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本編――公爵令嬢リリア
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それからというもの、アルテミスと殆ど話すこともなく、既に三日が経過していた。
今日を除くと、運命の日まで一週間の半分を切っている。
この数日間リリアがしてきたことといえば、母への接触と、周囲の使用人の動向を探ることくらいだ。
前者は、これと言って収穫がないどころか、一度たりとも話せてすらいない。これまでは義務的ながらも交わしていた会話すらなく、不自然なまでに避けられているのだ。
対する後者はというと、いくつかの成果を手に入れることが出来た。
最も大きな収穫は、過去でリリアを虐めていたメイドが見つかったことだった。
義母妹がやって来てから家を去ったメイドの数はいざ知れず、アルテミスの生前から働いて来たメイドたちは僅か数名しか残っていなかった。
彼女らは、率先してリリアを虐める側に回るか、大人しくやり過ごすかの二択に見事なまでに分かれた。
その中で、金銭的な問題から、虐めに加わっていたメイドがいたのだ。
そのメイドは、"お金のため、お金のため"と呪詛のように呟きながら、リリアに危害を加えていた。
嗤いながらリリアを虐めるメイドたちの中で彼女のような存在は珍しく、だからこそリリアの印象に残っていたのだ。
でも、まさか、この頃からナイーゼ家に勤めているなど、彼女は予想だにしていなかった。
公爵家が広すぎて、親に見てもらうために必死で、把握しきれていなかったのである。
リリアは、即座にそのメイドを呼び出した。
やって来たメイドはあの頃と比べるとふくよかで、まだ精神的余裕があった。
とても貧困に苦しんでいるように見えない。
けれどもメイドの視線は、リリアの身に付けている装飾品や隅に置かれた宝石にあからさまに向いていた。
幼いから気付かれていないとでも思っているのか、何度も何度も。
実はそれらは、事前にリリアが敢えて置いておいたものだ。
そのことを確認するには、自身の目で見ることが一番だった。
結果、そのメイドは見事に引っ掛かった。
余りに舐められていて良い気はしなかったけれども、何かを確信したリリアは、メイドに話を持ち掛けることにした。
至極単純な話だ。つまりは宝石やら装飾品やらを交換条件に、リリアの言う事に従ってもらうという内容である。
恐らく、ラミアが用いた手法の一つであろうが、"嫌だ"と言っている場合ではない。
今のリリアに手段を選んでいられる余裕などないのだ。
考える間もなく、そのメイドは首を縦に振った。
それからいくつか尋ねてみて分かったことは、リンダと名乗ったメイドは、やはり貧困に苦しんでいたのだ。
その割に健康的に見えるのは、公爵家の食事に救われていたようで、家ではこんな暮らしを出来ないらしい。
想像するまでもないが、リンダは間違いなくラミアが来た地点から痩せ細っていったのだろう。
兎に角、リリアは彼女にしか出来ないことをいくつか任せていた。1つ目はメイドたちとの交流。2つ目は、ラミアの暮らすクレマチス家の周辺調査だ。
これに案外時間が掛かってしまって、今日にまで持ち越してしまったのだ。
けれどもリリアは後悔していない。メイドたちの細かい情報や、ラミアの動きを探ることが出来たのだから。
それに、リンダが裏切らない保証があった。彼女がお金の為なら何でもすることは、前世で痛いほど知っている。
定期的な収入がある以上、絶対に裏切らない。
詰まる所、前世がどうであれ、心強い味方を手に入れたも同然だったのだ。
事故を防いだ後、母を死なせない為の地盤が固まろうとしていた。
今日を除くと、運命の日まで一週間の半分を切っている。
この数日間リリアがしてきたことといえば、母への接触と、周囲の使用人の動向を探ることくらいだ。
前者は、これと言って収穫がないどころか、一度たりとも話せてすらいない。これまでは義務的ながらも交わしていた会話すらなく、不自然なまでに避けられているのだ。
対する後者はというと、いくつかの成果を手に入れることが出来た。
最も大きな収穫は、過去でリリアを虐めていたメイドが見つかったことだった。
義母妹がやって来てから家を去ったメイドの数はいざ知れず、アルテミスの生前から働いて来たメイドたちは僅か数名しか残っていなかった。
彼女らは、率先してリリアを虐める側に回るか、大人しくやり過ごすかの二択に見事なまでに分かれた。
その中で、金銭的な問題から、虐めに加わっていたメイドがいたのだ。
そのメイドは、"お金のため、お金のため"と呪詛のように呟きながら、リリアに危害を加えていた。
嗤いながらリリアを虐めるメイドたちの中で彼女のような存在は珍しく、だからこそリリアの印象に残っていたのだ。
でも、まさか、この頃からナイーゼ家に勤めているなど、彼女は予想だにしていなかった。
公爵家が広すぎて、親に見てもらうために必死で、把握しきれていなかったのである。
リリアは、即座にそのメイドを呼び出した。
やって来たメイドはあの頃と比べるとふくよかで、まだ精神的余裕があった。
とても貧困に苦しんでいるように見えない。
けれどもメイドの視線は、リリアの身に付けている装飾品や隅に置かれた宝石にあからさまに向いていた。
幼いから気付かれていないとでも思っているのか、何度も何度も。
実はそれらは、事前にリリアが敢えて置いておいたものだ。
そのことを確認するには、自身の目で見ることが一番だった。
結果、そのメイドは見事に引っ掛かった。
余りに舐められていて良い気はしなかったけれども、何かを確信したリリアは、メイドに話を持ち掛けることにした。
至極単純な話だ。つまりは宝石やら装飾品やらを交換条件に、リリアの言う事に従ってもらうという内容である。
恐らく、ラミアが用いた手法の一つであろうが、"嫌だ"と言っている場合ではない。
今のリリアに手段を選んでいられる余裕などないのだ。
考える間もなく、そのメイドは首を縦に振った。
それからいくつか尋ねてみて分かったことは、リンダと名乗ったメイドは、やはり貧困に苦しんでいたのだ。
その割に健康的に見えるのは、公爵家の食事に救われていたようで、家ではこんな暮らしを出来ないらしい。
想像するまでもないが、リンダは間違いなくラミアが来た地点から痩せ細っていったのだろう。
兎に角、リリアは彼女にしか出来ないことをいくつか任せていた。1つ目はメイドたちとの交流。2つ目は、ラミアの暮らすクレマチス家の周辺調査だ。
これに案外時間が掛かってしまって、今日にまで持ち越してしまったのだ。
けれどもリリアは後悔していない。メイドたちの細かい情報や、ラミアの動きを探ることが出来たのだから。
それに、リンダが裏切らない保証があった。彼女がお金の為なら何でもすることは、前世で痛いほど知っている。
定期的な収入がある以上、絶対に裏切らない。
詰まる所、前世がどうであれ、心強い味方を手に入れたも同然だったのだ。
事故を防いだ後、母を死なせない為の地盤が固まろうとしていた。
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