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18話
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爆音と炎に包まれた戦場では勇者たちが耳をふさぎ、目を閉じて恐怖に耐えている
目を開くと城壁のような巨大な炎の壁と焦げた魔物の死体が降り注ぐ光景に一層恐怖した
その光景を見ていたラミアはつぶやく
「あいつ絶対勇者じゃないわ…」
ミストがつぶやく
「ハハ…彼女が敵でなくてよかった…」
カーラがつぶやく
「まさに地獄ね…」
アンテがつぶやく
「あんなの耐えられる魔物おりませんわぁ」
魔王の目から魔物たちが溢れ出るのが止まると稲妻が一層大きく強くなり亀裂が目に見える速度で大きくなっていく
ルーシーは亀裂を見て思う
(大型の魔物が来るな)
ルーシーはアンテの近くへ着地し、アンテに告げる
「アンテ、大型のやつが来る。ここはお前らに任せるぞ」
そういうとルーシーはまた空へ飛んでいった
亀裂は一層大きくなっていくと中心から人ほどの大きさ、赤い服、黒いマントを纏った蒼白な顔色をした男が現れる。男が地上に降りると魔王の目は閉じてしまった
蒼白な顔色の男は周りを一通り眺めると騎士クラスの勇者たちに目をつける
蒼白な男は五指を伸ばし、胸の前に構えると勢いよく水平に薙いでいく
すると騎士クラスの勇者たちは一斉に吹き飛び、転送されてしまった
(上位の悪魔だな。ヴァンパイアか)
ルーシーはヴァンパイアの目の前に降り、じっくりと眺めるように見る
ヴァンパイアはルーシーを見て話し出す
「なんだ貴様は?我が前に立つなど無礼であろう。控えよ、頭が高い」
(多少力があるとはいえ悪魔ごときが俺を知らんとは…所詮は末端か)
「…」
「言葉を持たんのか?空を舞うくらいは魔道に心得があるようだが…」
「小物だな、俺の糧となるならば苦痛を感じないよう配慮してやる」
「なっ…小娘が…我が眷属を愚弄するか!四肢を斬り我が寝床を飾る置物としてくれる」
「…」
ルーシーはヴァンパイアに背を向け、歩き出した
ヴァンパイアは首を傾げ、口を開くも言葉が出ない、景色が横にずれていく
ハッとし、両手で頭を抱えた、首がズレている。次第に肩もズレていくのがわかる
「ハァッ…ハァッ…」
ヴァンパイアは相手の力量を見誤ったことに気づき、後悔するような表情を浮かべ
恐怖に満ちた目をしながら、バラバラに崩れ落ちていった
ヴァンパイアとの戦闘が終わる頃、カーラたちも戦闘が終わったようだ
ミストを戦闘に英雄クラスの者たちが駆け寄ってくる
ミストが話す
「ルーシー!無事…なようだな。あいつは…ヴァンパイアか!?」
ラミアが驚く
「ヴァンパイア!?なぜ貴女があんなものを倒せるのかしら…」
カーラとアンテはもう慣れたようで驚いてもいなかった
ルーシーは話し出す
「素材はお前たちで好きに分配するといい。俺はいらない」
…
しばらくすると勇育の支援部隊が現れ、馬車が転送されてきた
騒ぎ声が聞こえるので目をやるとラミアとカーラが言い争っている
「ちょっとラミア!ルーちんが倒した魔物でしょ!欲張りすぎ!」
「あたしたちだって戦ったじゃない!それにあたしたちで分配しろって言ってたでしょ!」
「どんだけ持っていくのよ!4等分の域をはるかに超えてるじゃない!」
「あんた達処女なんだからもっと慎ましくしてもよくってよ!」
「男もいないくせにどうやって卒業したんだよアバズレ処女!」
「ムキィィィィィ!!!」
「ギリギリギリギリ!!!」
先のオーク事件のせいかカーラが取り分に対して非常に敏感になっている
ミストが空を見ながら現実を見ないようにその場を離れていく
ルーシーはミストの肩を掴み、話しかける
「待て、お前ラミアのパーティだろ。何とかしてこいよ」
ミストは冷や汗を流しながら振り返る
「い、いいじゃないか仲がよさそうだし僕が仲裁に入る必要はないだろう…そう思うなら君が行けばいいじゃないか!」
「やだよ!俺があんな低俗な言い争いに加われるか!お前いつもラミアとどう折り合いつけてんだよ」
ミストはふと目をそらして黙り込んだ
(こいつ完全に尻に敷かれてるな…)
「お前ラミアの騎士なんだろ?キザったらしい事言ってなんとかしてこいよ」
ミストは涙目でルーシーを見ると叫び始めた
「キザとはなんだ!騎士らしいと言え!お前だって口に出すのも恥ずかしい中二病患者だろうに!」
「中二病ならまだしも患者とはどういうことだぁぁぁ!お前の方こそ歯が浮くような恥ずかしいセリフ並べて貴婦人方を口説いてんだろぉぉぉ」
「うるさぁぁぁい!紳士が淑女を褒め称えるのは礼儀なんだよ!カッコイイと思える単語並べて悦に入ってるお前とは品位が違うんだよ!!」
「オアァァァァァァン!!?」
「ウワァァァァァン!」
アンテは呆れながらにくきゅう達に魔物素材を正しく4等分する指示をし、作業を見守りながらつぶやいた
「み~んな仲がよくなりましたわぁ」
分配が終わる頃にはいつも通りミスト、ラミア派とカーラ、アンテ、ルーシー派に分かれていがみ合いながらその場を離れた
後日、それぞれが神殿で新しいスキルを授かり更に加護が強くなったようだ
また、小型の魔物たちは英雄クラス以外の勇者たちにも分配され、それぞれが女神に捧げているようだった
目を開くと城壁のような巨大な炎の壁と焦げた魔物の死体が降り注ぐ光景に一層恐怖した
その光景を見ていたラミアはつぶやく
「あいつ絶対勇者じゃないわ…」
ミストがつぶやく
「ハハ…彼女が敵でなくてよかった…」
カーラがつぶやく
「まさに地獄ね…」
アンテがつぶやく
「あんなの耐えられる魔物おりませんわぁ」
魔王の目から魔物たちが溢れ出るのが止まると稲妻が一層大きく強くなり亀裂が目に見える速度で大きくなっていく
ルーシーは亀裂を見て思う
(大型の魔物が来るな)
ルーシーはアンテの近くへ着地し、アンテに告げる
「アンテ、大型のやつが来る。ここはお前らに任せるぞ」
そういうとルーシーはまた空へ飛んでいった
亀裂は一層大きくなっていくと中心から人ほどの大きさ、赤い服、黒いマントを纏った蒼白な顔色をした男が現れる。男が地上に降りると魔王の目は閉じてしまった
蒼白な顔色の男は周りを一通り眺めると騎士クラスの勇者たちに目をつける
蒼白な男は五指を伸ばし、胸の前に構えると勢いよく水平に薙いでいく
すると騎士クラスの勇者たちは一斉に吹き飛び、転送されてしまった
(上位の悪魔だな。ヴァンパイアか)
ルーシーはヴァンパイアの目の前に降り、じっくりと眺めるように見る
ヴァンパイアはルーシーを見て話し出す
「なんだ貴様は?我が前に立つなど無礼であろう。控えよ、頭が高い」
(多少力があるとはいえ悪魔ごときが俺を知らんとは…所詮は末端か)
「…」
「言葉を持たんのか?空を舞うくらいは魔道に心得があるようだが…」
「小物だな、俺の糧となるならば苦痛を感じないよう配慮してやる」
「なっ…小娘が…我が眷属を愚弄するか!四肢を斬り我が寝床を飾る置物としてくれる」
「…」
ルーシーはヴァンパイアに背を向け、歩き出した
ヴァンパイアは首を傾げ、口を開くも言葉が出ない、景色が横にずれていく
ハッとし、両手で頭を抱えた、首がズレている。次第に肩もズレていくのがわかる
「ハァッ…ハァッ…」
ヴァンパイアは相手の力量を見誤ったことに気づき、後悔するような表情を浮かべ
恐怖に満ちた目をしながら、バラバラに崩れ落ちていった
ヴァンパイアとの戦闘が終わる頃、カーラたちも戦闘が終わったようだ
ミストを戦闘に英雄クラスの者たちが駆け寄ってくる
ミストが話す
「ルーシー!無事…なようだな。あいつは…ヴァンパイアか!?」
ラミアが驚く
「ヴァンパイア!?なぜ貴女があんなものを倒せるのかしら…」
カーラとアンテはもう慣れたようで驚いてもいなかった
ルーシーは話し出す
「素材はお前たちで好きに分配するといい。俺はいらない」
…
しばらくすると勇育の支援部隊が現れ、馬車が転送されてきた
騒ぎ声が聞こえるので目をやるとラミアとカーラが言い争っている
「ちょっとラミア!ルーちんが倒した魔物でしょ!欲張りすぎ!」
「あたしたちだって戦ったじゃない!それにあたしたちで分配しろって言ってたでしょ!」
「どんだけ持っていくのよ!4等分の域をはるかに超えてるじゃない!」
「あんた達処女なんだからもっと慎ましくしてもよくってよ!」
「男もいないくせにどうやって卒業したんだよアバズレ処女!」
「ムキィィィィィ!!!」
「ギリギリギリギリ!!!」
先のオーク事件のせいかカーラが取り分に対して非常に敏感になっている
ミストが空を見ながら現実を見ないようにその場を離れていく
ルーシーはミストの肩を掴み、話しかける
「待て、お前ラミアのパーティだろ。何とかしてこいよ」
ミストは冷や汗を流しながら振り返る
「い、いいじゃないか仲がよさそうだし僕が仲裁に入る必要はないだろう…そう思うなら君が行けばいいじゃないか!」
「やだよ!俺があんな低俗な言い争いに加われるか!お前いつもラミアとどう折り合いつけてんだよ」
ミストはふと目をそらして黙り込んだ
(こいつ完全に尻に敷かれてるな…)
「お前ラミアの騎士なんだろ?キザったらしい事言ってなんとかしてこいよ」
ミストは涙目でルーシーを見ると叫び始めた
「キザとはなんだ!騎士らしいと言え!お前だって口に出すのも恥ずかしい中二病患者だろうに!」
「中二病ならまだしも患者とはどういうことだぁぁぁ!お前の方こそ歯が浮くような恥ずかしいセリフ並べて貴婦人方を口説いてんだろぉぉぉ」
「うるさぁぁぁい!紳士が淑女を褒め称えるのは礼儀なんだよ!カッコイイと思える単語並べて悦に入ってるお前とは品位が違うんだよ!!」
「オアァァァァァァン!!?」
「ウワァァァァァン!」
アンテは呆れながらにくきゅう達に魔物素材を正しく4等分する指示をし、作業を見守りながらつぶやいた
「み~んな仲がよくなりましたわぁ」
分配が終わる頃にはいつも通りミスト、ラミア派とカーラ、アンテ、ルーシー派に分かれていがみ合いながらその場を離れた
後日、それぞれが神殿で新しいスキルを授かり更に加護が強くなったようだ
また、小型の魔物たちは英雄クラス以外の勇者たちにも分配され、それぞれが女神に捧げているようだった
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