魔法適性の無い魔法使い

雪咲響鬼

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出会いの季節

スイ。

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いきなりの質問にヒビキが戸惑っていると。

「スイが自分から他の人に話しかけるなんて珍しいね?」
[まさか、惚れたの!?ねぇ、そうなの!?
どっち?おとこ?おんな?]

と、ユウカ、カレンがスイに話しかけていた。
(カレンの場合、問い詰めていた。の方が合いそうだが。)

「やぁ。スイ、はじめまして。でいいかな?
   リム。っていうのがグリム・ノーツのことを指すなら、いいえ。だ
   俺はグリム・ノーツじゃないし、服従させてもいない。」

[そう……なのか?
 だが、その目と、そこにいる2匹は確かに、リムの……
 彼の気配もしてたんだが……別なのか?]

ヒビキの返事を聞くなりボソボソと考え出すスイ。
ユウカと、カレンはスルーするようだ。
スルーされた本人たちは(カレンは不満げだが。)話についてけない。
と判断したのかヒビキの隣にいるユキを除いて、歩きながらアルマやナツミたちと遊んでいた。

「君がそう思ったのは、この目とアルマ、カルマ。そしてユキの存在だろう。
  だが、それに答える前に聞かせて欲しい。
   君は、グリム・ノーツの敵か?
   味方か?
  そして、俺達の敵か?味方か?」

[俺とカレンは召喚獣になる前、スイでもカレンでもないとき。
という意味ではなく、文字通り召喚獣の前は、たしかにリム。いや、グリム・ノーツの味方だ。俺達を彼女たちに引き合わせたのがグリム・ノーツなのだとしたら、必ず理由はある。それを確認するまでは……
  君たちの味方かどうかは判断できない。]

最後の方で言葉をきり、ユキのことを見てから、力強く断言した。

「なるほど。理解した。
   最後に一応確認する。
  グリム・ノーツの味方。ということは、金糸雀の味方でもある。という事だな?」
[それは……]
言い淀むスイを見ながら、言葉を続ける。

 「失礼した。
    はっきり言おう。
    金糸雀、グリム・ノーツの味方なのか、
   それとも、グリム・ノーツだけの味方なのか?」

そう聞かれて覚悟を決めたのだろう。

[なぜ、それを知ってるのかはいづれ、聞かせて欲しいが、こう答えることが正しいと判断し、応えよう。
  私、いや。私達は金糸雀、グリム・ノーツ。両名の味方だ。]

その答えを聞き、ヒビキは静かに息を吐き、ユキをみた。
「わかった。任せて。」
そう静かに答え、ユキがスイに話し始めた。
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