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散り行く草山丹花
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眠れない。
僕は生まれ育った田舎から離れ上京し明日からは一人暮らしをするのだ。
そしてその引越しの準備などが明日はあるから早めに寝ようとしているのだが、
さっき子守唄替わりに着けたラジオからは深夜の2時を回ったというお知らせが流れているのだ。
どうしよう。ヤバイ。
もうマジで寝ないと明日が死んでしまう。
そんな事は分かっているのだがなかなか眠れない。仕方ない。眠くなるまでラジオに耳でも傾けよう。
あ、そういえば今日流星群が流れるような事をニュースで言っていたか。僕はそう思い少し窓を見てみたがこの位置からではいまいち夜空は見えない。どうせ寝れないし夜風に当たるか。僕はそう思い布団を剥いでベランダに出てみた。
6月。
心地よい初夏の夜風が僕の頬を撫でる。
ベランダが濡れている。雨が降ったのか。なら洗われた空はなお綺麗だろう。
僕は首を傾け頭を上げる。
そしてその瞬間僕は思わず感嘆の声と美しさ故のため息を同時に吐く。
街が眠っている為でもあるのだろうがその見上げた夜空には大小様々に光輝きそして犇めき合う6月の宝石達が広がっていた。
以前プラネタリウムを見た時にとても綺麗だと感じたのだが、やはり。この夜空は人工的に作られたプラネタリウムに遥かに勝る美しい星空だ。流星群目的で見上げた星空だが最早お腹いっぱいである。
そしてこの星空も上京してしまえばもうなかなかの見納めなのだと痛感したら、なんだが少し寂しくもあるものだ。
そうだ。いつか必ず帰るぞ。この田舎に。立派な人間になってそしてもう1度この星を見に来よう。
そう頭でぼやきながら空を眺めているとその刹那。
一線の輝く筋が宝石達の間を滑り落ちた。
放射状に宝石の屑が落ちてくる。僕をめがけて落ちてくる。泡沫の如く脆い屑が落ちてくる。都会の喧騒も今や眠る中で静かに、街以上の輝きを空が放っているのを誰も知らない。僕だけしか知らない。
やがて空が先刻の明るさを取り戻し流星群は終わり深夜3時になる頃合いには眠くなった。乱雑に剥いだ布団をまた掛け直し眠りにつく。だが思わずその前に一言溢れた声。
ありがとう。
爾後
僕は当然朝がきても眠くそして引越し業者に無理を言って日実をこの翌日に移してもらった。そして僕はたっぷり睡眠をとった。
だが恐らく僕は今夜も星を見ることであろう。だが今夜は、早く寝なきゃな。
僕は生まれ育った田舎から離れ上京し明日からは一人暮らしをするのだ。
そしてその引越しの準備などが明日はあるから早めに寝ようとしているのだが、
さっき子守唄替わりに着けたラジオからは深夜の2時を回ったというお知らせが流れているのだ。
どうしよう。ヤバイ。
もうマジで寝ないと明日が死んでしまう。
そんな事は分かっているのだがなかなか眠れない。仕方ない。眠くなるまでラジオに耳でも傾けよう。
あ、そういえば今日流星群が流れるような事をニュースで言っていたか。僕はそう思い少し窓を見てみたがこの位置からではいまいち夜空は見えない。どうせ寝れないし夜風に当たるか。僕はそう思い布団を剥いでベランダに出てみた。
6月。
心地よい初夏の夜風が僕の頬を撫でる。
ベランダが濡れている。雨が降ったのか。なら洗われた空はなお綺麗だろう。
僕は首を傾け頭を上げる。
そしてその瞬間僕は思わず感嘆の声と美しさ故のため息を同時に吐く。
街が眠っている為でもあるのだろうがその見上げた夜空には大小様々に光輝きそして犇めき合う6月の宝石達が広がっていた。
以前プラネタリウムを見た時にとても綺麗だと感じたのだが、やはり。この夜空は人工的に作られたプラネタリウムに遥かに勝る美しい星空だ。流星群目的で見上げた星空だが最早お腹いっぱいである。
そしてこの星空も上京してしまえばもうなかなかの見納めなのだと痛感したら、なんだが少し寂しくもあるものだ。
そうだ。いつか必ず帰るぞ。この田舎に。立派な人間になってそしてもう1度この星を見に来よう。
そう頭でぼやきながら空を眺めているとその刹那。
一線の輝く筋が宝石達の間を滑り落ちた。
放射状に宝石の屑が落ちてくる。僕をめがけて落ちてくる。泡沫の如く脆い屑が落ちてくる。都会の喧騒も今や眠る中で静かに、街以上の輝きを空が放っているのを誰も知らない。僕だけしか知らない。
やがて空が先刻の明るさを取り戻し流星群は終わり深夜3時になる頃合いには眠くなった。乱雑に剥いだ布団をまた掛け直し眠りにつく。だが思わずその前に一言溢れた声。
ありがとう。
爾後
僕は当然朝がきても眠くそして引越し業者に無理を言って日実をこの翌日に移してもらった。そして僕はたっぷり睡眠をとった。
だが恐らく僕は今夜も星を見ることであろう。だが今夜は、早く寝なきゃな。
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