14 / 59
14
しおりを挟む
「無理ぃーーーーーーー!」
頭の先から足のつま先まで鳥肌を立て、顔を左右にブルブルと何度も振り、玲は、耳をつん裂く様な絶叫を上げた。
大きな玲の声に驚き、玲に抱かれすやすやと眠っていたメルルも大きく目を見開き、丸い瞳にみるみる涙を為、「ミャーミャー」と泣き出した。
「ご、ごめん。メルル、突然大きな声を上げて……ごめん」
「父上!どうか御慈悲を!」
アレスもメルルをあやす玲をディアブロから引き離し、守る様に抱き込んで、懇願する。
「クククククッ」
ディアブロは、肩を震わせ笑い続ける。
「ディアブロ。あんたもいい加減揶揄うのは、止めなよ」
「は、母上」
気がつけば、アーシェが腰に両手を当て呆れた顔をしてその場に立っていた。
「えっと……どういうこと?」
「クククククッ。やっぱり、サトシ、君は、私を楽しませてくれる」
うっすらと目尻に浮かぶ涙を、指先で拭いながら未だ止まらない笑いを隠す事もなく、ディアブロは言った。
「そもそも、ギフトとは、細やかな贈り物。身の丈に合った願いであれば、対価も細やかな物です」
「でも、細やかな対価って言っても、俺何も持ってない!………肩たたき券でも良い?」
「ぶはっ!何ですか、肩たたき券って」
今まで上品にクスクスと笑っていたディアブロも、玲の申し出に唾を撒き散らす勢いで噴き出した。
「でも、俺金持ってないし、服もこの借りたローブ一枚だし、ケツを差し出す勇気はないし、なら、肩たたきくらいの奉仕するしかないじゃん」
「あはははっ!アーシェ。私は、笑い死ぬ。デーモン族に支払う………対価が……肩…たたき…け…んってアハハハハハハ!ダメだ、サトシに殺される!」
両膝をバタバタさせ、膝を叩き、ヒーヒーと笑い転げるディアブロ。妖艶で、美丈夫で、誰もが羨む程のイケメンが、台無しになるほど表情を歪ませ笑っていた。
「ウワッ!ウワッ!キャキャキャッ!」
メルルもすっかり涙を止めて、両手を広げながら楽しそうに笑っていた。玲自身、真剣に考えた結果での[肩たたき券]だったため、ディアブロが笑えば笑うほど唇が尖り頬を膨らませていく。
心ゆく迄ディアブロに笑っていただき、会話が再開した。
「も…もう、サ、サトシ……た……す」
「もう、サトシからは、対価を貰っています」
ディアブロは、言葉を紡ごうとすると、笑いが込み上げてきそうになり、片言で話すが、言っている意味が聞き取れない。アーシェには、ディアブロの言っている事が理解できるらしく、通訳してもらっている状態だ。
「何が、対価だったんだ?」
「……アー……ハ……グ……た」
「アーシェ、私にハンバーグの作り方を教えてくれた事が、対価だ」
コクリとディアブロは、頷いた。そして、これ以上は、笑いを堪える事が困難だとアーシェに視線を送った。アーシェは、ため息を吐いて、「わかったよ」と呟いた。
「私にハンバーグの作り方を教えてくれただろう。あれが、サトシの対価ってわけだ。しかも、お釣りが有り余る程の対価だ」
「そ、そうなの?」
「あぁ、でも肩たたき券は、欲しいらしいぞ」
「か、考えとく」
恨めしそうにディアブロを見ると、ブフフフフと噴き出された。
「け、そんなに面白かったのかよ」
「まあ、父上も悪気がある訳ではないので、許してやってください」
アレスが、眉尻を下げて申し訳なさそうにするので、玲も「まあ、良いけど」と呟いた。
「あー、あー、あー」
「どうした、メルル?」
玲に向かって何かを言いながら、小さな両手を差し出すメルルに、玲も笑顔を見せながら答え、そっとメルルの顔に右手を添えようとすると、メルルは玲の指をガッチリと掴んだ。
「あーむ」
「!!…………はぅっ」
メルルは、玲の指を咥え勢いよく吸血し始める。その、吸血の快感に襲われて、玲も甘い吐息を吐き出した。
「さてと、あとは頼んだよ、アレス」
「は、母上!」
アーシェは、笑い腰砕けになったディアブロを抱き抱えると礼拝堂を後にする。アーシェの肩越しにディアブロは、顔を出すと、アレスに親指を出して何かの合図を送った。そして、礼拝堂から立ち去って行った。
「ま、マジですか」
頬を紅潮させ、胸に項垂れかかる玲を見て、アレスは、ゴクリと唾を飲む。
「ん……くぅ……うぅん」
バンパイアの吸血は、対象者に絶頂を迎えそうなほどの快感を与える。アレスは、身悶えてその快感に耐える玲に釘付けになる。
玲を見つめ、アレス自身も理性との狭間で葛藤する。親指を立てたディアブロの顔。可愛い玲、自分の胸で喘ぐ玲、玲、玲、玲、玲。
アレスの思考は、玲のことしか考えられない程、切羽詰まっていく。
「サトシ…………」
太く長い指で玲の頬を撫で、顎を掠める。
「…………………」
玲の指をチュウチュウと音を立てて、吸血するメルルのまん丸の黒い瞳が、じっとアレスを見つめている。
無垢な瞳に見据えられ、ハァっとアレスは、太く長いため息を吐いた。
「可愛いは、正義。……本当ですね」
メルルの吸血が、終わるまでアレスは、じっと上を向いて、肩たたき券で爆笑するディアブロを思い出し、自分の欲望と闘った。
頭の先から足のつま先まで鳥肌を立て、顔を左右にブルブルと何度も振り、玲は、耳をつん裂く様な絶叫を上げた。
大きな玲の声に驚き、玲に抱かれすやすやと眠っていたメルルも大きく目を見開き、丸い瞳にみるみる涙を為、「ミャーミャー」と泣き出した。
「ご、ごめん。メルル、突然大きな声を上げて……ごめん」
「父上!どうか御慈悲を!」
アレスもメルルをあやす玲をディアブロから引き離し、守る様に抱き込んで、懇願する。
「クククククッ」
ディアブロは、肩を震わせ笑い続ける。
「ディアブロ。あんたもいい加減揶揄うのは、止めなよ」
「は、母上」
気がつけば、アーシェが腰に両手を当て呆れた顔をしてその場に立っていた。
「えっと……どういうこと?」
「クククククッ。やっぱり、サトシ、君は、私を楽しませてくれる」
うっすらと目尻に浮かぶ涙を、指先で拭いながら未だ止まらない笑いを隠す事もなく、ディアブロは言った。
「そもそも、ギフトとは、細やかな贈り物。身の丈に合った願いであれば、対価も細やかな物です」
「でも、細やかな対価って言っても、俺何も持ってない!………肩たたき券でも良い?」
「ぶはっ!何ですか、肩たたき券って」
今まで上品にクスクスと笑っていたディアブロも、玲の申し出に唾を撒き散らす勢いで噴き出した。
「でも、俺金持ってないし、服もこの借りたローブ一枚だし、ケツを差し出す勇気はないし、なら、肩たたきくらいの奉仕するしかないじゃん」
「あはははっ!アーシェ。私は、笑い死ぬ。デーモン族に支払う………対価が……肩…たたき…け…んってアハハハハハハ!ダメだ、サトシに殺される!」
両膝をバタバタさせ、膝を叩き、ヒーヒーと笑い転げるディアブロ。妖艶で、美丈夫で、誰もが羨む程のイケメンが、台無しになるほど表情を歪ませ笑っていた。
「ウワッ!ウワッ!キャキャキャッ!」
メルルもすっかり涙を止めて、両手を広げながら楽しそうに笑っていた。玲自身、真剣に考えた結果での[肩たたき券]だったため、ディアブロが笑えば笑うほど唇が尖り頬を膨らませていく。
心ゆく迄ディアブロに笑っていただき、会話が再開した。
「も…もう、サ、サトシ……た……す」
「もう、サトシからは、対価を貰っています」
ディアブロは、言葉を紡ごうとすると、笑いが込み上げてきそうになり、片言で話すが、言っている意味が聞き取れない。アーシェには、ディアブロの言っている事が理解できるらしく、通訳してもらっている状態だ。
「何が、対価だったんだ?」
「……アー……ハ……グ……た」
「アーシェ、私にハンバーグの作り方を教えてくれた事が、対価だ」
コクリとディアブロは、頷いた。そして、これ以上は、笑いを堪える事が困難だとアーシェに視線を送った。アーシェは、ため息を吐いて、「わかったよ」と呟いた。
「私にハンバーグの作り方を教えてくれただろう。あれが、サトシの対価ってわけだ。しかも、お釣りが有り余る程の対価だ」
「そ、そうなの?」
「あぁ、でも肩たたき券は、欲しいらしいぞ」
「か、考えとく」
恨めしそうにディアブロを見ると、ブフフフフと噴き出された。
「け、そんなに面白かったのかよ」
「まあ、父上も悪気がある訳ではないので、許してやってください」
アレスが、眉尻を下げて申し訳なさそうにするので、玲も「まあ、良いけど」と呟いた。
「あー、あー、あー」
「どうした、メルル?」
玲に向かって何かを言いながら、小さな両手を差し出すメルルに、玲も笑顔を見せながら答え、そっとメルルの顔に右手を添えようとすると、メルルは玲の指をガッチリと掴んだ。
「あーむ」
「!!…………はぅっ」
メルルは、玲の指を咥え勢いよく吸血し始める。その、吸血の快感に襲われて、玲も甘い吐息を吐き出した。
「さてと、あとは頼んだよ、アレス」
「は、母上!」
アーシェは、笑い腰砕けになったディアブロを抱き抱えると礼拝堂を後にする。アーシェの肩越しにディアブロは、顔を出すと、アレスに親指を出して何かの合図を送った。そして、礼拝堂から立ち去って行った。
「ま、マジですか」
頬を紅潮させ、胸に項垂れかかる玲を見て、アレスは、ゴクリと唾を飲む。
「ん……くぅ……うぅん」
バンパイアの吸血は、対象者に絶頂を迎えそうなほどの快感を与える。アレスは、身悶えてその快感に耐える玲に釘付けになる。
玲を見つめ、アレス自身も理性との狭間で葛藤する。親指を立てたディアブロの顔。可愛い玲、自分の胸で喘ぐ玲、玲、玲、玲、玲。
アレスの思考は、玲のことしか考えられない程、切羽詰まっていく。
「サトシ…………」
太く長い指で玲の頬を撫で、顎を掠める。
「…………………」
玲の指をチュウチュウと音を立てて、吸血するメルルのまん丸の黒い瞳が、じっとアレスを見つめている。
無垢な瞳に見据えられ、ハァっとアレスは、太く長いため息を吐いた。
「可愛いは、正義。……本当ですね」
メルルの吸血が、終わるまでアレスは、じっと上を向いて、肩たたき券で爆笑するディアブロを思い出し、自分の欲望と闘った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
どうせ俺はNPCだから
枕崎 純之助
ファンタジー
【完結しました!】 *この作品はこちらのスピンオフになります↓
『だって僕はNPCだから』https://www.alphapolis.co.jp/novel/540294390/346478298
天使たちのゲーム世界である「天国の丘《ヘヴンズ・ヒル》」と対を成す悪魔たちのゲーム世界「地獄の谷《ヘル・バレー》」。
NPCとして鬱屈した日々を過ごす下級悪魔のバレットは、上級悪魔たちのワナにハメられ、脱出不可能と言われる『悪魔の臓腑』という深い洞窟の奥深くに閉じ込められてしまった。
そこでバレットはその場所にいるはずのない見習い天使の少女・ティナと出会う。
バレットはまだ知らない。
彼女が天使たちの長たる天使長の2代目候補であるということを。
NPCの制約によって強さの上限値を越えられない下級悪魔と、秘められた自分の潜在能力の使い方が分からない見習い天使が出会ったことで、2人の運命が大きく変わる。
悪魔たちの世界を舞台に繰り広げられるNPC冒険活劇の外伝。
ここに開幕。
*イラストACより作者「Kotatsune」様のイラストを使用させていただいております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
烈火物語
うなぎ太郎
ファンタジー
大陸を支配する超大国、シューネスラント王国。
その権力の下で、諸小国は日々抑圧されていた。
一方、王国に挑み、世界を変えんと立ち上がる新興騎馬民族国家、テラロディア諸部族連邦帝国。
激動の時代、二つの強国がついに、直接刃を交えんとしている。
だが、そんな歴史の渦中で――
知られざる秘密の恋が、静かに、そして激しく繰り広げられていた。
戦争と恋愛。
一見無関係に思える、二つの壮大なテーマが今、交錯する!
戦いと愛に生きる人々の、熱き想いが燃え上がる、大長編ファンタジー小説!
※小説家になろうでも投稿しております。
https://ncode.syosetu.com/n7353kw/
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる