生きる…

移り変わる日々

少しずつ変わる日々
翔太との出会いをきっかけに、美璃は少しずつクラスメイトと話すようになった。最初はぎこちなかった会話も、徐々に自然なものになっていった。特に、翔太の友人である陽菜は、明るく誰とでも分け隔てなく接する性格で、美璃にも積極的に話しかけてくれた。
「美璃ちゃんって、もっとクールな子だと思ってたけど、話してみると面白いね！」
陽菜の言葉に、美璃は戸惑いながらも嬉しさを感じた。中学時代の出来事以来、誰かに「面白い」と言われたのは初めてだったからだ。
しかし、美璃の心の傷が完全に癒えたわけではなかった。時々、過去のトラウマが蘇り、人を信じることへの不安が押し寄せてくることもあった。そんな時、美璃は一人で抱え込まず、翔太や陽菜に相談するようになった。
「また、人を信じるのが怖くなっちゃった」

美璃がそう打ち明けると、翔太はいつも優しく励ましてくれた。
「ゆっくりでいいんだよ。美璃のペースで、少しずつ人を信じていけばいい」
新たな出会いと挑戦
高校3年生になった美璃は、翔太や陽菜たちと充実した日々を送っていた。そんなある日、美璃は文化祭の実行委員に誘われる。最初は乗り気ではなかった美璃だが、翔太や陽菜に背中を押され、挑戦してみることにした。
実行委員の活動を通して、美璃は様々な人と協力し、一つの目標に向かって努力することの喜びを知った。また、自分の意見が周りに受け入れられることで、自信を取り戻していった。