86 / 191
2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
23.これから脱出に挑みます。
しおりを挟む
「(チャキッ)ここで口封じしときます?」
「それとも、案内役に誰か連れて行きます?」
「放っておけ。どうせ部屋に鍵が掛かっていて出られやしない。寧ろ迷宮内で逃げられる方が厄介だ。」
「ちな、さっき蹴った感じどうだった?」
「ただのガキだったよ。鍛えてる感じもない。この様子なら、迷宮内には特に危険は無いな。」
「では、私も一緒に行こう。」
「「「は?!」」」
「どうした?何かおかしな事を言ったかな?」
「あの……本気ですか?」
「旦那はここで待ってて貰う方がずっと安全です。」
「本を取りに行くだけなら別に俺たちだけでも……」
「そこだよ。」
「「「へ?」」」
「向こうもそう思っている筈だ。私が降りてくる筈がないとね。」
「そりゃそうでしょう。降りる事でダンナ自身に何のメリットも無いんですから。」
「実際、何かメリットがあるんですか?」
「メリットか……では聞こう。私たちはあの時、殺されててもおかしくなかった。それが今、生きているのは何故だ?」
「……何でって」
「そりゃ……」
「なるほど!」
「「……なるほど?」」
「気付いたか。さっきも言った通り、奴らは貴族とのいざこざを避けている。この場で殺人が起これば、確実に巻き込まれると踏んだのだろう。逆に言えば、私の前で、殺しは出来ないという事だ!!」
「「!!」」
「お前達だけで行けば会った瞬間に皆殺しに遭うだろう。だが、そこで私が一緒ならどうだ?」
「……少なくとも、殺される事はない!」
「貴族とのいざこざを避けるために!」
「おまけに、そのまま撤退するかもしれない!!」
「では行こうか。だが念の為、しっかりと道中の護衛は頼むぞ?」
「「「おう!」」」
そうして男達は、迷宮へと降って行った。
「………」
「………」
「………(ムクッ)」
ほんと、チョロい連中だな。計画通りに行き過ぎてて、これも連中の策なんじゃないかと思えてしまう。
けど、顔を見る限りそんな感じは一切しない。これが術中だって言うなら、大人しく掛かってやるよ。
「(ガコッ)随分上手く行ったな。」
レンガをまた弄り、階段を収める。
〈カチャッ…ガガガガガガガッ〉
仕掛けが作動して、暖炉の出入り口が閉じて行く。
「あの男は酷く疑心暗鬼かつ過度の被害妄想持ちだからな。金塊を出せば必ず一緒に降りると思ったよ。」
「護衛の3人も一緒に降りたのは、金塊をくすねるためだろうな。」
「流石の僕も、全員でいくとは思いませんでした。」
残った見張りを気絶させて叩き落とすつもりだったが、まさか全員で行くとはな。手間が省けて良いな。
「けど、あんな猿芝居に引っかかるとか、程度が知れるな。」
「そうか?中々迫真の演技だったぞ?ダンカ?」
「茶化すなよ。1番セリフ量多かったお前も大概だからな。アイク。」
「ぼくは……殆どセリフ無かったですね。」
「いきなり大役任せるのもどうかと思ってな。悪いな。変な演技なんてさせちまって。」
「いえいえ、中々面白かったですよ?」
〈ガコンッ〉
「よし。完全に閉まったな。」
暖炉は元通りとなった。これであいつらは戻って来れないだろう。
「(コソッ)因みにアレ…ダンカ、扉の向こうって……」
「あぁ、いるな。」
「(コソッ)不味くないか?聞かれてないか?今のやりとり。」
「問題ない。防音がしっかりしてるみたいだからな。」
「何だ。意識して損した。」
「一応、段取りを確認しとくか?」
「いいや?全然いける。なぁ、カルボ?」
「えぇ、てか僕……またセリフ無いですから。」
単純にセリフ考えるのが面倒だっただけなんだよな。ごめん。
「(コホンッ)……では、この時を持って我らは主君の忠実なる僕である。」
「「おう!」」
「これより主君からの命に従い、任務を遂行する。」
「「了解」」
「準備は良いか?」
「「おう!」」
「覚悟は良いか!」
「「おう!!」」
「よし、行くぞ!」
「「おう!!!」」
何か、ちょっと楽しくなって来たな。
「(ガチャガチャッ)……ん?」
「そういえば、鍵が掛かってると言ってたな。」
「では僕が……」
「(ガキッ)」
「「………へ?」」
「問題ない。どうやら錆びついていただけの様だ。」
「……あぁ、そうみたいだな。」
「……」
「カルボ、どうやら地上ではお前の出番はマジで無さそうだ。」
「……無念。」
「それとも、案内役に誰か連れて行きます?」
「放っておけ。どうせ部屋に鍵が掛かっていて出られやしない。寧ろ迷宮内で逃げられる方が厄介だ。」
「ちな、さっき蹴った感じどうだった?」
「ただのガキだったよ。鍛えてる感じもない。この様子なら、迷宮内には特に危険は無いな。」
「では、私も一緒に行こう。」
「「「は?!」」」
「どうした?何かおかしな事を言ったかな?」
「あの……本気ですか?」
「旦那はここで待ってて貰う方がずっと安全です。」
「本を取りに行くだけなら別に俺たちだけでも……」
「そこだよ。」
「「「へ?」」」
「向こうもそう思っている筈だ。私が降りてくる筈がないとね。」
「そりゃそうでしょう。降りる事でダンナ自身に何のメリットも無いんですから。」
「実際、何かメリットがあるんですか?」
「メリットか……では聞こう。私たちはあの時、殺されててもおかしくなかった。それが今、生きているのは何故だ?」
「……何でって」
「そりゃ……」
「なるほど!」
「「……なるほど?」」
「気付いたか。さっきも言った通り、奴らは貴族とのいざこざを避けている。この場で殺人が起これば、確実に巻き込まれると踏んだのだろう。逆に言えば、私の前で、殺しは出来ないという事だ!!」
「「!!」」
「お前達だけで行けば会った瞬間に皆殺しに遭うだろう。だが、そこで私が一緒ならどうだ?」
「……少なくとも、殺される事はない!」
「貴族とのいざこざを避けるために!」
「おまけに、そのまま撤退するかもしれない!!」
「では行こうか。だが念の為、しっかりと道中の護衛は頼むぞ?」
「「「おう!」」」
そうして男達は、迷宮へと降って行った。
「………」
「………」
「………(ムクッ)」
ほんと、チョロい連中だな。計画通りに行き過ぎてて、これも連中の策なんじゃないかと思えてしまう。
けど、顔を見る限りそんな感じは一切しない。これが術中だって言うなら、大人しく掛かってやるよ。
「(ガコッ)随分上手く行ったな。」
レンガをまた弄り、階段を収める。
〈カチャッ…ガガガガガガガッ〉
仕掛けが作動して、暖炉の出入り口が閉じて行く。
「あの男は酷く疑心暗鬼かつ過度の被害妄想持ちだからな。金塊を出せば必ず一緒に降りると思ったよ。」
「護衛の3人も一緒に降りたのは、金塊をくすねるためだろうな。」
「流石の僕も、全員でいくとは思いませんでした。」
残った見張りを気絶させて叩き落とすつもりだったが、まさか全員で行くとはな。手間が省けて良いな。
「けど、あんな猿芝居に引っかかるとか、程度が知れるな。」
「そうか?中々迫真の演技だったぞ?ダンカ?」
「茶化すなよ。1番セリフ量多かったお前も大概だからな。アイク。」
「ぼくは……殆どセリフ無かったですね。」
「いきなり大役任せるのもどうかと思ってな。悪いな。変な演技なんてさせちまって。」
「いえいえ、中々面白かったですよ?」
〈ガコンッ〉
「よし。完全に閉まったな。」
暖炉は元通りとなった。これであいつらは戻って来れないだろう。
「(コソッ)因みにアレ…ダンカ、扉の向こうって……」
「あぁ、いるな。」
「(コソッ)不味くないか?聞かれてないか?今のやりとり。」
「問題ない。防音がしっかりしてるみたいだからな。」
「何だ。意識して損した。」
「一応、段取りを確認しとくか?」
「いいや?全然いける。なぁ、カルボ?」
「えぇ、てか僕……またセリフ無いですから。」
単純にセリフ考えるのが面倒だっただけなんだよな。ごめん。
「(コホンッ)……では、この時を持って我らは主君の忠実なる僕である。」
「「おう!」」
「これより主君からの命に従い、任務を遂行する。」
「「了解」」
「準備は良いか?」
「「おう!」」
「覚悟は良いか!」
「「おう!!」」
「よし、行くぞ!」
「「おう!!!」」
何か、ちょっと楽しくなって来たな。
「(ガチャガチャッ)……ん?」
「そういえば、鍵が掛かってると言ってたな。」
「では僕が……」
「(ガキッ)」
「「………へ?」」
「問題ない。どうやら錆びついていただけの様だ。」
「……あぁ、そうみたいだな。」
「……」
「カルボ、どうやら地上ではお前の出番はマジで無さそうだ。」
「……無念。」
12
あなたにおすすめの小説
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる