薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-3節. ヘルデス家の争族を切り抜けた私は…

23.蚊帳の外から眺めます。

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「にしても、まさか早とちりだったとはなぁ。焦ったぜ。」

 《それはこちらの台詞セリフです。への対処だけでも手一杯な中、上界の人々との不要ないさかいなどゴメン被ります。》

「なるほど。むしろそっちの方が災難だったな。」

《全くです。誤解を解くにしろ、討伐を依頼するにしろ、まずは対話が出来て秘密を守れる冒険者を探さねばなりませんから。わたくしと致しましては来てくださったのがあなた方で幸いでしたよ。》

「言えてらぁ。他の連中だったら余計拗れてたろうしな。」

 確かに、念話ねんわを使うリスなんて騒ぎの元だろうし、ヴラド だって最初は目に見えて動揺してたもんな。

 今はそのリスを肩に乗せて案内がてらに会話してるけど。

《しかし、まさかイト強キ御仁をお連れ頂けるとは思いませんでした。》

「アレクの事か?」

《えぇ、本当は街中へ行って直接探すつもりだったのです。》

「直接?そりゃあ随分と骨が折れそうだな。」

《えぇ、あのお方からの勅命ゆえ、知る人は出来得る限り減らしたかったのです。》

「そのお方についてなんだが……やっぱ言及はしない方が良いよな?」

《はい。御容赦願いたく思います。》

「だったら、ギルドへの報告はそれとなく弄った方が良いな。報告内容について、後で相談しても良いか?」

《御高配賜り助かります。是非ともお願いします。》

「そういや自己紹介がまだだったな。俺はヴラド 。お前は?」

 《わたくしにはそういったものはありません。お好きにお呼びください。》

「じゃあリスだから“クリス"だ。」

 《かしこまりました。今後はそう名乗ると致しましょう。》

 妙に意気投合してるな。てか、当事者の筈の私が完全に蚊帳の外だ。

 《ところで、つかぬ事をお伺いしたいのですが?》

「おう、何でも言ってみろ。」

 《彼方あちらのイトツヨ御仁ゴジンは一体何者なのでしょうか?》

「あいつはアレク、オレのダチだ。」

 《いえ…お名前がお聞きしたかったわけではなく……》

「あいつが何者かなんてオレも知らねぇよ。けど、オレとしちゃあそんなもんどうだって良い。そのうち聞けりゃあいいだけのことだからよ。」

 《達観してらっしゃいますね。》

「そんなんじゃねぇよ。誰だって知られたくない秘密の一つや二つくらいあるだろ?オレだってそうだ。だから、自分がされたくない事はやらねぇ。それだけだ。」

《なるほど。あのお方について言及しないのもご自身の主義ポリシーゆえなのですね。》

 そのスタンスは非常にありがたいのだが、本人の前で本人に代わってそういう話をするってのはいかがなものだろうか?

 てか、私にも話を振れよ。

《なるほど。確かに仰る通りですね。では、今後はわたくしも言及しない事に致します。》

 まぁ、結果的に助かってるんだよな?

《………さて、四方山よもやま話もこの程度にしましょう。そろそろ縄張りテリトリーです。》

「「………(フッ)」」

 それを聞いて、私もヴラド も気配を鎮めた。

 ヴラド もこういう事に慣れているようだ。

 テルマといいオルブといい、やはり王都の子供は侮れないな。


《流石ですね。お二人とも見事に気配が失せました。》

「まぁ、樹海への通行証みたいなもんだからな。」

《では、ご案内を……》

「ちょっと待った。」
「っ……どうした?」

 ここまで来てやっとわかったが……約1キロ先から感じるこの気配……にとても似ている。

「もしかしたら、これと同じ様な奴に出会ったことがあるかもしれない。」

《本当ですか?》

「いや、間違いかもしれない。実際に姿を見ない事には確証を得られない。だから、私を先頭にしてくれないか?」

《えっ?》

「別に良いだろ?私が討伐依頼を受けたのだから、それくらいは好きにさせて欲しい。」

《………わかりました。お願いします。》

 よし、これでもしも当たっていたとしても、ヴラド 達への被害は抑えられる。

「よし、行くぞ。」

 そうして、さらなる奥へと向かって行った。

 

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