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ブレーメンの音楽隊
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むかしむかし――
年老いて、もう荷物が運べなくなったロバは、主人の家から追い出されてしまいました。悲しみに暮れながらも、ロバは前向きに考えます。
「ブレーメンへ行って音楽隊に入ろう!」
そうしてロバは旅に出ました。しばらく進むと、猟師に役立たずと言われて逃げ出してきた犬に出会います。
「私は太鼓、君はトランペット! 一緒にブレーメンに行って音楽隊を組もう!」
犬は大喜びでうなずき、2匹はさらに進んでいきます。次に出会ったのは、ネズミも捕れなくなったと家を追い出された猫。その寂しげな姿を見たロバと犬は、猫にも声をかけます。
「私たちと音楽隊を組まないか?」
猫も賛成し、3匹になった一行は道中で気のいい雄鶏とも合流。こうして、目指すはブレーメン、愉快な音楽隊ご一行となりました。
日が暮れた頃、小さな森の中に灯りのついた家を見つけた4匹。窓から中をのぞいてみると――そこでは泥棒たちが豪華な晩さんを広げ、大はしゃぎ。
「あの家を追い払って、今夜はあそこで眠ろう!」
作戦会議の末、ロバの背中に犬、その上に猫、さらにその上に雄鶏という、なんとも奇妙なタワーが完成!
4匹は一斉に鳴き声をあげながら窓から飛び込みます。
「ヒヒーン! ワンワン! ニャオーン! コケコッコーッ!!」
突然の怪物に見えた4匹に驚き、泥棒たちは大混乱。悲鳴をあげながら逃げ出していきました。
…その瞬間。
猫がくるりと振り返り、ニヤリと笑います。
「――さて、ここからが本番にゃ。オレの名は“ねこ丸”。伝説の制裁執行猫にゃ!」
バシュン! バシュン!
背中の毛の中から、まさかのガトリングランチャーを取り出すねこ丸。その目が金色に光るや否や、家の外へ逃げていく泥棒たちに照準を合わせます。
「悪党どもに逃げ場なし! にゃにゃにゃにゃーん!!」
ダダダダダダダダッ!!
夜の森に轟く怒涛の乱射! 巨大な火花とともにランチャー弾が炸裂し、泥棒どもは次々と吹っ飛んでいきます!
ロバ「あ、あれが本気の猫…!?」
犬「武器持ちだったとは…!」
雄鶏「さすが、只者ではないと思ってたコケ…!」
一分後――
泥棒たちは全員、木の上に引っかかったり、川に落っこちたりして気絶し、めでたく一網打尽。
ねこ丸は砲身をスッと煙ごとしまいこみ、何事もなかったかのように毛づくろいを始めました。
「ふぅ。これで安心して眠れるにゃ。」
「さ、晩ごはんタイムにゃり~!」
豪華な肉料理に山盛りの野菜。音楽隊4匹はごちそうを食べ、お腹いっぱいになると大満足。
気づけば「ブレーメンへ行く」夢なんてすっかり忘れてしまい、4匹と1匹(?)はこの家で幸せに暮らし始めました。
⸻
――しかし、ねこ丸の耳は森の奥から聞こえる“不穏な足音”をとらえていた。
「ふっ、また悪党が寄ってくる気配……次はバズーカの出番かにゃ?」
続く――?
年老いて、もう荷物が運べなくなったロバは、主人の家から追い出されてしまいました。悲しみに暮れながらも、ロバは前向きに考えます。
「ブレーメンへ行って音楽隊に入ろう!」
そうしてロバは旅に出ました。しばらく進むと、猟師に役立たずと言われて逃げ出してきた犬に出会います。
「私は太鼓、君はトランペット! 一緒にブレーメンに行って音楽隊を組もう!」
犬は大喜びでうなずき、2匹はさらに進んでいきます。次に出会ったのは、ネズミも捕れなくなったと家を追い出された猫。その寂しげな姿を見たロバと犬は、猫にも声をかけます。
「私たちと音楽隊を組まないか?」
猫も賛成し、3匹になった一行は道中で気のいい雄鶏とも合流。こうして、目指すはブレーメン、愉快な音楽隊ご一行となりました。
日が暮れた頃、小さな森の中に灯りのついた家を見つけた4匹。窓から中をのぞいてみると――そこでは泥棒たちが豪華な晩さんを広げ、大はしゃぎ。
「あの家を追い払って、今夜はあそこで眠ろう!」
作戦会議の末、ロバの背中に犬、その上に猫、さらにその上に雄鶏という、なんとも奇妙なタワーが完成!
4匹は一斉に鳴き声をあげながら窓から飛び込みます。
「ヒヒーン! ワンワン! ニャオーン! コケコッコーッ!!」
突然の怪物に見えた4匹に驚き、泥棒たちは大混乱。悲鳴をあげながら逃げ出していきました。
…その瞬間。
猫がくるりと振り返り、ニヤリと笑います。
「――さて、ここからが本番にゃ。オレの名は“ねこ丸”。伝説の制裁執行猫にゃ!」
バシュン! バシュン!
背中の毛の中から、まさかのガトリングランチャーを取り出すねこ丸。その目が金色に光るや否や、家の外へ逃げていく泥棒たちに照準を合わせます。
「悪党どもに逃げ場なし! にゃにゃにゃにゃーん!!」
ダダダダダダダダッ!!
夜の森に轟く怒涛の乱射! 巨大な火花とともにランチャー弾が炸裂し、泥棒どもは次々と吹っ飛んでいきます!
ロバ「あ、あれが本気の猫…!?」
犬「武器持ちだったとは…!」
雄鶏「さすが、只者ではないと思ってたコケ…!」
一分後――
泥棒たちは全員、木の上に引っかかったり、川に落っこちたりして気絶し、めでたく一網打尽。
ねこ丸は砲身をスッと煙ごとしまいこみ、何事もなかったかのように毛づくろいを始めました。
「ふぅ。これで安心して眠れるにゃ。」
「さ、晩ごはんタイムにゃり~!」
豪華な肉料理に山盛りの野菜。音楽隊4匹はごちそうを食べ、お腹いっぱいになると大満足。
気づけば「ブレーメンへ行く」夢なんてすっかり忘れてしまい、4匹と1匹(?)はこの家で幸せに暮らし始めました。
⸻
――しかし、ねこ丸の耳は森の奥から聞こえる“不穏な足音”をとらえていた。
「ふっ、また悪党が寄ってくる気配……次はバズーカの出番かにゃ?」
続く――?
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