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第三章 アルプス王国のお姫様
第104話 さらば王都???
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アルプス王国のお姫様であるハイジェーン・アルプスは静かに話し始めた。
「私には二人の兄と姉がいたの。第一王子のマルケロフ兄様と第二皇子のクリプトン兄様、それにジョゼフィーヌ姉様。今、この国はお父様が国王として治めているけど、王位はその内、マルケロフ兄様かクリプトン兄様が継ぐ事になるわ。」
「なるほど、王位継承の問題って訳ね。でもそれでジェーンが狙われるのはおかしくないか?争ってるのは二人の兄なんだろ?ジェーンは関係ないじゃんか?」
「それがそうでもないの。本来ならカインの言うように兄の二人のどちらかが継ぐ事にはなるんだけど、私達を利用して王になろうとしてる貴族がいるの。その貴族達が兄達よりも優秀ならお父様は私を嫁がせてその者を王にする可能性もあるの。」
「という事は、確実に王の座を手に入れる為に命を狙われたって事か?でもそれだけじゃ兄達の仕業だとは言えないんじゃないのか?」
「私の姉が、ジョゼフィーヌ姉様が兄に殺されたのよ。」
「どういう事にゃ?」
「姉様は毒殺されたの。あの日、姉様は私にこの国は私が治めて見せる。兄達には任せておけないって強く言っていたの。そんな姉様が自殺なんてありえないわ。」
「どういう事だ?色々話がわからないんだけど?」
その後、感情的になるジェーンを他所にメイドのメアリーが詳細を説明してくれた。
簡単に言うと、ジェーンの姉が死んだ事でジェーンは次は自分が殺されると思い、帝国への留学を決めたという事だ。世間的にはジェーンの姉は王位継承の重圧から逃れる為に自殺したという事になっているらしい。ジェーンは自殺はありえないと確信を持っているようだが、どちらの兄が殺したかはわかっていないみたいだ。
「なるほど・・・だけどジェーン。君はそれでいいのか?他国に留学に言ってる間にどちらかの兄が王になってしまえば姉の無念をはらせないんじゃないのか?」
「それは・・・そうかもしれないけど、今の私じゃどうしようもないわ。一応どちらの兄が姉を殺したかは信用できる人に調べてもらってるわ。どちらも関わってるなら兄達に王は任せられないけど、どちらかが関わっていたなら、それを突き止めるだけよ。」
「ジェーンが王にならなくても良いのか?」
「姉様は王になりたかった訳じゃないの?国をよりよくするためには兄達より自分が王になった方がいいと思ってただけ。私は元々、兄様達にもかわいがってもらってたから仲もよかったの。今はあんなことがあって、どういう顔して会えば良いかわからないから疎遠になってるけど・・・でも兄様が王になってもこの国は良くなっていくと思うわ。だけど、姉様を殺した人を王にするのなんて絶対いや。私は帝国に勉強する為に行くの。姉様程頭も良くないし、強くもない。もし二人が関わってたら私がこの国をよりよくしないといけない。だから帝国に行って力を身に付けるの。」
(なるほどね・・・。まあ次期王様問題っていうのは、よくある問題な気もするしそういうものなんだろうな。俺は王位なんかには興味はないけど、この話を聞いた以上ほっておくわけにはいかない・・・か。まあ別に王都にこだわってる訳じゃないからジェーンを帝都に送るぐらいはしてあげてもいいかな。)
「話はわかった。なら俺がジェーンとメアリーを護衛して帝国まで行けばいいか?」
「!?一緒に行ってくれるの?」
「もちろんにゃ。基本カインはやさしいにゃ。アタシとカインにドンとまかせておくにゃ。だけどカインに惚れるのは無しにゃ。三角関係は友情のもつれにゃ。」
「何言ってんだラック。それより本当にいいのか?折角王都に来たっていうのに?」
「大丈夫にゃ。何度も言ってるにゃが、カインの傍がアタシの居場所にゃ。カインが行くならアタシも行くのが当然にゃ。」
「カイン、ラックありがとう。」
「ジェーン。だけどそう簡単な話じゃないぞ。そもそも俺達は帝国がどこにあるか知らないしし、馬車だってない。さすがに徒歩じゃいけないんだろ?馬車ってかなり高いんじゃないのか?俺達はそんな金持ってないぞ?」
「それは困ったわね。どこかで馬車が用意できればいいんだけど・・・。メアリーどうすれば良いかしら?」
「あの方が戻ってきたら相談してみてはどうでしょうか?」
「あの方って言うのはジェーンの兄達の事を調べてくれてる人の事か?今は王都にいないのか?」
「ええ。なんでも所要でしばらく王都を出るって言ってたから、いつ戻るかまでは・・・」
「まあしょうがない。それまでは地道に金を稼ぐとするか。どちらにしても帝国までは結構かかるんだろ?食料やらなにやら買っておかないといけないし、お金はあって困るもんじゃないしな。それにジェーンは王都じゃ出歩けないだろうから食費もかかるし。あっそう言えば留学っていってたけど、いつまでに帝国に行かないといけないとかは決まってるのか?」
「特に決まってないわ。だけど、帝国内に入れば追手は来れないだろうから、そこまでは早く行きたいわね。」
「わかった。まあ俺の方もここを出るなら話をしておかないといけない人がいるからしばらくは大人しくしていてくれ。」
「わかったわ。」
「カイン様、ラック様、姫様の為にありがとうございます。」
「全然かまわないにゃ。帝国も楽しみにゃ。」
「そうだな。」
(王都で黄亀ダンジョンを攻略する予定だったけど、これも何かの縁だしな。とりあえずバニーさんには話しても大丈夫だと思うから、話して相談だな。)
そうして、王国の姫とメイドという奇妙な人達がしばらくだが、カインと共に過ごす事になったのだった。
「私には二人の兄と姉がいたの。第一王子のマルケロフ兄様と第二皇子のクリプトン兄様、それにジョゼフィーヌ姉様。今、この国はお父様が国王として治めているけど、王位はその内、マルケロフ兄様かクリプトン兄様が継ぐ事になるわ。」
「なるほど、王位継承の問題って訳ね。でもそれでジェーンが狙われるのはおかしくないか?争ってるのは二人の兄なんだろ?ジェーンは関係ないじゃんか?」
「それがそうでもないの。本来ならカインの言うように兄の二人のどちらかが継ぐ事にはなるんだけど、私達を利用して王になろうとしてる貴族がいるの。その貴族達が兄達よりも優秀ならお父様は私を嫁がせてその者を王にする可能性もあるの。」
「という事は、確実に王の座を手に入れる為に命を狙われたって事か?でもそれだけじゃ兄達の仕業だとは言えないんじゃないのか?」
「私の姉が、ジョゼフィーヌ姉様が兄に殺されたのよ。」
「どういう事にゃ?」
「姉様は毒殺されたの。あの日、姉様は私にこの国は私が治めて見せる。兄達には任せておけないって強く言っていたの。そんな姉様が自殺なんてありえないわ。」
「どういう事だ?色々話がわからないんだけど?」
その後、感情的になるジェーンを他所にメイドのメアリーが詳細を説明してくれた。
簡単に言うと、ジェーンの姉が死んだ事でジェーンは次は自分が殺されると思い、帝国への留学を決めたという事だ。世間的にはジェーンの姉は王位継承の重圧から逃れる為に自殺したという事になっているらしい。ジェーンは自殺はありえないと確信を持っているようだが、どちらの兄が殺したかはわかっていないみたいだ。
「なるほど・・・だけどジェーン。君はそれでいいのか?他国に留学に言ってる間にどちらかの兄が王になってしまえば姉の無念をはらせないんじゃないのか?」
「それは・・・そうかもしれないけど、今の私じゃどうしようもないわ。一応どちらの兄が姉を殺したかは信用できる人に調べてもらってるわ。どちらも関わってるなら兄達に王は任せられないけど、どちらかが関わっていたなら、それを突き止めるだけよ。」
「ジェーンが王にならなくても良いのか?」
「姉様は王になりたかった訳じゃないの?国をよりよくするためには兄達より自分が王になった方がいいと思ってただけ。私は元々、兄様達にもかわいがってもらってたから仲もよかったの。今はあんなことがあって、どういう顔して会えば良いかわからないから疎遠になってるけど・・・でも兄様が王になってもこの国は良くなっていくと思うわ。だけど、姉様を殺した人を王にするのなんて絶対いや。私は帝国に勉強する為に行くの。姉様程頭も良くないし、強くもない。もし二人が関わってたら私がこの国をよりよくしないといけない。だから帝国に行って力を身に付けるの。」
(なるほどね・・・。まあ次期王様問題っていうのは、よくある問題な気もするしそういうものなんだろうな。俺は王位なんかには興味はないけど、この話を聞いた以上ほっておくわけにはいかない・・・か。まあ別に王都にこだわってる訳じゃないからジェーンを帝都に送るぐらいはしてあげてもいいかな。)
「話はわかった。なら俺がジェーンとメアリーを護衛して帝国まで行けばいいか?」
「!?一緒に行ってくれるの?」
「もちろんにゃ。基本カインはやさしいにゃ。アタシとカインにドンとまかせておくにゃ。だけどカインに惚れるのは無しにゃ。三角関係は友情のもつれにゃ。」
「何言ってんだラック。それより本当にいいのか?折角王都に来たっていうのに?」
「大丈夫にゃ。何度も言ってるにゃが、カインの傍がアタシの居場所にゃ。カインが行くならアタシも行くのが当然にゃ。」
「カイン、ラックありがとう。」
「ジェーン。だけどそう簡単な話じゃないぞ。そもそも俺達は帝国がどこにあるか知らないしし、馬車だってない。さすがに徒歩じゃいけないんだろ?馬車ってかなり高いんじゃないのか?俺達はそんな金持ってないぞ?」
「それは困ったわね。どこかで馬車が用意できればいいんだけど・・・。メアリーどうすれば良いかしら?」
「あの方が戻ってきたら相談してみてはどうでしょうか?」
「あの方って言うのはジェーンの兄達の事を調べてくれてる人の事か?今は王都にいないのか?」
「ええ。なんでも所要でしばらく王都を出るって言ってたから、いつ戻るかまでは・・・」
「まあしょうがない。それまでは地道に金を稼ぐとするか。どちらにしても帝国までは結構かかるんだろ?食料やらなにやら買っておかないといけないし、お金はあって困るもんじゃないしな。それにジェーンは王都じゃ出歩けないだろうから食費もかかるし。あっそう言えば留学っていってたけど、いつまでに帝国に行かないといけないとかは決まってるのか?」
「特に決まってないわ。だけど、帝国内に入れば追手は来れないだろうから、そこまでは早く行きたいわね。」
「わかった。まあ俺の方もここを出るなら話をしておかないといけない人がいるからしばらくは大人しくしていてくれ。」
「わかったわ。」
「カイン様、ラック様、姫様の為にありがとうございます。」
「全然かまわないにゃ。帝国も楽しみにゃ。」
「そうだな。」
(王都で黄亀ダンジョンを攻略する予定だったけど、これも何かの縁だしな。とりあえずバニーさんには話しても大丈夫だと思うから、話して相談だな。)
そうして、王国の姫とメイドという奇妙な人達がしばらくだが、カインと共に過ごす事になったのだった。
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