咲きたい白百合

ひるか

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『貴女もいつか恋をして、可愛くなる努力をして……素敵な旦那さんを射止めるのよ』

そんな母親の言葉。

『いつの日か王子様が来てくれるその日を私は夢に見る……』

そう語るおとぎ話のお姫様。

『貴女はどんな美男子がお好み?』

とでも言いたげに、様々なタイプの美男子キャラを並べたいつぞやの少女漫画。

『学校が退屈…ねぇ。誰か好きなオトコノコ・・・・・とか居ないの?』

気だるげに呟いた養護教諭。


昔からずっとモヤモヤしていた


選択肢はオトコノコ・・・・・だけなのか、と。
核心には至らずとも、異性を好きになる、ということが、いまいちピンと来なかった。


異性に興味を持たず、そのまま。
気がつけば周りの同性はこぞって『美男子・・・アイドルグループ』や『美男子・・・が沢山出てくる2次元コンテンツ』に沸いていた。

私は正反対だった。そちらには目もくれず、真逆の方向に走っていった。


いつしか異性という存在に恐怖心を抱き、同性の友人に依存して生活を送る始末だった。


――これは、そんな時に起こった覚醒の物語
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