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もう一人の転生者キャサリン視点2
嘘でしょう。
セドリック殿下は肉便器1号まっしぐら攻略対象じゃない。
『何で来るのよ。
愛しのエマの所へ行きなさいよ』
そうは思うものの、相手はこの国の第一王子。
失礼のない様に兄達に相手をして貰っている間に身なりを整える。
「病み上がりの令嬢にアポなしで来るなんて、どんだけ自己中なんだか」
憎々し気に悪態つきつつ階下の応接室へと足を運ぶ。
扉を開き淑女の礼をしながら顔を上げれば
『げっ。1号、2号、3号が揃っている』
思いっきり蒼白な顔になる。
当たり前か、セドリックの相手を兄達に頼んだのだから……。
虚ろな目でこちらを見ている私をを見たセドリック。
「まだ体調が優れないのではないのか?」
と、ど鬼畜らしくなく申し訳なさそうに言う。
「いえ、大丈夫ですわ。殿下」
まさか「あんたらがいるから気分が優れないんだよ」なんて言えないからね。
それこそ不敬だよ。
「君が急に倒れて2日も昏睡状態だったと聞いてね。私は生きた心地がしなかったよ」
セドリックはそう言いながら扉の前に立つ私の所までゆっくりと歩んで来た。
「でも、今日顔を見てほっとした。君は私の婚約者候補筆頭なのだからあまり無理をしてはいけないよ」
優しく微笑まれても、そこに『自己管理が出来てないんじゃないのか?』と顔に書いてあるだけに全然嬉しくもない。
挙げ句『君はあくまでも候補の一人だよ』と宣言しているあたり腹黒である。
記憶が戻る前の私なら「殿下がわたくしの心配をしてくださるなんて」と恋愛脳丸出しに有頂天になって騒いでいただろうが、こちらはこの腹黒王子の性格を熟知しているだけにそれは無い。
「ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません」
当たり障りなくそれだけ言うと営業スマイルを顔に張り付けた。
「まさか、殿下が直々にお見舞いにいらして下さるなんて思いもよりませんでしたわ」
こいつの事だから侍従辺りに適当に見舞いの品を選ばせて贈る程度だと思っていたが、どういう風の吹き回しか。
ジッとセドリックを見ていると何を勘違いしたのかセドリックは苦笑する。
「たまには婚約者候補の令嬢の心配もしますよ。処で、私の顔に何か着いていますか?」
こいつ「たまには」と言ったよ。
思わず心の中では素で悪態ついてしまう。
「いえ。変な物は何も……ただ、今までお見舞いにいらした事がないのにどうされたのかと思いまして」
既に言葉が事務的になってしまっているのは仕方がない。
こんなストーリー聞いてないし。
「そうかな。実はそろそろ正式に婚約者を決める様に両陛下から言われていてね。お飾りになるだろう妃候補の令嬢方とゆっくり話をしてみようと思ったんだよ」
ゆっくりと綺麗な所作で紅茶を飲みながらセドリックは面倒臭い発言をする。
「そうですか」
何となく言葉の後ろに『見舞いはついでだ』と言っている様に聞こえる。
それに『お飾り』と嫌みを然り気無く言って来た辺り、流石だと思う。
兄達はセドリックの嫌味に慣れているのか軽く苦笑する程度だ。
まぁ、良いんだけどね。
そして、セカンドシーズンのセドリックルートのエンドを思い出す。
ハッピーエンドはセドリックとエマが相思相愛でラブラブなんだけど……私はエマが正妃になった為に形だけの側妃になりそのまま後宮で朽果てる。
正にキャサリンのバットエンド……と思うかも知れないがセドリックのエンドの中では一番のハッピーエンドだろう。
何故ならノーマルエンドでは、形だけの正妃になった私に兄達がセドリックの所へ押し掛け閨を一晩だけ共にする様に強要する。
はっきり言って鬼畜モードバリバリの愛もへったくれもない行為だ。
そして処女を失った翌朝、兄達に実家連れて来られた私は孕むまで兄達に蹂躙されるのだ。
髪と瞳の色が同じだった私達は、子供が生まれても私に似たと言えば大丈夫だと言う理由で……。
多分これが一番のバットエンドだと思う。
因みにエマのバットエンドは正妃の私と側妃のエマ二人をセドリックが毎晩無理矢理蹂躙するのだ。
俗に言う3Pというやつだ……最低だ。
結論から言えば、私にとってセドリックとの婚姻はイコール不幸の序章と言える。
兎に角セドリックの婚約者というフラグはへし折らねば。
私は意を決して兄達を見ると
「殿下と二人で話したい事があります。ガラス張りの温室でお話ししますので外から私達を見守って頂いても宜しいでしょうか?」
未婚の男女が密室で二人きりになるのは良くないけど、今回の話は誰にも聞かれる訳にはいかない。
あくまでも引かないという意思を込めて言えば兄達は快く温室へ行く事を許可してくれた。
多分兄達は私が婚約候補に本腰を入れたのだと思ったはず。
ガラス張りの前に護衛2人と侍女を2人置く事を条件に。
勿論兄達はそこより更に温室が良く見える、温室に隣接した庭の中にあるガーデンテーブルに陣取っている。
これから話す内容を兄達に聞かれる訳にはいかにいのだから私としては上々の出来だ。
ここから私の未来を賭けた戦いが始まるのだから。
セドリック殿下は肉便器1号まっしぐら攻略対象じゃない。
『何で来るのよ。
愛しのエマの所へ行きなさいよ』
そうは思うものの、相手はこの国の第一王子。
失礼のない様に兄達に相手をして貰っている間に身なりを整える。
「病み上がりの令嬢にアポなしで来るなんて、どんだけ自己中なんだか」
憎々し気に悪態つきつつ階下の応接室へと足を運ぶ。
扉を開き淑女の礼をしながら顔を上げれば
『げっ。1号、2号、3号が揃っている』
思いっきり蒼白な顔になる。
当たり前か、セドリックの相手を兄達に頼んだのだから……。
虚ろな目でこちらを見ている私をを見たセドリック。
「まだ体調が優れないのではないのか?」
と、ど鬼畜らしくなく申し訳なさそうに言う。
「いえ、大丈夫ですわ。殿下」
まさか「あんたらがいるから気分が優れないんだよ」なんて言えないからね。
それこそ不敬だよ。
「君が急に倒れて2日も昏睡状態だったと聞いてね。私は生きた心地がしなかったよ」
セドリックはそう言いながら扉の前に立つ私の所までゆっくりと歩んで来た。
「でも、今日顔を見てほっとした。君は私の婚約者候補筆頭なのだからあまり無理をしてはいけないよ」
優しく微笑まれても、そこに『自己管理が出来てないんじゃないのか?』と顔に書いてあるだけに全然嬉しくもない。
挙げ句『君はあくまでも候補の一人だよ』と宣言しているあたり腹黒である。
記憶が戻る前の私なら「殿下がわたくしの心配をしてくださるなんて」と恋愛脳丸出しに有頂天になって騒いでいただろうが、こちらはこの腹黒王子の性格を熟知しているだけにそれは無い。
「ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません」
当たり障りなくそれだけ言うと営業スマイルを顔に張り付けた。
「まさか、殿下が直々にお見舞いにいらして下さるなんて思いもよりませんでしたわ」
こいつの事だから侍従辺りに適当に見舞いの品を選ばせて贈る程度だと思っていたが、どういう風の吹き回しか。
ジッとセドリックを見ていると何を勘違いしたのかセドリックは苦笑する。
「たまには婚約者候補の令嬢の心配もしますよ。処で、私の顔に何か着いていますか?」
こいつ「たまには」と言ったよ。
思わず心の中では素で悪態ついてしまう。
「いえ。変な物は何も……ただ、今までお見舞いにいらした事がないのにどうされたのかと思いまして」
既に言葉が事務的になってしまっているのは仕方がない。
こんなストーリー聞いてないし。
「そうかな。実はそろそろ正式に婚約者を決める様に両陛下から言われていてね。お飾りになるだろう妃候補の令嬢方とゆっくり話をしてみようと思ったんだよ」
ゆっくりと綺麗な所作で紅茶を飲みながらセドリックは面倒臭い発言をする。
「そうですか」
何となく言葉の後ろに『見舞いはついでだ』と言っている様に聞こえる。
それに『お飾り』と嫌みを然り気無く言って来た辺り、流石だと思う。
兄達はセドリックの嫌味に慣れているのか軽く苦笑する程度だ。
まぁ、良いんだけどね。
そして、セカンドシーズンのセドリックルートのエンドを思い出す。
ハッピーエンドはセドリックとエマが相思相愛でラブラブなんだけど……私はエマが正妃になった為に形だけの側妃になりそのまま後宮で朽果てる。
正にキャサリンのバットエンド……と思うかも知れないがセドリックのエンドの中では一番のハッピーエンドだろう。
何故ならノーマルエンドでは、形だけの正妃になった私に兄達がセドリックの所へ押し掛け閨を一晩だけ共にする様に強要する。
はっきり言って鬼畜モードバリバリの愛もへったくれもない行為だ。
そして処女を失った翌朝、兄達に実家連れて来られた私は孕むまで兄達に蹂躙されるのだ。
髪と瞳の色が同じだった私達は、子供が生まれても私に似たと言えば大丈夫だと言う理由で……。
多分これが一番のバットエンドだと思う。
因みにエマのバットエンドは正妃の私と側妃のエマ二人をセドリックが毎晩無理矢理蹂躙するのだ。
俗に言う3Pというやつだ……最低だ。
結論から言えば、私にとってセドリックとの婚姻はイコール不幸の序章と言える。
兎に角セドリックの婚約者というフラグはへし折らねば。
私は意を決して兄達を見ると
「殿下と二人で話したい事があります。ガラス張りの温室でお話ししますので外から私達を見守って頂いても宜しいでしょうか?」
未婚の男女が密室で二人きりになるのは良くないけど、今回の話は誰にも聞かれる訳にはいかない。
あくまでも引かないという意思を込めて言えば兄達は快く温室へ行く事を許可してくれた。
多分兄達は私が婚約候補に本腰を入れたのだと思ったはず。
ガラス張りの前に護衛2人と侍女を2人置く事を条件に。
勿論兄達はそこより更に温室が良く見える、温室に隣接した庭の中にあるガーデンテーブルに陣取っている。
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