辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

文字の大きさ
136 / 208
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?

第298話 セントラル軍対ノース軍

しおりを挟む
(こっちに来て正解だったな。あと少し遅かったらナリアが危なかった。タイミングよく助けれられてよかった。)

サウスとの戦争に勝利したクリフは、パインの様子を確認する為に帝国と魔国の戦いの場へと転移してきていた。転移してすぐにナリアが危機的状況にあるとわかったクリフは、すぐにナリアの元へ向かう。あと一歩遅かったらナリアの命はなかったかもしれない。

「クリフ!!」

「おまたせナリア。良く持ちこたえてくれた。後は俺にまかせてゆっくり休みな。」

「ありがとうクリフ。もうダメだと思ったわ。だけどクリフ。この戦いは、私も参加したいの。わがままかもしれないけどこのまま戦わせて。」

「ナリア・・・わかったよ。回復魔法と補助魔法を掛けておくよ。パインと戦ってる中将以外なら大丈夫だと思うけど気を付けてね。」

「わかったわ。必死で耐えてくれてる兵士達を一秒でも早く助けるわ。クリフはパインの元に向かうの?」

「そうだね。パインも多くの魔族を引き付けてくれてるみたいだけど、雑魚は俺が相手しようかな。ボスだけならパインにまかせて大丈夫だと思うし、後から来た俺がパインの戦果を奪う訳にも行かないしね。俺もナリアのように兵士達の救出に向かうよ。」

クリフが戦闘に参加する事で、一気に戦況が動いた。サウス軍の中将トパーズと戦ってるパインも周りを気にする必要がなくなったので、一気に攻め立てた。

「これまでだな。お前の軍は全滅だ。大人しく降参するなら命まで奪おうとは思わないが?」

「これまでですね。負けて尚、生き延びようとは思いません。貴方達の勝利です。ひと思いに殺してください。」

「わかった。」

パインは聖剣を振り下ろし、敵軍のボスを倒した。

「おつかれさん。けっこう苦戦したんじゃないのか?」

「ああ。けっこうきつかったな。ナリアを派遣してくれて助かったよ。俺と帝国軍だけだったら持ちこたえる事ができなかっただろう。それとクリフも、助かったよ。お前の方は大丈夫だったのか?」

「もちろん。大精霊達の魔法で魔族達を一層して俺が大将を倒したよ。」

「まったくとんでもないなお前は。だが・・・ありがとうクリフのお陰で帝国は救われた。」

「何言ってんだよ。これで英雄パインの誕生だろ?兵士達をまとめて帝国城に帰還するんだろ?ちゃんと勝利報告してこいよ。」

「ああ。こっちはまかせておけ。クリフは魔国に戻るのか?」

「うん。一度セントラル城にもどって状況の確認かな。グランがいるからあっちも大丈夫だとは思うけど。」

「そうか・・・ナリアには会っていかないのか?」

「さっき顔見たから大丈夫。ナリアの事頼んだよ。」

「わかった。」

帝国対魔国のサウス軍は、帝国の勝利で終わった。これを機に帝国総大将となったパインは、英雄パインとして長く語り継がれる事となった。

そして、魔国のノースとセントラルの間では、魔族同士の戦いが始まっていた。

「グラン殿。ノースの大将エックスはまかせて大丈夫だな。」

「うむ。我にまかせておけ。いくら邪神の影響で能力が数倍になっていようが我には関係ない。そんな事よりお主は中将を相手にするんじゃろ?お主の方こそ大丈夫なのか?」

「うむ。探してはおるんじゃが見つからないのだ。フォルカスとフォントとともに魔族達をと倒して行けば姿を見せるとは思うが。」

「ノース城で待機するようになったのかもしれぬな。なんにせよ。中将がいないなら魔族軍達に負ける事はないな。さて我は一足先に大将を倒して向こうの士気をそいでこよう。」

(ふむ。マスターは中将もこっちに来るといっておったが、事前に作戦が変わったのだろうか?まあ我は相手の大将を倒すだけだ。後の事はマスターがうまくやるだろ。)

グランは、ノース軍大将エックスの元へと向かった。

「お主が大将のエックスじゃな。悪いが我はセントラル側なのじゃ。大人しく殺されてくれ。」

「むっ!!お前は強そうだな。いいだろう相手してやる。」

グランとエックスの戦いが始まった。戦いが始まったと言ってもエックスが攻撃を仕掛け、それをグランがひたすら躱す戦いだ。グランからすれば、エックスもその辺にいるゴブリンも強さはあまり変わらない。

相手の力を見て、適当にあしらった。

「まさか・・・これ程力の差があるとは・・・無念だ。」

「お主はまだまだ井の中の蛙じゃったな。邪神よりも先に我のマスターと出会っていれば結果は違っていたのかもしれぬな。」

そういって、グランはノース軍の大将を殺した。

「さて、こっちは片付いた。これで敵の軍の士気も下がるだろう。フォルダーはうまく敵の中将をみつけたかのぉ。久々に戦ったからマスターに甘えたくなってきたぞ。」

敵軍の大将を倒したグランは、敵の軍は無視して、フォルダーの元へと戻った。

「3人ともいるんじゃな。敵の中将ゼットは倒したのか?」

「いや、敵軍の中にはいないみたいだ。今はフォルカス、フォントと協力して向こうの軍を減らしてる所だ。」

「我も手伝った方が良いか?」

「いやグラン殿はエックスを倒してくれただけで十分だ。後は俺達セントラル軍にまかせてくれ。」

「わかったのじゃ。」

「グラ~ン。南が終わったから加勢に来たよ。」

丁度そのタイミングで、クリフが召喚した大精霊達がグランの元に到着した。

「カリン達か。こっちも大将を倒した所じゃ。後はフォルダー達が指揮してノース軍を倒すだけじゃな。」

「私達もお手伝いしましょうか?」

「いやフォルダーが言うには、セントラル軍もメンツがあるらしい。負けたらマスターが悲しむからサポートぐらいにとどめておくのがよいじゃろ。」

「わかりました。」

大将フォルダー、中将フォルカス、フォントを要するセントラルに対して、ノースは将軍不在。なので結果は見えていた。徐々に数を減らすノース軍。グランはその様子をただただ眺めるのだった。
しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。