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第零章 九尾のきつねの琥珀さんをご奉仕します!!
ご奉仕その一 力がないのです、下さいな!
しおりを挟むその出会いは偶然だった。
三年生。修学旅行先の一つに京都の嵐山があった。深い森と、川と旅館がある風情のある場所で、その旅館に泊まるのが俺の高校の伝統みたいになっていた。
普通は沖縄なんかへ行くのだろうが、とにかく俺の高校は少し変わっていたのだ。場所も。だから、関西が修学旅行場所になっていた。
俺のグループは比較的普通のグループ四人組で、同じ野球部の友人の男子、後は席が近く、比較的仲の良い女子二人が平穏無事に京都を散策するためのグループとして結成された。男女同士で付き合っている、だとか、女子も野球部のマネージャー、なんてことはない。ただ、まぁいいか、ぐらいでも案外楽しめるものだ。いや、むしろ実際それぐらいの方がいいのかもしれない。変に仲が良いグループは結構、修学旅行で喧嘩し仲に亀裂が走る時がある。この時期にそうなるともう悲惨だ。
その旅館に泊まった日の夜中。同じグループの女子が財布を落としたことに気が付いたのだ。
それで、仕方なくグループ全員でその財布を探すことになった。
教師に報告すべきか迷ったが、場所は旅館の近くを散策中に落とした可能性が高いし、周囲をざっと散策して見つからなければ先生に報告すればいいか、と思っていた。
しかし森は案外暗く、俺は旅館に備え付けられていた懐中電灯を持ち、先頭を歩いていた。
「なぁ、本当にこっちでいいんだよな?」
財布を落とした女子、友枝朱美に話し掛ける。彼女も随分怯えていた。
「う、うん。昼に、涼子とこっちまで来たのが最後だよね?」
もう一人の女子、木嶋涼子は頷いた。流石に、ホラーゲームが趣味の俺と同じ野球部の新山聡は怯えてはいない。彼は眼鏡のキャッチャーだ。
「瀧臣、やっぱ一度戻ろうぜ」
しかし、配球も慎重派な聡らしい言葉だ。
「いや、一回こっちまで探して戻ろう。昼には特に何も無かったんだ。大丈夫だろう」
「私も、先生に報告して大事になるのはちょっと……ごめんね、天城君」
「俺は別に。それより、さっさと見つけちまおう。遅くなって外人観光客に盗られちまった方が厄介だ」
「……それもそうか」
聡も頷き、再び慎重に歩を進める。昼も思ったが、殺風景な森だ。特に何がある訳でもない……はずだった。
「……あれ!?」
気が付けば、目の前に川が流れている。あまり大きくなく、浅瀬の川だが、一目見ただけで水の透明度が分かる。
そこは少し開けた場所になっていた。
「昼は……こんなだったか……、なぁ、聡」
振り向くと、誰もいなかった。
流石に俺は焦る。誰もいない。先程まで、確かにここに、後ろに三人いたのだ。
森に囲まれた場所に突然、一人になるのは流石に怖い。戻ろうにも、後ろも森だ。
しかし、何故かその場所は少し妙に明るく、不思議と悪霊や、霊が出そうな雰囲気はなく、むしろ神秘的な空気に満ちていた。
段々、恐怖心が薄れていく。
良く見渡すと、奥に小さな社のようなものが見える。川の先だが、俺は川を飛び超えてその先に着地する。これでも、甲子園常連高の四番バッターなのだ。運動能力には少し自信がある。
「……っ、と。ここは何処だ? 俺、一人迷ったかな」
可能性として考えられるのはそれぐらいだ。出来ることはその社のような場所を散策するぐらいしかない。俺は懐中電灯を握り直してその小さな社に向かった。
小さな、木で出来た社だ。ぼろぼろで、お供え物も何もない。俺は祈りも込めて、ポケットから賽銭用に常備していた五円玉を取り出す。
旅行前に習わされた、正式な参拝方法で参拝する。
どうか、財布が見つかって元いた場所に戻れますように!
その時だった。
その小さな社が光り輝いた。
「うわっ!?」
ある訳ない。そんな出来事なのに。俺はここにいる時点でもう既に色々な感覚が狂っていた。その小さな場所が一気に明るくなる。季節外れの花が咲き、社は真紅の立派な社に蘇り、景色が一変した。
感覚が麻痺していたとは言え、流石の俺も呆然として懐中電灯を落とす。
「はーい!! 私を呼んだのは何方ですか!?」
更に変なのが出た!!
ぴよーん、と社から、何か出た。
いや、一応、人の姿はしているが、なんというか、漫画に出てくるような、巫女さん……と、言うよりは、十二単のような、神職のような格好をしていて髪はサイドだけおかっぱ、後ろの長い白銀の髪は三つに編まれて揺れている。更に……頭に耳がある。……そう。頭に耳があるのだ。
「属性付け過ぎか!!」
「うわっ!! もしかして、貴方が私を呼んだのですか?」
こてん、と首を傾げる姿はあざとい。
「は……よん?」
近い。距離が。目は黄金。狐らしく、細い瞳はこちらを見定めるように大きさが変わる。
「おめでとうございます! 貴方は数千、いえ、数万人の中から選ばれた幸運の使者です!」
「……はぁ?」
俺は思わず、その頭の耳を引っ張った。
「きゃ!! 神になんたる無礼!!」
本物だった。しかし何だって?
「……かみ?」
「そうですとも……って、貴方……私の耳が見えるのですか? ……可笑しいな。完全に人間に変化しているはずなのに」
「その変な耳も尻尾も見えるけど」
「変とは失礼な!! これは狐ですよ! 私、九尾の狐ですよ!!」
確かに狐の耳と尻尾のようだ。以前、聡が貸してくれたゲームにいたキャラみたいだ。
「……ああ!! 思い出した。狐か。猫じゃねぇとは思ったけど」
「そうです猫なんかと一緒にしないで……って、引っ張らないで……!!」
尻尾も本物だった。引っ張ると、その……何か(仮)はへなへなとしゃがむ。
「それにしても、どうして……この場所はもう清気の欠片もないのに」
「せいき?」
「清気。清らかな気です。……って、貴方」
また、その何か(狐女)はずいっと俺に近付いた。良く見れば、美人な女……かもしれない。
「何なんですか!? その大量の清気はーーーーー!!!!」
「ーっ!! 突然、耳元で叫ぶな!!」
耳元がキーンとした。訳の分からない場所。訳の分からない女(狐)。もうキャパオーバーだ。
「どうやら、この社。その男から発せられる清気で復活したらしいのお」
更には、何故か口調の古い幼女が現れた。僧侶の格好をしたピンクの髪の幼女。黒い羽は烏の羽を思い出す。
「マジですか!? じゃあ、普通の人間ではないので?」
「それは、まだ分からん。こちらも探っておるのじゃが、何もヒットせん。名は天城瀧臣」
「……へ!? なんで??」
何故、名乗ってもいないのに名前を知っているんだ。
「烏天狗の長を舐めるでない。それぐらいの捜索容易いわ!!」
「……からすてんぐ?」
「わぁ! どうしましょう。何も知らないヒトですよ」
「しかし、コヤツ、清気だけはお主を上回っているようじゃの」
「ええ。それは分かります」
「……スミマセン、帰っていいっすか?」
話している内容がさっぱり分からん。俺はとにかく旅館に戻りたい。
「……駄目です! 貴方が消えたら、ここは元通りになってしまいます!」
「……は?」
「……だから、その。……必要ないのなら……その清気、分けて頂けませんか?」
その女は、妙にあざとく、もじもじしながら言った。
「分ける? 何かは分からんけど 、まぁ、取って困るもんじゃねぇならいいけど」
親戚には困っている隣人は助けよ、と口酸っぱく言われ続けたのだ。その清気が何かは知らないが、知らなくて今まで困ったことはない。金銭類ではないことだけは確かだ。
「本当……ですか?」
「ああ」
俺は首肯く。
「……では。いただきます」
「……は? ……」
唐突に、女の唇が重ねられ、当然、俺は再びフリーズした。
大きく目を見開く。
何が起こった。
いや、何が起こっている。
気が付いたら、唇は離れていた。
「んー! 素晴らしい!! 素晴らしいですよ!! どうしましょう!! これ、どうしましょう!!」
いや、それは俺の台詞だ。
「突然、何すんだ!!」
思わず、ゴンッと音がする勢いで女の頭を殴った。
「痛った~!! ひど、酷いです!」
「あ、悪い。つい運動部の癖が……」
流石に、殴るのはやり過ぎだっただろうか。突然、赤の他人(ヒトかどうかさえ怪しい)にファーストキスを奪われたのだとしても。
「それに、貴方、普通は接吻する時は目を瞑るものですよ!!」
接吻。また古めかしい言い回しだ。しかし。
「その接吻を突然するやつがあるか!!」
「だって、頂けませんか、って聞いたじゃないですか。いいって言いましたよね??」
「それで、なんで、……」
「身体的接触、というか、体液からの直接摂取が一番効率がいいからじゃ」
幼女が答えた。
「……ナニソレ」
「ですが、まぁ、貴方のおかげで私の失われた清気が戻って来ました。ゲンコツぐらい、許しましょう」
「……ヨカッタデスネ」
俺は訳も分からず、とりあえず隠し持っていたバットを取り出した。
「……へ!? 何ですか、その物騒な物は!!」
「きっちり、説明しろ! お前は何者だ!!」
「ちょ、待って、待って下さい!! 九重、私は九重琥珀と言う名の九尾の狐です!!」
「九重……琥珀? 九尾? 尻尾……? 一つじゃん」
「それは、清気が失われ、神力が低下しているからです。ですが、今、貴方から頂きましたから……ん!!」
と、女が力むと、ポンッと尻尾がもう一本生えた。
「……生えた」
「いいえ。元々九本あるのです。戻った、が正しい」
俺は段々、頭が痛くなって来た。
キュウビのキツネ。そりゃ聞いたことぐらいならあるが俺はそれが実際にいると信じるような愚か者ではない。
「……そうか! 夢か!」
「現実ですよー? 唇の感触、ちゃんとあったでしょ? ねぇ、ねぇ、体に異常がないなら、もっと分けて頂けませんか。お礼は必ず致しますから!!」
「……異常って……そりゃねぇけど」
「大した清気じゃのう。普通は吸収されれば体に異変があるものじゃ。疲労、目眩、体力の低下。どれも無さそうじゃ」
「すっごーい!! そんなヒト、存在したのですね!!」
あー、もう分からない。俺はその分からない会話と現状に疲れた。
「そうだ!! お礼は必ず致しますから。まずは貴方の最初の願い。叶えましょう」
「……へ?」
琥珀という名の九尾の狐は両手を合わせて祈るように屈む。そして、その手がキラキラと金色の粒に満ち溢れる。
「せっかく頂いた清気を無駄には出来ません。まだ大したことは出来ませんが」
ポンッと音を立てて彼女の手から財布が現れた。
俺はただ、呆然と見つめる。
「それ……」
「貴方の探し物でしょう。最初の祈りが他人のため、だなんてどうやら徳の高い人間ではあるようですね」
その財布は確かに探していた財布だった。財布を手渡される。
どうやら本物らしい。
舞台でも夢でもコスプレでもないらしい。
まず俺はそれを認めなければならない。
「……どうじゃの、琥珀よ。しばらくその者の側におったらどうじゃ?」
「……へ!? ……でも、お社は……」
「それなら儂がきっちり守ってやろう。定期的に清気が送られれば、お主もこちらに神力を飛ばすことぐらい出来るじゃろ?」
「そりゃあ出来ますけど……この人、口調は結構乱暴だし、行動も強気だし……」
「清気の味は?」
「とっても好みです!!」
「決まりじゃな」
「うぉおおい!! 俺の意見は無視か!」
何やら何かが勝手にどんどん決まって行く。
「だから言ったじゃないですか。お願いごとぐらいなら叶えますよ。今度は貴方自身の願いごとを。さあ、さあ。お金持ちになりたい、モテたい? 貴方の夢。何でもどうぞ?」
「ない」
「……へ?」
「他人に頼む俺の願いはない。他人のために願うことはあるかもしれねぇけど」
「……マジで言ってるんですか? 結構、何でも出来るんですよ!」
「ない。自分の願いは自分で叶える」
俺の言葉に九尾の狐女も幼女もぽかんとした表情をしていた。
「……なるほど。どうやら、その主の徳の高さが清気の根源じゃな。さて、それが何処から流れて来るのやら」
「誰か有名な偉人さんの子孫ですか?」
「そんな話は聞いたことねぇけど」
「しかし困りました。願いがない、だなんて。私には貴方の清気がもっと必要なのに……そうしないと」
「……そうしないと?」
「もう……消えちゃいます。限界なのです」
しょぼん、と落ち込むように狐の耳が落ちた。その姿を見て俺は深く息を吐く。
この狐女は一応は俺を助けてくれたのだ。つまり悪い奴ではない。そして、まぁ、内容はフワッとしか分からないが困っている。俺に何か害がある訳でもない。ならば助けられるのならば。
「……願いはねぇけど。困っている隣人は助けよ、ってね」
「……え?」
「だからさ。見返りはいらねぇよ。助けて欲しい、っていうなら……別にいいけど」
「……貴方は不思議です。ええ、とっても不思議」
「……そうかぁ?」
「ええ。顔は悪くないのに口調は乱暴で……それなのに随分と徳の高い」
「とにかく俺は元いた場所に戻れればいいや。でも他人に見つかると面倒なんだけど」
俺でも把握していない、この状況を説明することが。
「それならば無問題!!」
また、ポンッと音がした。今度は煙が狐女を包む。もう何が起こっても驚くまい。
しかし、その煙が消えると、狐女は狐になっていた。動物の。しかも微妙にフォルムがぬいぐるみっぽい。つまり。
「か、か、かわいい!!」
「まさか、こっちの姿の方がお好みだと!?」
俺は動物が大好きだ。飼ったことはないが故に特に猫や犬なんかはとても憧れていた。
感動して思わずその二尾の狐を持ち上げる。サイズも丁度仔猫ほどで、もふもふ。本当にぬいぐるみの様だけど生きている。
「……やばい。もふもふ。あったけぇ」
「……まさか、こっちの姿の方が所望されるなんて」
「ハッハッハ、面白い、面白いのう! 人間!!」
「これなら持ち帰ってもいい」
「なんか色々悔しいんですけどー!! 納得行きません!!」
俺の腕の中の狐は叫ぶ。
そして次の瞬間には元の参道に戻っていた。
「……え」
今までのは……夢……。
「なんて、ことはないですからね!」
「うぁああああ!!」
俺の頭に乗った狐が喋った。
「もー、そろそろ慣れて下さいよう」
「喋るのか……」
「はい!! ご丁寧に私が日本語を理解して話せるのです。すごいでしょ!!」
「はー、そりゃどうも。けど人前ではぬいぐるみ!!」
「えぇー!!」
「普通の狐は喋らないし。そもそも俺は修学旅行中だ。お土産のぬいぐるみ、という設定でしかお前を運ぶ手段がない!!」
俺は首根っこを掴んで叫ぶ。
しかし普通の狐は喋らない。そもそも修学旅行中だ。明日に帰宅するだけだが、これ以上の面倒は困る。
「……えぇー!! 私がお家まで送りましょうか?」
「力ないのに無駄なことに力を使うな」
「きゅー」
「突然、狐らしくしても駄目だぞ」
その時ガサガサと音がした。
「おい! 大丈夫か! 瀧臣!!」
「……聡!」
葉っぱだらけの聡が現れる。
「大丈夫だ。お前こそ大丈夫か?」
「驚いたぞ。お前、突然いなくなって……」
「悪い、悪い。でも見付けたからさ」
「……見つけた?」
俺は聡に無くした財布を手渡す。
「あったのか!」
「ああ。所で、ここは……」
「ここ? 何、言ってるんだ。さっきまでいた山道だよ。財布を見付けたからってお前、突然茂みに入るなよ……心配しただろ」
どうやら聡たちの間ではそういう風に見えていたらしい。様子をみるに時間はそこまで経過していない。これは神の力のおかげなのか。
「悪い。けど一応護身用にバットも持ってたし」
「え、そんなの持ってたの?」
「念のため。さぁ帰ろう。流石に遅いと怒られる」
「そうだな。……ところで」
「……え?」
「その……ぬいぐるみは何?」
聡の顔は若干引いている。
「途中で見付けた!! ぼろぼろだし誰かの忘れ物かなって」
「……お前が実はそういうの好きなの知ってたけど!!」
そう。彼は俺の嗜好を知っているから深く説明しなくても大丈夫。
その日は財布を落とした女子に涙させるほど感謝され、また、こっそりと旅館に戻ることにも成功する。
自分の部屋に戻って俺はようやく落ち着いた。同室の聡は就寝前に風呂に行っている。出来れば俺も入りたかったが。今この狐を放っておいたら何をされるか分かったもんじゃない。
どっかりと畳の上に座る。
「はー、今日は流石に疲れたー」
「……私のせいですか? 私が清気を摂ったから……」
「だから突然喋るなって。違うよ。……まぁお前らが原因ではあるが。色々起こりすぎて脳内が疲れた」
「ぷぷー。貴方脳筋ですか?」
「そうだよ文句あるか!!」
誰もいないし、いいか、と俺はそのモフモフ狐を膝の腕でモフモフした。色は思っていたより白っぽい。そう言えば狐女だった時も髪は金色と言うか銀色に近い不思議な色をしていた。瞳は琥珀色。だから琥珀と言う名前なのだろうか?
「眠そうですね?」
「ん……まぁ、本当に色々ありすぎて」
琥珀の温かさに身を任せていたら、すっかり眠くなってしまった。
もう、いいや。後はまた明日考えよう。
俺はそのまま思考を放棄する。
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