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2章-1節.授業を荒らして停学処分を受けた私は……
9.冒険者ギルドへの勧誘を受けました。
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「(ぬちゅっ…)………なるほど。」
解体をする事で、分かった事がある。
ナイフが眼球どころか頭蓋骨まで貫通している。最初の一投目で眼球を貫いて頭蓋骨で止まり、その後の追撃で頭蓋骨を貫いて硬膜に到達したのだろう。もっと刃渡りの長い……又は、柄が無いナイフだったとしたら、確実に脳まで到達していた。
というか、ここまで深く刺さっていたのなら横に少しかわすだけで自滅していた。コイツを抱えて横に飛び退けば良かったものを……我ながら、判断力が鈍っていたとしか思えないな。
「どうした?」
「いや……凄い投擲精度だな。急所までもう少しだったぞ。」
「そりゃどうも。」
実際、あの状況でこれだけの精度を発揮出来る奴がどれだけいる事か。
「俺にとっちゃ(ザクッ)お前の方が凄いと思うが?(ザクッザクッザクッ)クラバスバードがぶん回される所なんて初めて見た。」
「そりゃどうも。」
この鳥、クラバスバードって言うのか。故郷には居なかったな。
「私も、こんな鳥は初めて見たよ。そういえば、何で追われてたんだ?」
「採取のクエストしてたら、うっかりこいつのナワバリに入っちまってさ。何とか振り切ろうとここまで走って来たんだ。」
「そりゃ災難だったな。」
「流石に振り切るのは無理だと悟って木に登って回避しようとしたら、お前と目が合った。ごめんな。巻き込んじまって。」
なるほど。それで、自分の方に注意を引きつけようと怪鳥を挑発してここまで走って来たわけか。無茶するなぁ。
「いや、寧ろ助かったよ。どれだけ探しても獣が全然見つからなかったからさ。」
「て事は、お前は討伐のクエストか?」
「討伐?クエスト?」
「そういやお前、見ない顔だな。新入りか?」
「新入り?…いや、まぁ…まだ王都に来て1ヶ月だけど。」
「へぇ、こんな新人がいるなんて知らなかったな。ところで、ランクはいくつだ?」
「…ランク?」
「ギルドランクだよ。俺の見立てじゃEランク……いや、すっ飛ばしてDランクってとこか?ギルドで説明受けただろ?」
「………」
微妙に話が噛み合ってない気がする。採取、討伐、クエスト、新人、ギルドランク……………
「………もしかして、冒険者ギルドの話か?」
「当たり前だろ。何寝ぼけたこと………ん?」
「あぁ、うん。誤解させてごめん。一つ訂正させてもらうと、私は冒険者じゃない。」
「……えっ?」
ここで嘘を付いても直ぐにバレる。正直に話す方が良いだろう。
「私は、1ヶ月前に上都したばかりの学生だよ。この前アルバイトをクビにされて金欠だから、樹海で食料を探してた。」
「金欠…食料探し……?この樹海で………??」
「………」
あぁ、うん。やっぱり違法だよな。
故郷の森では、そういう制限や規則が無かったけど、こっちでも同じなわけないよな。
「出来れば、この事についても黙ってて貰えないかな?」
「あ…あぁ、わかった。じゃなくって!」
ダメか。まぁ、覚悟は出来てる。隠すつもりもない。規則を破った以上、罰則はちゃんと受けるよ。
けど、出来れば少しだけ食料を見逃して貰いたいな。
「お前…どうやってここまで降りて来た?」
「言い訳するつもりはない。罰則なら受けるよ。」
「罰則?何の罰則だ?」
「……へ?」
「そんな事より、教えてくれ!どうやってここまで降りて来た?」
「………」
そっちかよ。まぁ、この様子なら食料は持ち帰れそうだ。そこについては良かった。
けど、これはこれで厄介だ。自分でも、あの降り方は正気の沙汰とは思えない。
かと言って、今更嘘を吐くのもなぁ……
「この上に、南西区のゴーストタウンがあるだろ?」
「あぁ、今朝大規模な崩落があったあそこか。」
「そこから岩壁を伝って降りて来た。」
「………は?」
「だから、岩壁を伝って降りて来たんだよ。」
「………マジか。……確か、かなりの高さがあったと思うんだが?」
「いや、それは……………その………気合いで。」
「気合………」
「………」
「………」
静けさが痛い。嘘だと思われたのだろうか?
それとも、ドン引きされたのだろうか?
「……くっ…あっはっはっはっはっ!!」
今度は笑われた。流石に、言い訳が苦しかったか?
「そうか!気合いかっ!!そいつは良いな!!」
「あっ…ははは……」
乾いた笑いしか出ない。てか、我ながら今日は発言が軽率だ。
「そうか……じゃあよ、入ってみないか?」
「………へ?」
「お前、地方から上京して来たんだろ?それも相当な辺境の筈だ。」
「……まぁ、そうだな。」
「そんだけ遠いと仕送りも難しいだろうし、親からの仕送りは断って最初から生活費は自分で捻出するつもりだった筈だ。違うか?」
「…あぁ、その通りだ。」
「で、バイトをクビにされて、他に当てが無かったから食料を求めて樹海まで来た。そうだろ?」
「………あぁ、そうだ。」
「だったら、冒険者ギルドに来いよ。歓迎するぜ。」
もしかして、勧誘されてるのか?
「お前の腕なら、冒険者ギルドでも充分にやっていける。クエストを受ければ、生活費どころか学費も稼げる。悪い話じゃないと思うがな?」
「いや…でも……身元も不明な子供が入れるものなのか?」
「大丈夫だ。商業ギルドや、騎士ギルド、魔術士ギルドとかと違って、間口は広いからよ。貧民区の連中なんて、身分証を手に入れるためにギルド登録するぐらいだからな。」
「へぇ……」
「それに、ここいらは危険地帯だから、本来はちゃんと申請しないと入れないんだよ。冒険者ならフリーパスで問題なく入れるし、専用の降下台もある。その様子だと、今後も樹海まで降りて来るだろ?そんな所を他の奴に見られたらどうなると思う?みんながみんな、俺みたいに秘密を守るとも限らない。少なくとも、結構面倒な事になると思うんだが?」
「…………」
確かに、一理あるな。だが、それでも何らかの組織に入るのは億劫だ。
「そういや名乗って無かったな。俺はヴラド、お前は?」
「……アレク。」
「アレク?………そうか。」
一応本名だけど、絶対本名じゃないと思われてるな。けど、その方が都合が良い。
「ギルドに登録するなら、本名を開示しなきゃならないだろ?諸事情で出来れば本名は伏せたいんだが、問題ないか?」
「あぁ、なるほど。それなら大丈夫だ。Dランク以上の保証人さえいれば、偽名でも登録出来るからよ。」
「そうなのか?」
「あぁ、結構訳アリな奴も多いからな。」
やはり、無法者も多いんだな。
「けど、保証人なんてそう都合良く見つからないだろ。」
「いるぜ、ここに。こう見えて俺、Dランクだから。」
話がトントン拍子に進んでるな。
「いや…それは流石に申し訳ないな。」
「気にすんなよ。お前は、命の恩人なんだからな!」
………参ったな。他に断る理由が見つからない。
だったら、それも有りかな。
「わかった。申請する事にするよ。」
「よし、決まりだな。丁度解体も終わったし、早速行こうぜ。」
「おいおい、捌いたこれらはどうすんだよ?他の獣に喰い散らかされるんじゃ……」
「(スッ)問題ない。」
そう言って、巾着袋を取り出した。
「上都したばかりって事は、これも初めてだよな?」
そうして得意げに取り出したものは……
「……ただの古びた袋に見えるんだが?」
「ただの袋じゃないぜ?(ヒョイッ)まぁ見てなって。」
ヴラド が解体した爪を袋の端に寄せる。
「(ギュォォッ!!)」
「……え?」
「どうだ?すごいだろ。マジックバックっつって、見た目以上に容量があるから割と何でも突っ込めるんだよ。」
そうして、解体した肉や素材を瞬く間にマジックバックへと収めていった。
「そういや、牙やツメ、羽なんかは居るか?」
「いいや、肉以外は割とどうでも良いかな。」
「じゃあ、ついでに買い取りもしてもらうか。」
「出来るのか?」
「あぁ、結構使い道が色々あるんだよ。」
そりゃありがたい。食材採取のついでに小遣いまで手に入るとはな。
「帰りは正規の道で良いか?」
「あぁ、頼む。」
そう考えると、新たなバイト先としてうってつけかもしれないな。
「んじゃ、行くぞ。着いて来い。」
「……あぁ。」
そうして、ヴラドと共に冒険者ギルドへと向かった。
解体をする事で、分かった事がある。
ナイフが眼球どころか頭蓋骨まで貫通している。最初の一投目で眼球を貫いて頭蓋骨で止まり、その後の追撃で頭蓋骨を貫いて硬膜に到達したのだろう。もっと刃渡りの長い……又は、柄が無いナイフだったとしたら、確実に脳まで到達していた。
というか、ここまで深く刺さっていたのなら横に少しかわすだけで自滅していた。コイツを抱えて横に飛び退けば良かったものを……我ながら、判断力が鈍っていたとしか思えないな。
「どうした?」
「いや……凄い投擲精度だな。急所までもう少しだったぞ。」
「そりゃどうも。」
実際、あの状況でこれだけの精度を発揮出来る奴がどれだけいる事か。
「俺にとっちゃ(ザクッ)お前の方が凄いと思うが?(ザクッザクッザクッ)クラバスバードがぶん回される所なんて初めて見た。」
「そりゃどうも。」
この鳥、クラバスバードって言うのか。故郷には居なかったな。
「私も、こんな鳥は初めて見たよ。そういえば、何で追われてたんだ?」
「採取のクエストしてたら、うっかりこいつのナワバリに入っちまってさ。何とか振り切ろうとここまで走って来たんだ。」
「そりゃ災難だったな。」
「流石に振り切るのは無理だと悟って木に登って回避しようとしたら、お前と目が合った。ごめんな。巻き込んじまって。」
なるほど。それで、自分の方に注意を引きつけようと怪鳥を挑発してここまで走って来たわけか。無茶するなぁ。
「いや、寧ろ助かったよ。どれだけ探しても獣が全然見つからなかったからさ。」
「て事は、お前は討伐のクエストか?」
「討伐?クエスト?」
「そういやお前、見ない顔だな。新入りか?」
「新入り?…いや、まぁ…まだ王都に来て1ヶ月だけど。」
「へぇ、こんな新人がいるなんて知らなかったな。ところで、ランクはいくつだ?」
「…ランク?」
「ギルドランクだよ。俺の見立てじゃEランク……いや、すっ飛ばしてDランクってとこか?ギルドで説明受けただろ?」
「………」
微妙に話が噛み合ってない気がする。採取、討伐、クエスト、新人、ギルドランク……………
「………もしかして、冒険者ギルドの話か?」
「当たり前だろ。何寝ぼけたこと………ん?」
「あぁ、うん。誤解させてごめん。一つ訂正させてもらうと、私は冒険者じゃない。」
「……えっ?」
ここで嘘を付いても直ぐにバレる。正直に話す方が良いだろう。
「私は、1ヶ月前に上都したばかりの学生だよ。この前アルバイトをクビにされて金欠だから、樹海で食料を探してた。」
「金欠…食料探し……?この樹海で………??」
「………」
あぁ、うん。やっぱり違法だよな。
故郷の森では、そういう制限や規則が無かったけど、こっちでも同じなわけないよな。
「出来れば、この事についても黙ってて貰えないかな?」
「あ…あぁ、わかった。じゃなくって!」
ダメか。まぁ、覚悟は出来てる。隠すつもりもない。規則を破った以上、罰則はちゃんと受けるよ。
けど、出来れば少しだけ食料を見逃して貰いたいな。
「お前…どうやってここまで降りて来た?」
「言い訳するつもりはない。罰則なら受けるよ。」
「罰則?何の罰則だ?」
「……へ?」
「そんな事より、教えてくれ!どうやってここまで降りて来た?」
「………」
そっちかよ。まぁ、この様子なら食料は持ち帰れそうだ。そこについては良かった。
けど、これはこれで厄介だ。自分でも、あの降り方は正気の沙汰とは思えない。
かと言って、今更嘘を吐くのもなぁ……
「この上に、南西区のゴーストタウンがあるだろ?」
「あぁ、今朝大規模な崩落があったあそこか。」
「そこから岩壁を伝って降りて来た。」
「………は?」
「だから、岩壁を伝って降りて来たんだよ。」
「………マジか。……確か、かなりの高さがあったと思うんだが?」
「いや、それは……………その………気合いで。」
「気合………」
「………」
「………」
静けさが痛い。嘘だと思われたのだろうか?
それとも、ドン引きされたのだろうか?
「……くっ…あっはっはっはっはっ!!」
今度は笑われた。流石に、言い訳が苦しかったか?
「そうか!気合いかっ!!そいつは良いな!!」
「あっ…ははは……」
乾いた笑いしか出ない。てか、我ながら今日は発言が軽率だ。
「そうか……じゃあよ、入ってみないか?」
「………へ?」
「お前、地方から上京して来たんだろ?それも相当な辺境の筈だ。」
「……まぁ、そうだな。」
「そんだけ遠いと仕送りも難しいだろうし、親からの仕送りは断って最初から生活費は自分で捻出するつもりだった筈だ。違うか?」
「…あぁ、その通りだ。」
「で、バイトをクビにされて、他に当てが無かったから食料を求めて樹海まで来た。そうだろ?」
「………あぁ、そうだ。」
「だったら、冒険者ギルドに来いよ。歓迎するぜ。」
もしかして、勧誘されてるのか?
「お前の腕なら、冒険者ギルドでも充分にやっていける。クエストを受ければ、生活費どころか学費も稼げる。悪い話じゃないと思うがな?」
「いや…でも……身元も不明な子供が入れるものなのか?」
「大丈夫だ。商業ギルドや、騎士ギルド、魔術士ギルドとかと違って、間口は広いからよ。貧民区の連中なんて、身分証を手に入れるためにギルド登録するぐらいだからな。」
「へぇ……」
「それに、ここいらは危険地帯だから、本来はちゃんと申請しないと入れないんだよ。冒険者ならフリーパスで問題なく入れるし、専用の降下台もある。その様子だと、今後も樹海まで降りて来るだろ?そんな所を他の奴に見られたらどうなると思う?みんながみんな、俺みたいに秘密を守るとも限らない。少なくとも、結構面倒な事になると思うんだが?」
「…………」
確かに、一理あるな。だが、それでも何らかの組織に入るのは億劫だ。
「そういや名乗って無かったな。俺はヴラド、お前は?」
「……アレク。」
「アレク?………そうか。」
一応本名だけど、絶対本名じゃないと思われてるな。けど、その方が都合が良い。
「ギルドに登録するなら、本名を開示しなきゃならないだろ?諸事情で出来れば本名は伏せたいんだが、問題ないか?」
「あぁ、なるほど。それなら大丈夫だ。Dランク以上の保証人さえいれば、偽名でも登録出来るからよ。」
「そうなのか?」
「あぁ、結構訳アリな奴も多いからな。」
やはり、無法者も多いんだな。
「けど、保証人なんてそう都合良く見つからないだろ。」
「いるぜ、ここに。こう見えて俺、Dランクだから。」
話がトントン拍子に進んでるな。
「いや…それは流石に申し訳ないな。」
「気にすんなよ。お前は、命の恩人なんだからな!」
………参ったな。他に断る理由が見つからない。
だったら、それも有りかな。
「わかった。申請する事にするよ。」
「よし、決まりだな。丁度解体も終わったし、早速行こうぜ。」
「おいおい、捌いたこれらはどうすんだよ?他の獣に喰い散らかされるんじゃ……」
「(スッ)問題ない。」
そう言って、巾着袋を取り出した。
「上都したばかりって事は、これも初めてだよな?」
そうして得意げに取り出したものは……
「……ただの古びた袋に見えるんだが?」
「ただの袋じゃないぜ?(ヒョイッ)まぁ見てなって。」
ヴラド が解体した爪を袋の端に寄せる。
「(ギュォォッ!!)」
「……え?」
「どうだ?すごいだろ。マジックバックっつって、見た目以上に容量があるから割と何でも突っ込めるんだよ。」
そうして、解体した肉や素材を瞬く間にマジックバックへと収めていった。
「そういや、牙やツメ、羽なんかは居るか?」
「いいや、肉以外は割とどうでも良いかな。」
「じゃあ、ついでに買い取りもしてもらうか。」
「出来るのか?」
「あぁ、結構使い道が色々あるんだよ。」
そりゃありがたい。食材採取のついでに小遣いまで手に入るとはな。
「帰りは正規の道で良いか?」
「あぁ、頼む。」
そう考えると、新たなバイト先としてうってつけかもしれないな。
「んじゃ、行くぞ。着いて来い。」
「……あぁ。」
そうして、ヴラドと共に冒険者ギルドへと向かった。
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