愛バラ

麻生空

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悪魔の君4

アンの目が点になっている。


どうするのよ。
これから私、アンに会うの気まずきじゃない。

キャサリンの台詞に言葉を挟む事も出来ずただアンを見つめてしまう。

そんな私を他所にキャサリンが更に話を進める。

「エマは前世でイヴァンルートを発生させる前に亡くなったのですって。だから、今生でその見れなかったスチルを見るって楽しみにしてましたのよ」

……確かにそうなんだけど……

「そして、イヴァンルートのグッドエンドとも言える結婚式のシーンを見て感極かんきわまったのですわ。同じ愛バラファンならその気持ち分かるでしょう?」

……確かにそうなんだけどね……

「そこに居合わせたセドリック殿下があり得ない勘違いをして悪魔の君のイベントフラグが立ってしまったのですわ」

えっと……ちょっと無理があるんじゃないかな……その説明……

そう思ってアンを見ると
「そうでしたのね。見れなかったシーンを見れた感動。愛バラのファンである私にも痛い程分かります」
何故か共感したアンがキャサリンの手を握りしめる。

もの凄く意気投合しているけど……良いのだろうか?

そう思って二人の方へと身体を乗り出すとライアン様が手で軽くせいする。
そして、人差し指を口許に当てて『シー』とジェスチャーで伝えて来る。
思わず拝みたくなってしまった。

「では、納得いった所で続きを話すよ」
ライアン様の言葉でキャサリンとアンが再び話に入って来る。


つまり、悪魔の君降臨の為にセドリックの次に親密度の高い男性が当て馬的な存在になり、嫉妬したセドリックの心に一瞬現れた闇にじょうじて悪魔の君がセドリックに降臨。

深淵の森と呼ばれる所にある館に行き、『愛の思い出』というアイテムを使うと悪魔の君をセドリックの身体から離せるらしいが……


「多分『愛の思い出』はエマが今着けている指輪で良いと思うのよね」
「そうそう、それを使えばセドリック殿下は元通りなんだわ」
キャサリンとアンが「これで解決」と手を取り合っているけれど

……

「ねぇ。そのアイテムを使うって具体的にどうやるのかしら?」

さっきから思っていた事を言ってみると二人の動きが止まった。

「使うって言うんだから多分空にかかげるとか?」
アンが自信無気にそう言うと
「何よ。使うって言うのは投げ付ける事じゃないの?」
とキャサリンが自信有り気にそう言う。
どちらも違う様に思える。
胡乱うろん気に二人を見てしまったのは不可抗力だと思う。

「ゲームではセドリック殿下の前でアイテムを使うって選ぶだけだったんだよね」
キャサリンが「ゲーム使えないな」とボソリと言う。

「アニメでは光輝く発光物をセドリック殿下の方へと掲げると、そのままセドリック殿下を包み込みパァーと光輝き次のシーンでは二人で抱き合っていたわね」
そう言ったアンは「案外アニメはイメージ重視だったのね」と項垂うなだれてしまった。

そんな私達の会話を聞きながらライアン様が一人何か思案していた。

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