辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

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第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?

第289話 新生魔国への道 1

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「さあどうする?」

「クリフさん。いきなりは難しいんじゃ・・・」

「ならこの話は無しだ。ユイをここまで連れて来たし、セントラル城も奪還した。後はユイ達で好きにすればいい。魔族が攻めてくれば俺は迎え撃つし、攻めてこなければ何もしない。」

「・・・みんな・・・」

(ここが運命の分岐点だ。ユイ達にとっても俺にとっても。正直もうノースとサウスとはうまくやっていけないだろう。襲われた他のエリアと仲良くなんてうまく行く訳ない。ここは、セントラルが圧倒的な力を手に入れて他のエリアを傘下にするしかないだろう。だが武力じゃダメだ。俺ならこの国を他国並み、とはいかなくても自給自足が可能ないっぱしの国にできると思う。エターレイン領の立ち上げである程度はわかったからな。)

「俺はユイ様について行きます。ユイ様が決めた事に従います。」

「フォルカス・・・」

「当然、私もユイ様に従います。セントラル一同ユイ様のお言葉が絶対です。」

「フォルダー・・・ありがとう。クリフさん。変な事言ってごめんなさい。ユイは、ユイ達は今後『奪う』事はしません。だから、だからクリフさん。魔国をユイ達の国をお願いします。」

「わかりました。お任せください。」

☆☆☆

「それでクリフさん。まずは何をするんですか?」

「はい。まずはセントラルの方、全員に『奪う』事をしなくても快適に過ごす事ができるというのをわかってもらいます。」

「どうやって?」

「これです。」
クリフはポケットから1枚の硬貨を取り出した。

「それは?」

「これはお金です。お金は知ってるよね。」

「うん。使った事ないけど。」

「だよね。これから、魔国の方達にはお金を稼いでもらう。」

「どうやって?」

「この国には魔物が溢れてる。魔物を狩れば魔石や魔物の肉に皮、牙、内臓みたいな素材が取れる。それは食料になったり、薬になったり、服になったりするんだ。」

「うん。知ってるよ。ユイ達は魔物の肉をいつも食べてるもん。」

「だよね。だけど他国の人達の中には自分達で魔物を狩れない人が多くいる。その人達は他の人が狩ってきた魔物の肉をお金を渡してその対価として肉を受け取るんだ。」

「私達がお金を稼いでどうするの?」

「魔国の人達は魔物を狩るのはうまいけど、それ以外の事が全くと言って良いほどできない。それは悪い事ではなく、人それぞれ個性があるからしょうがない事なんだ。で、さっきの例で話すと、魔物を狩ってお金に変える。そしてそのお金でキレイな服やおいしい料理を買う。それが経済の流れ。しいては奪わない国という事だよ。」

「なるほど。要は我らは魔物を人族の国に提供し、その対価として人族の技術をもらうのだな。そしてそれをつなぐのがお金という訳か。」

「フォルダーさん賢い。その通りだよ。どう?簡単でしょ。」

「そうだな。そう言われると我らでもできそうだ。だが、それをするだけで本当にうまくいくのか?それに魔物を狩るのは良いが、誰がお金に変えてくれるのだ?それに技術も。」

「それは俺にまかせてよ。」

(エターレイン商会を通じて、素材を買い取って、そのお金で商会の商品を買ってもらろう。はじめは大判振る舞いして、お金を稼ぐのが良い事っていうのを知ってもらわないとな。料理に衣服、薬に武器・防具なんかもいいな。将来戦争が起きないともいえないけど、まあセントラルには防衛もあるからいいだろ。よし、そうと決まればサラサとライシャに相談だな。)

☆☆☆

「という訳なんだよ。」

クリフは、エターレイン領に戻ってきていた。魔国での内容をセリーヌ達に報告している所だった。

「それは大変ね。かなり人を連れて行かないといけないわ。」

「そうね。商会の買い取り部署は総出で連れて行くわ。後販売部署の方は魔族でしょ。何がいいのかしら?」

「とりあえず衣類、パンとかお菓子とかの食料品、武器・防具なんかの装備品を大量に持って行けばいいと思う。そこで必要なモノを見て、次回からはそれに対応していく感じがいいかな。」

「そうね。直接見てみないとわからないわね。あっ世界樹の実を持って行ってもいいかもしれないわね。大分数も安定してきたし。」

「マスター。我も一緒について行こうか?サラサとライシャ達の護衛が必要じゃろ?もしかしたらがあるかもしれんしのぉ。」

「たしかに。グランの言う通りだな。じゃあお願いしようかな。」

「任せるのじゃ。」

「とりあえずお金を稼いだら、奪うような事をしなくても快適に生活ができるって事を伝えたいから、俺は、各住居を補修したり風呂とかを作ったりしようと思ってるよ。」

「それも良い案ですね。わかりました。じゃあ私とユーナ、ナリアの3人はそれぞれの実家で相談してきます。買い取ったモノをどうするかも決めないといけないでしょ?それにエターレイン領だけじゃ、人手がきっと足りなくなると思いますわ。」

「そうだね。セリーヌの言う通りだ。その辺はまかせていいかな?あまり無理はしてほしくないけど、セリーヌなら安心だし。」

「もちろんですわ。それに何もしないよりは運動した方が子供にいいんですよ。」

(ああ。それはたしかに。まあセリーヌなら大丈夫か。)

そうして、クリフ達は新生魔国に向けて準備をするのだった。
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