ちえみちゃん耳舐めたら泣いちゃった事件

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ちえみちゃん耳舐めたら泣いちゃった事件

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     「ちえみちゃん、耳なめたら泣いちゃった事件」


 僕はこう見えても女性には奥手だ。
 いや、今はそうでもないか。若い頃は大変シャイボーイであった。キスとかエッチとか、他の友達より遅かったのではと思う。
 その男が初キッスに挑んだ話である。



 当時同じ高校の同学年(違うクラス)だった女の子と付き合っていた。僕にとっては憧れていた女子だった。まあ、それまで数人お付き合いした事があるものの、手を握る、抱きしめる、までしか出来なかった。
 つまり、、、最初の関門、「キッス」がどうしても出来なかったのだ。「さあ、どうぞ」ってくらいの女子からのモーションにも対応できなかった事が未だに悔やまれる。


 そして、その彼女とは結構長く付き合っていて、その頃の自分の中ではもうそろそろ、と言うタイミングだったと思う。
 当時の僕(いや、多分若い男子は全員)は、ホットドッグプレスと言う雑誌を読んで、如何に事を進めるかを熱心に勉強・研究していた。
 まだキスもした事ないのに、「どうやってベッドに持ち込むか特集」みたいなのを熱心に読み、男友達を相手に練習すると言うほどのバカさ加減。かなりのアホだ。
 でも男子なら多分理解してくれるだろう。でも今時の子は違うのかな。ネットでお勉強、ってよりおかずもいっぱいあるから済んでしまったりするのかな。

          *

 その彼女と、いよいよだ、と言う「勝負」デートの日。江の島の海岸沿いのレストランでコースで席を予約。入念にイメージトレーニング。
 コースは幾らだか忘れてしまったが、料理長が来て、料理の説明をしてくれて、良く覚えていない。最後に料理長に、

「お勉強させて頂きました」

 みたいな事を言われて、僕は意味が分からず「??」と言う顔をしていると、彼女は「ありがとうございました」って事よ、と僕に教えてくれた。
 ガキのくせに随分奮発したものだが、実態がついて行けずのぎこちなさ。



 食事の後に、浜辺に出た。日はどっぷり暮れていた。暗い浜辺の二人はそのままシーンに入って行った。
季節は多分初秋だった気がする。それほど寒くなく、丁度いい風が吹いていた。浜辺に出た二人はちょっと開放的な気分になる。二人だけだ。

 そこで今までの勉強の実践の時だ、、、、。

①(まずは、手を握る)

 「ホットドッグプレス」の「どう女の子を口説くか」その1である。

 僕はその通り手を握った。それはとても自然だった。


②(ひざまずく)

 そして僕は彼女の前にひざまずいた。彼女はちょっと驚いた様である。


③(彼女の手の平の手首にキスをする)

 誰も居ない砂浜で、男がひざまずき、女性の手首にキスをする姿。カッコいい。そう思っていた。


④(立ち上がり彼女を抱きしめる)

 OK. 良い感じだ。


⑤(彼女の額にまずキス)


 完璧だ。


⑥(そのまま彼女の唇にゆっくり自分の唇を移す)


 しかし、ここで予想外の事が起こる。彼女が唇を許してくれないのだ。きっと彼女もキスは初めてなのだろう。小さく、ちょっと首を横に振る。どうも無理な様だ。
 ここで、僕は仕方なくそれをスキップして、次の段階に移った。


⑦(キスの唇をゆっくりと耳に移動する)

 あくまで、ホットドッグプレスのマニュアル通りに行動。あれだけイメトレしているので、今さら変える事はできない。


⑧(耳たぶを噛む。耳の穴に舌を入れる)

 ここで僕に抱きしめられていて、全く動けない彼女は僕の腕の中で「しくしく・・・」と泣き出した。

(・・・・えっ!何で??)。


⑨(次は胸に手を伸ばし・・・)

 それどころではない。何故だ!?彼女は泣いている!俺なんか悪い事したか?
 純情な彼女の気持ちを全く分かっていなかった。キスもしたことがないのに、いきなり耳を舐められたのだ。。。

          *

 その後どう彼女をなだめたかは覚えていないが、全くマニュアル通りに行かなかったと言うより、単にマニュアルを信じ、その通りにやった僕のバカさ加減。学校の勉強はちゃんとやって来たつもりだが、そっちの方のお勉強は、こうやって学ぶのですね。

 そうやって若い頃積んだ経験が今活かせてるのかなぁ。。。てか、若い頃と違って、そもそもそのチャンスが無い。あれば頑張るのになぁ。。。


(了)
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