薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…

5.火事場に飛び込みます。

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「(ストッ)っぷはぁ……ギリ何とかなったな。」

 息を止めての断崖絶壁登りヘルクライム……案外イケるもんだな。

「テルマ、大丈夫…か…」
「………(カヒュー…カヒュー…)」

 全然、大丈夫じゃなかった。

~蘇生中~

「……本当に済まない。」
「別に良いって。そもそも俺の従魔が原因だし、気にすんなよ。」
「いいや、1600mという高低差……それを踏破する速度も鑑みて冷静に対処すべき所をまどろっこしいからと安直に実行してしまった。魔が差したでは到底済まされない事だ。」
「だとしても、お前と関わる上で当の昔に覚悟してた事だ。寧ろ考えが甘かったと謝罪するのは俺の方だ。気にされる謂れはない。」
「……さっきから平行線だな。」
「奇遇だな。俺もそう思ってる。」

 一向に謝罪を受け取って貰えない…………いや、そもそも謝罪を受け取って貰おうって考えが烏滸おこがましいか。

 反省は、謝罪より行動で示すべきだな。

「………ひとまず、屋敷に戻ろうと思う。良いか?」
「あぁ、それなんだけどよ。試したい事があるんだが良いか?」
「試したい事?」
「うまく行けば、連中に見つからずに帰れると思う。」
「そりゃ凄いな。さっそ(スン)……ん゛?」

 風に乗って鼻腔に届いた香りにたじろいだ。

 何故かって?

 その匂いは焼けた木、焼けた布、焼けた紙、etc……

 トドのつまり、それがと同じだったからだ。

「っ………!」

 しかも、風上の空が白んでいる。時刻はすっかり昼前だというのに何故だろう?

「おいアレク、どうした?」
「……すまないが、野暮用が出来た。例の方法を使って先に帰っててくれないか?」
「へ?」
「説明してる暇はない。済まない!!(ダッ)」
「へ…えっ!?ちょっ……」

 テルマの答えを聞くより先に、火事場へと向かった。

 私の勘が告げている。が危ないと。

 頼むから外れてくれ、私の勘。

ーーー

「(ストッ)………」

 外れなかったか。

 今眼前で、国立大図書館が燃え盛っていた。

「おい、まだ来ないのか!?」
「…はい、もう数十分は……」
「まぁた貴族共の傀儡か!!わかってんのかっ?!王都の資産が焼失しようっていう瀬戸際って事が!!」
「言わずもがな…連中に期待すべきじゃないです。」
「そうだったな。すまん。」

 消火は滞っている様だ。

 正直、読んで無い本の焼失も気掛かりだが、それ以上に……

「エドワード!エドワードは何処だ!?」

 の偽名だが、本名で呼び掛ける訳にも行かないし、この呼び掛けで反応してくれる事に賭けるしかない。

「エドワード?」
「そういえば見かけないな。」
「あっ…確か倉庫の文書整理を…」
「(ダッ)……っ!」
「あっ…おいお前!!」


 最悪だ。予感が的中してしまった。

 ……いや、で助け出す事が出来ればエリックにとっては行幸になるのか。



 私は火の中へと飛び込んだ。

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