「そ、そうですか……」
生まれた時から今まで、16歳まで誰とも付き合ったことはない。スカイにはいつも馬鹿にされてたな~。
「あの、私もいなくて……」
再度、もじもじと手遊びして話すリーシャさん。彼女もいないのか、可愛いのにもったいないな。
ん? これって?
「それであの……」
「う、うん……」
ゴクリッ! 僕は生唾を飲み込む。この雰囲気は絶対にあれだよね。
「わ、私と!」
「たっだいま~」
「わあっ!」
リーシャさんが何か話そうとした時、ミーシャさんが勢いよく帰ってきた。後ろにはステインさん達もいて、驚く僕に驚いてる。
「おいおい、どうしたんだよヒューイ?」
「うむ、どうやら、取込み中だったようじゃな」
「あ~、なるほど」
ステインさんが首を傾げるとワジソンさんが答えた。取り込み中って別に僕らは……。
「あら? あらら~。なるほどね~。お姉ちゃんが邪魔しちゃったってことね~。これはリーシャに悪いことしたわ~」
「べ、別に私は……」
「あ~ごめんね~」
「お姉ちゃん……からかってる?」
「ありゃ、バレちゃった?」
「お姉ちゃん!」
ミーシャさんがリーシャさんに抱き着いて慰め始める。それはからかっていただけだったみたいでリーシャさんは怒ってポカポカ殴って抗議してる。追いかけっこを始めて少しするとリーシャさんが息切れして椅子に座って終わりを迎えた。
「ふふ、いいリハビリになったんじゃない?」
「エラさん……」
「はいはい。ミーシャ、あんまりからかわないの」
「は~い。エラさん、分かりました~」
「ふ~、わかってないときの返事ね」
ミーシャさんにからかわれるとリーシャさんが泣きそうな顔でエラさんに抱き着いた。エラさんがミーシャさんを叱ると彼女は返事だけをしてルンルンと二階へ上がっていった。
なんか新しいおもちゃを手に入れた子供みたいだな。
「まあなんだ、リーシャが元気になって良かったな」
「そうじゃな。これでまた6人でダンジョンへと赴けると言うものじゃ」
ステインさんとワジソンさんが席に着きながら話す。
あ~そうか、リーシャさんが呪いで退場になっていたから5人で行動していたのか。
「そうだな……」
「なんじゃ? ステイン、何か不満でもあるのか」
「いや、何でもない。それよりも仕事は決まったかヒューイ?」
なぜか口ごもるステインさん。おかしく思ったワジソンさんが指摘するとステインさんはエラさんを見てから話を逸らした。分かりやすい逸らしだな~。
「まだです」
「やっぱりな。そう思って仕事を見つけてきたぞ。ヒューイにしかできない仕事だ」
僕にしかできない仕事? なんだろう?
「診療所の仕事だ。ピッタリだろ?」
「ええ!? そんな仕事したら目立っちゃいますよ」
「目立つとか目立たないとか言ってたら何もできないぞ。お前が俺達を助けたみたいに、困ってる人を待つ診療所がピッタリだろ。お金も手に入って困ってる人も絶対に助かる。いいだろ?」
た、確かに僕もお金が貰えて、怪我や病気の人が治るのはいいことだけど……。
「なんじゃ? 何か不満があるのか? 儂にはいいことずくめに聞こえるがの?」
「いや、いいと思うんですけど……。僕の【スキル】が特別なので……」
目立つとパーティーメンバーにとかそういう誘いがきそうで怖い。
「当分は冒険者ギルドには行きたくなくて」
「あ~、そういうことか。怪我人は冒険者も多いからな。噂になるかも知れないか」
ステインさんは頭を豪快に掻いてわかってくれた。
「しかしよ~。お前の力はみんなに必要だろ? いつまでもふさぎ込んでたらお前のためにも世のためにもならねえぞ」
「世のためって大げさな……」
「おいおい、知らぬは本人だけってやつか? お前の力はすげえんだぞ。前にも言ったがリッチの呪いを解いたんだからな」
「ええ!? リッチ?」
ステインさんが凄いことを言って来た。リーシャさんの呪いがリッチっていう魔物の力だったって言うんだ。リッチって言ったらAランクの魔物だよ。物理攻撃があまり聞かないゴーストタイプの魔物でスカイだって避けて通る魔物だ。僕の【スキル】はそんなものまで解呪できるのか。
「ありゃ? 言ってなかったか?」
「うむ、儂らは呪いとしか言って居らんかったな。しかし、ステインも間違っておるぞ。あれはダンジョンのイレギュラーボスの【グレイトリッチ】じゃ。Sランクの魔物じゃよ」
【グレイトリッチ】出会ったら必ず逃げろと言われる魔物だ。稀にダンジョンの浅い層で出会うことがあると言われてたっけ。運悪く出会うと死んでしまうって聞いたけど、リーシャさんはまだ運が良かったんだな。
「そうだったか? まあ、どっちでも凄いことに変わりねえ。ヒューイやってくれねえか?」
僕の力がそんなに凄いものだったなんて……スカイたちを治してた時はちっぽけな力だと思っていたけど、更に凄いものってわかっちゃったな~。
「わ、わかりました。何日かやってみます」
ステインさんが探してくれた仕事先、無下にはできないかな。
「おお、そうか! ありがとうヒューイ」
「折角ステインさんが見つけてくれたので」
「ははは、気を使わせちまったか。しかし、なんだ? その、さんって言うのはやめにしねえか? なんか他人行儀でよ。俺と同じように呼び捨てにしてくれよ。もちろん、他のやつのこともな」
ステインさんは大いに喜んでくれた。更に彼は呼び捨てにしてくれと言ってくれる。みんなも頷いてくれた。
「じゃ、じゃあ……ステイン」
「おう。それでいい。これから一つ屋根の下で一緒に暮らすんだからな。家族みたいなものだろ?」
呼び捨てにすると笑顔で家族と言ってくれた。嬉しいな。こんな温かいものを感じたのは初めてだ。
「ちょっと~。呼び捨てなら私も呼んでみてよ!」
「わ、私も!」
「そうね~。私も呼んでほしいかも」
「うむ、儂もな」
二階からミーシャさんが声をあげるとみんながからかうようにそういってくる。仕方なく一人一人呼び捨てで呼ぶとみんな笑顔で手をあげて答えてくれた。
気持ちのいい人たちだな。この人達に最初に出会っていたら、こんな状況になっていなかったんだろうな。
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