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かっこいい人sideミル
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「……あなたのことが知りたいです」と言ったのは、本心から。伝えた後、ずっと放心している狼さんに、そんな顔もかっこいいんだなと僕は惚けてしまった。
そう、僕は突如としてカフェに現れたイケメンの狼さんに、恋をしてしまった。一目惚れである。
新規のお客様から名前を聞き出すという、重大なミッションを忘れてしまうくらいに、衝撃的だったのである。
僕がこのお店で働き始めたのは四ヶ月前。お客さんとおしゃべりするだけで高いお金が手に入るときき、すぐに申し込んだのだ。楽しい仕事なんて惹かれるじゃん。そして僕の人気はうなぎ登り。皆来店したら僕を呼んでくれるから、嬉しい。
そしていつも通りお客さんと床に座って話してたとき(お店の人もお客さんも、ソファはあるけど床にも座れる)。不意に目をお店の入口に向けると、そこには一際惹かれる存在がいた。それはどうしてかは分からない。匂いかもしれないし、声かもしれない。原因は分からないけど、とにかく惹かれたのは確かだった。僕の周りにいたお客さんに「ごめんっ」と言ってから、その人がいる所へ真っ先に向かった。
自分の自己紹介をしていたら、僕のことを見て顔がフニャフニャしてる狼さんが目に映り、狼さんの名前を聞くのを忘れてしまった。だって、カッコイイ顔でニコニコしてたら、そりゃ誰だって言葉が出なくなるものでしょう?
このお店に来るのは同じ種族の猫か、他の種族の草食動物。肉食動物の人達は、あまり見かけることは無い。だけど、狼さんはここに来てくれて、運命を感じた。
嬉しくてつい、狼さんに近寄って膝に乗っかり、対面するように座る。いつもこんなことしないけど、怒られないからいいよね?楽しくて肩に顔を埋めてみると、頭を撫でられた。
イケメンが僕の頭を撫でてるなんて……照れるに決まってるじゃん!!
顔を真っ赤にして照れる僕に気づいた同僚のライは、
「えぇっ珍しい!ミルちゃんが自分からお客さんにくっついてる~」
と、話しかけてきた。このお店は可愛い系と美人系に分かれていて、僕は可愛い系、ライは美人系だ。
「そ、そんなことないもん……」
狼さんにだけ特別に接しているということはあまり知られたくなくて、照れてしまう。
そうしていると、僕の背中に腕が恐る恐る回ってきた。
「えっハグしても止めないっ!!これは……みんなに報告しなくっちゃ!」
っ…………?あれ、何が起こってるの?もしかして、ぼく狼さんにギュッてされてる?
腕の中が心地よくて、、耳が動いてしまう。
ーーーーあ。
やばい!名前聞くのすっかり忘れてた!!
顔を青くして焦った僕は、狼さんに抱きつき返した。上を向いて、名前を教えて欲しいと伝えるために、「……あなたのことが知りたいです……だめ?」と言った。
狼さんの腕の力が強くなる。照れすぎて俯いてしまった僕は気づかなかったけど、この時、狼さんは鼻血を出していたみたい。
そう、僕は突如としてカフェに現れたイケメンの狼さんに、恋をしてしまった。一目惚れである。
新規のお客様から名前を聞き出すという、重大なミッションを忘れてしまうくらいに、衝撃的だったのである。
僕がこのお店で働き始めたのは四ヶ月前。お客さんとおしゃべりするだけで高いお金が手に入るときき、すぐに申し込んだのだ。楽しい仕事なんて惹かれるじゃん。そして僕の人気はうなぎ登り。皆来店したら僕を呼んでくれるから、嬉しい。
そしていつも通りお客さんと床に座って話してたとき(お店の人もお客さんも、ソファはあるけど床にも座れる)。不意に目をお店の入口に向けると、そこには一際惹かれる存在がいた。それはどうしてかは分からない。匂いかもしれないし、声かもしれない。原因は分からないけど、とにかく惹かれたのは確かだった。僕の周りにいたお客さんに「ごめんっ」と言ってから、その人がいる所へ真っ先に向かった。
自分の自己紹介をしていたら、僕のことを見て顔がフニャフニャしてる狼さんが目に映り、狼さんの名前を聞くのを忘れてしまった。だって、カッコイイ顔でニコニコしてたら、そりゃ誰だって言葉が出なくなるものでしょう?
このお店に来るのは同じ種族の猫か、他の種族の草食動物。肉食動物の人達は、あまり見かけることは無い。だけど、狼さんはここに来てくれて、運命を感じた。
嬉しくてつい、狼さんに近寄って膝に乗っかり、対面するように座る。いつもこんなことしないけど、怒られないからいいよね?楽しくて肩に顔を埋めてみると、頭を撫でられた。
イケメンが僕の頭を撫でてるなんて……照れるに決まってるじゃん!!
顔を真っ赤にして照れる僕に気づいた同僚のライは、
「えぇっ珍しい!ミルちゃんが自分からお客さんにくっついてる~」
と、話しかけてきた。このお店は可愛い系と美人系に分かれていて、僕は可愛い系、ライは美人系だ。
「そ、そんなことないもん……」
狼さんにだけ特別に接しているということはあまり知られたくなくて、照れてしまう。
そうしていると、僕の背中に腕が恐る恐る回ってきた。
「えっハグしても止めないっ!!これは……みんなに報告しなくっちゃ!」
っ…………?あれ、何が起こってるの?もしかして、ぼく狼さんにギュッてされてる?
腕の中が心地よくて、、耳が動いてしまう。
ーーーーあ。
やばい!名前聞くのすっかり忘れてた!!
顔を青くして焦った僕は、狼さんに抱きつき返した。上を向いて、名前を教えて欲しいと伝えるために、「……あなたのことが知りたいです……だめ?」と言った。
狼さんの腕の力が強くなる。照れすぎて俯いてしまった僕は気づかなかったけど、この時、狼さんは鼻血を出していたみたい。
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