ガキ大将異世界行ったら悪役令嬢の最強の下部になっちゃいます!!!

金木叶

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第1章

トランプゲーム

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 「第三回、トランプゲーム!」

 そう、俺は気づいてしまったのだ。

 この世界にはテーブルゲームといった類の遊びが無い!

 だから俺は十歳の頃から少しずつテーブルゲームの道具を作っていた。

 他にも、チェス、将棋、オセロ、花札を作ったがとりあえず今はトランプをしようと思ったのだ。

 だが、まだ最初の二回は二人にルールを理解してもらう事で精一杯だった為、今日が実際やるのは初めてだ。

 「どうするルミナ、ミャルトの手札の中にババ入れとく?」

 「やめておいた方がいいですよ、ゼールは嘘つくのが下手なのですから。すぐばれちゃいますよ。」

 「それもそうだね。それにやっぱりズルは良くないもんなぁ。」

 「はい、そうです。正々堂々と勝負しましょ!」

 「うん!それにしてもミャルト遅いなぁ~。まだかなぁー?」

 「二人ともお待たせしました。掃除が長引いちゃって~。」

 この肩くらいまで伸びた銀髪の子がミャルト。青い目に整った顔立ち、胸はあまり無いけど、その胸を補うかのような可愛い犬耳と尻尾!

 完全に俺のどタイプだ。メルンも外見はかなりいいが性格がダメだ。

 だからといってミャルトが良いのかというとそうでもない。というかわからない。

 ミャルトとはトランプゲームを始めるときに初めて会い、それ以外ではあまり話さないからだ。

 だからミャルトとは時間をかけて仲良くなっていきたい。

 もちろんゼールともまだそれほど話した事がないから、少しずつ仲良くなっていきたい。

 ちなみに、ミャルトが掃除で遅れたと言っていたが、ミャルトはこの屋敷の掃除を主に担当するメイドである。

 ちなみにゼールは厨房の指揮と管理の見習い執事である。

 「それでは皆さん集まった事ですし、始めましょうか。」

 「うん!始めよう!」

 「はーい!」

 そして、俺がトランプをシャッフルし始めた。ちなみにもう分かっているとは思うが、俺たちが今からやるのはトランプゲームの王道、『ババ抜き』だ。

 そして全員に配り終わり、同じペアを取っていった。

 二人も二日かけて覚えたお陰で、ちゃんとできている。

 「じゃあ僕からいくね。」

 カードを取る順番は、ゼール→俺→ミャルトになった。

 「誰がババを持っているのですかー?」

 少し揺さぶりをかけてみる。ちなみに俺では無いから二人のどちらかだ。

 「僕は持って無いよ~」

 「わ、私も持ってませんよ!」

 これはミャルトで確定だな。気をつけて取らなければ。

 「もしかして、実はルミナちゃんが持ってるとか⁈」

 「私は持っていないから聞いたんですよ。」

 「本当かな?」

 結果ババはミャルトから一回も移ることなく終わった。

 「あーーー!負けたーーー!もう一回やりましょ!」

 「そうだね、もう一回やろう!」

 と言ってまたババ抜きが始まった。

 「ところでミャルトさんは最近どうですか?」

 「もうこの家広すぎて1日で終わらせるなんて無理ですよー!本当に大変です。」

 「そんなのまだ良いじゃないか。僕なんか覚える事が多い上に、指揮官長に怒られっぱなしだよ。」

 「二人とも大変そうですね。」

 「ルミナちゃんは?」

 「私は今のところは毎日大変ですけど、楽しく仕事させてもらっていますよ。」

 「良いなぁ羨ましいですよー。掃除と交換しましょうよー!」

 「と言っても最初はとても厳しくて怖かったですよ。」

 怖いとは言ったが、本心で言ってるわけではない。どちらかといえばムカつく方だし。

 「でも、最近大人しくて。さっきもホットミルクを持って行っても、置いておいてと言ってすぐに飲まないんです。」

 「あのお嬢が、それは確かに大人しいね。でもなんで?」

 「それが、なんか紙を見てるんです。」

 俺のこの言葉にミャルトが素早く反応した。

 「それきっと、王選定の話だよ!」

 「王選定?」

 「うん!掃除中小耳に挟んだんだけどご主人様王選定の候補者なんだって!」

 「お、王選定の候補者ー?嘘でしょ。じゃあルミナちゃんが見た紙は・・・」

 「きっと王選定の要項だよ!」

 あいつが王選定の候補者ーーー⁈

 俺は少しの間あいた口が塞がらなかった。

 
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