結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

恋愛系

文字の大きさ
55 / 170
第三部一章 人生というのは残酷非道

次の村までの道のり

しおりを挟む
 そして、川を飛行呪文でシルバーと共に渡り、私そのまま飛行呪文を使いながら宙に浮かぶ。それで、シルバーが走り出すのを待ち、動き始めたら私が飛行呪文で加速する。
 さっき魔力が増加したので難なく次の村まで行けそうだ、だがその最中魔物や魔獣がいるので、道のりが長そう。

 魔物は魔族とかとは違い、魔力(魔法)の使える野生動物で魔獣はその上位互換とも言えるだろう。
 だから、野生動物に襲われたようにして戦わなければならない。
 それも、弱い魔物(魔獣)の場合だけで強いやつの場合逃げるのが最適だと思う。
 それは、強い魔獣は聖騎士が対応するレベルだから変に魔力を消費するより逃げた方がいい。
 しかも私にはブーストという逃亡に最適な呪文がある。 
 かといって弱い魔物(魔獣)にブーストを使う意味はない。それはブーストを使う方が魔力を消費してしまうからで、ブーストを使わずに、逃げた場合追いつかれてしまうから立ち向かった方がいい。
 まあ私が勝つからいいけど。

 そんなことを考えていたら、早速魔物の群れが出てきた。
 今まで出てこなかったのは、王国が近くにあったり村があったからだ。
 
 今回は魔物のリトルドラゴンの群れが現れた。
 皮膚が硬いから内部から破壊する方がいいだろう。
 
 なんの呪文とかがいいかな?
 自分に訊く。
 すると頭の中に入ってきた。


 鑑定結果

 魔力量:二十、体力:二千、貫通防御力十、他:ゼロ
 適用:ゴーレム呪の詩


 よしじゃあ、ゴーレム呪文の詩を唱えるとしますか。

 呪文という限り、呪いの攻撃と来ただろう。つまり、内部からでもなんでもなく、物理的じゃないということだ。

「ゴーレムの呪文!」

 簡単な言語だけど、私の魔力でないと使えない魔力であって、能力はゴーレムのような呪いが敵の全身を覆い、私のゴーレムとなる。
 まあ、ゆっくり眠りについてもらい、朝起きたら普通のリトルドラゴンに戻るだけだ。

「ミア、他は私が! いや、もう終わってしまいましたね・・・・・」

 魔道具を片手に持ちながらアンが褒めるように微笑む。それで私はなかなか未来に希望が見えてきた。

「私もなかなか強いでしょ!」

 自信満々な私に対して彼女は笑って返してくれた。でも、その眼には悲しみが隠されていて、彼女も悲しんでいることがわかった。

 私のちょうど下には一本の木が生えていて、他は全て草原で勇者のお伽話を思い出した。
 そのお伽話は勇者が草原をゆっくり旅する話である。

 それで今そんなところを宙に浮いており、遠くにはうっすらと山の麓にある村が見えた。
 次の村はあそこだと、私は目印を貼るように見つめた。

「そうですね。あっ魔力の無駄ですので向かいましょう!」

 私たちは再び、村へ向けて進み始めた。
 シルバーは自由気ままに私たちと同じ方向に走っており、今までとは違うから不思議な光景であった。

「ミアって、もしかして上位聖騎士様に恋してたんですか?」

 唐突に言われて私はなぜ今だと心の中で唱え続けると、暖かい風が私の熱い頬をさらに赤くした。
 それは北の反対の南に進んでいるから暖かい風なのだろう。
 ってアンの問いにどう応えればいいの? 正直に話すのもいいけど、なんか引かれそうだからなぁあ。

「別にミアが上位聖騎士様に恋してても私は何も思いませんよ?」

 それなら正直に話すのもいいかな。

「私は確かにプランスのことが好きだよ。でも、旅には迷惑かけないってまあ今旅してる目的が、無差別処刑をするルカを止めることと、プランスを生き返らせる目的だけどね」

 私は正直に話した、アンは嫌そうな顔を全く見せずにただ頷いて聞いてくれた。
 本当に良い仲間だとこの時また改めて思った。理由は、アンは昔に約束したことを果たしてくてくれているし、シルバーは徐々についてきてくれている。
 そして最後にプランスは死んでも私に勇気をくれた。

 旅の目的は全てプランスが作ったといっても過言ではない。

「私も好きだった人が死んでしまったって言いましたよね? その時から私は恋をしていないんですよ」

 その時彼女はスッと息を吸い込む。それで心が落ち着いたのか右目から涙を流していた。
 それで涙を私が拭き取ってあげる。これこそが、仲間の役目であると私は考えている。
 仲間が苦しんでいるのなら共に乗り越えるそれが仲間だろう。

「確かに本気で恋した人が死んだのに、他の人を愛すなんてもう不可能に近いよね」
 本当に、プランス以外の人を愛せる気がしない。愛せないというのは恋ができないということだ。
 恋ができないということは、生きてないのと同じだ、アンは本当に可哀想だ。

「そうですね、だから私はもう死にたいです・・・・・」

「それは絶対にダメ。それは死んだその人が可哀想でしょ?」

「そうですが、私は本気で死のうと考えたことがあります。でも私には何かの使命がある気がしてそれが出来ないのですよ・・・・・」

 彼女は両目から大粒の涙を流して、随喜の涙のように感動の涙も流した。
 なぜこんな涙を流したか私には分からない。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

私が生きていたことは秘密にしてください

月山 歩
恋愛
メイベルは婚約者と妹によって、崖に突き落とされ、公爵家の領地に倒れていた。 見つけてくれた彼は一見優しそうだが、行方不明のまま隠れて生きて行こうとする私に驚くような提案をする。 「少年の世話係になってくれ。けれど人に話したら消す。」

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

処理中です...