1枚の金貨から変わる俺の異世界生活。26個の神の奇跡は俺をチート野郎にしてくれるはず‼

ベルピー

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第三章 アルプス王国のお姫様

第150話 スイートバード

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「カイン様、カイン様。できたっす。」

この日、カインは家でゆっくりと休日を満喫していた。休日に買い物に行ったり、オシャレなカフェでお茶したり、図書館に行ったりするのも良いが、前世ではもっぱらインドアだったカインは、家でゆっくりだらだらするのも好きだった。

「落ち着けスズ。何ができたんだ?」

「何って、アレっす。アレ。アレと言えばカイン様もわかるっすよね。」

「アレ?」

「何にゃ。折角部屋で寝てたのに、スズの声で目が覚めたにゃ。アレが出来たって聞こえたにゃ。アレってアレにゃ?」

「そうっす。アレが出来たっす。」

「スズはもう食べたのかにゃ。」

「もちろんっす。半端なかったっす。」

「アタシも食べたいにゃ。持ってきてるにゃ?」

「もちろんっす。そしてカイン様とラック様の分も持ってきたっす。グランドウィートの量もあるから、他の方へはないっすけど。だけど、お姉さんもすごい驚いてったっす。すぐに売ってくれって言われたっす。」

「アレってその事か。」

「いやいやカインは気づいてて言ってたにゃ。朝からスズはパン屋にお願いに行くって言ってたにゃ。」

「うっ・・・それは言わない約束だろ?」

「そんな約束してないにゃ。」

「それより、ジェーン達には内緒なんだよな?ジェーン達は?」

「メアリーと買い物に出かけてるにゃ。」

「良かった。あの二人にはゴルちゃんとシシルちゃんと会う時まで黙ってるって事か?」

「そうっす。ゴルちゃんとシシルちゃんにもその時にあげようと思ってるっす。」

スズが持ってきたのは、先日見つけたグランドウィートを使ったパンだった。カインとラックは早速、そのパンを食べて見た。

「「うまい!!」」

出てきた言葉は、単純にうまいの一言だった。それもそうだろう。別に料理番組ではないのだ。洒落の聞いた感想なんて求めてないのだ。

「よかったっす。これでパンの準備はバッチリっす。後はカイン様のお肉だけっす。」

「大丈夫かにゃ?あと1週間しかないにゃ。それを過ぎると王都に戻らなくちゃいけないにゃ。」

実は、来週にはジェーンとメアリーの帝都での留学期間が終わるのだ。来週の休みにはゴルちゃんとシシルちゃんに合わせて、ダンジョンの中でお別れパーティをする事になっていた。

「ああ。大丈夫だ・・・多分。」

「スイートバード・・・高級鳥肉だったかにゃ。たしかにそれで作った焼き鳥はおいしそうにゃ。だけどカイン。いる場所はわかったのかにゃ?」

カインの手に入れたり食材は鳥肉だ。カインは前世から鳥の焼き鳥が好きだった。モモにカワに軟骨にずりなど、どの部位も美味しく、帝国にしか生息しない鳥がいるなら是非手に入れて焼き鳥にしたいと思っていた。

「ああ。その辺はバッチリ調べてる。西に二日程いった所にある、グリングリンの山にいるらしい。」

「行くのに二日もかかるのかにゃ?けっこうな距離にゃ。」

「それはしょうがないだろ。なんでも帝都の近くにある訳じゃないんだ。それに帰りは転移を使えば一瞬で帰って来れるだろ?」

☆☆☆

カイン達は、スイートバードを手に入れる為、グリングリンの山に来ていた。移動は徒歩だ。町への移動ではないので、馬車なんかは出ていない。ひたすら走ったり歩いたりして、目的地へ移動していた。といってもカイン達の体力は、レベルも高いので、移動するぐらいで疲労する事はなかった。

「着いたぞ。これがグリングリンの山か。木が生い茂ってるからグリングリンって言うのかな?」

「わからないにゃ。でも鳥も多く飛んでるにゃ。あれがスイートバードにゃ?」

「いやスイートバードは白い鳥みたいだから、アレじゃないな。」

「魔物も多そうっすね。」

「そうだな。まあちらっと鑑定した限りじゃ、強い魔物はいないみたいだし、気配察知でも危ない感じはしないから大丈夫だと思う。」

「丁度良いにゃ。美味しそうな魔物がいたら片っ端から手に入れるにゃ。ダンジョンじゃ消えるから素材を持ち帰れなかったにゃ。牛に豚に鳥、果物にキノコ。カインがアイテムボックス持ってるからこの森でいっぱい手に入れるにゃ。」

「森じゃなくて山な。ここから感じる限りの情報だから、山の中はどうなってるかわからないんだ。警戒はしてくれよ。」

「たしかに・・・山と言えばドラゴンにゃ。」

「はいっす。滝と言えば裏側に洞窟。山と言えばドラゴンっす。」

「いやいやさすがにドラゴンはいないだろ。ギルドでもそんな事は言われなかったし。」

「カインは甘いにゃ。ただただ、ギルドに情報が無かっただけにゃ。」

「そうっす。カイン様。その考えは、蜂蜜に砂糖を混ぜたぐらい甘すぎるっす。」

「だから・・・なんでそのネタ知ってんだよ!!」

「それぐらいアタシとスズにとったら常識にゃ。」

「はいっす。」

「・・・わかったよ。とりあえず期間は三日。スイートバードは白い鳥だ。ラックの言うように素材は俺のアイテムボックスに保管できるから、見つけ次第倒してオーケー。ただ、他の冒険者もいるかもしれないからやりすぎないようにな。」

「わかったにゃ。」「わかったっす。」

そうして、三日間の山でのサバイバルが始まった。





結果・・・

白いスイートバードはあっけなく見つかり、10頭以上も手に入れる事ができた。そうなのだ。特級の炭酸水や、グランドウィートとは違い、スイートバードは希少でもなんでもない。ただ、帝国にだけ生息する鳥というだけなのだ。

三日間で果物や他の美味しそうな魔物も手に入れたカイン達は、最終日に転移魔法で家へと戻った。

「これで準備は整ったな。明日一日持ち込む料理を作って、明後日はみんなでお別れパーティだ。」

「楽しみにゃ。」

「僕も楽しみっす。」

こうしてカイン達は、帝国にいる間にやりたかった事を終えたのだった。
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