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刻み込まれる劣情 ※
「はぁぁぁ……、やぁぁ……」
身体を丹念に這う廉の舌にどれくらいの時間、翻弄されているのだろうか。
時折り与えられるチリっとした痛みが、美咲を現実の世界に連れ戻す。
「美咲の身体に散った赤い花が、消えなければいいのに」
欲望を滲ませた廉の言葉に煽られ、美咲の身体がぶるっとふるえる。
身体に散らされた赤い花は、廉の独占欲そのものだ。ゆっくりと確かめるように、散らされた赤い痕を指先がなぞり、足りないとでも言うように何度も何度も強く吸われる。
(本当に、この赤い花が消えなければいいのに……)
にじむ視界に写る赤い痕は、廉に愛された証。最後の一輪が消えてしまう時、心の中に残る廉の存在はどう変わるのだろうか?
きっと、恋焦がれて泣いてしまう。
二度目の別れに耐えられず泣く自分の姿が頭に浮かび、胸を切なく痛ませる。
たとえ廉がこの先、他の誰かと歩む道を選んだとしても、廉だけを一生愛し続けるのだろう。
廉に待っていて欲しいなんて、言えない。
別れを選んだのは私。私のワガママなのだから。
でも、欲張りな私は願わずにいられない。
廉が愛し続けてくれることを……
無意識に伸ばした手が握られ、強く絡む。
「美咲、俺をもっと感じて……」
強く握られた手を引き寄せられ、深く唇が合わさる。廉の舌に唇をノックされ、わずかに開いた歯列から侵入してきた舌に口腔内を刺激され、痺れるような快感が背を駆け抜けた。
『くちゅ、ぴちゃ……、ちゅぅ……』
口腔内を縦横無尽に駆け回る廉の舌を追い、自ら舌を絡めれば、待っていたとでも言うように強く吸われた。
吸って吸われて深くなるキスに、含み切れなくなった唾液が唇の端からこぼれ、首筋を伝い胸の谷間へと落ちていく。そんな些細な刺激にも敏感に反応し、美咲の身体は身悶えた。
「目がトロンとしていて、可愛い。キス……、気持ち良かったみたいだね」
離れていく唇を物欲しそうに目で追っていたのに気づいたのか、優しい笑みを浮かべた蓮にもう一度、唇を塞がれた。『チュッ』と淫雛音を響かせ、今度こそ二人の唇は銀糸の橋をかけながら離れていく。
(あぁぁ、廉とのキスも最後なんだ……)
胸に去来しては消えていく物悲しさを埋めるかのように、美咲は廉へと手を伸ばす。
(忘れたくない。もっともっと……、廉の唇の感触を覚えていたい)
美咲は廉の顔を両手でつつみ、心からあふれ出した欲望のままに、濡れて光る唇に喰らいついた。
口づけが深くなると同時に身体を這い回る手は、美咲の官能を引きずり出そうと躍起になる。乳房を揉まれ、その頂で赤く色づく実を指先で摘み転がされる。焦らされることなく与えられる快楽は性急で、廉の余裕のなさを美咲へと伝えていた。
「あぁぁ、いぃ…気持ちいぃ……」
首筋をたどり鎖骨へと降りていった廉の唇は、まろやかな乳房の上で赤い花を咲かせる。そして、赤く色づいた果実へと到達した唇に『かりっ』と実を含まれたとき、美咲の口から甲高い艶声が響いた。
時に優しく、時に激しく緩急をつけて与えられる官能は、身体の奥底に眠る官能の炎を目覚めさせる。ただ――、もどかしい。
ひどく、ひどくして欲しい。
忘れられないくらい、ひどくして欲しい。
優しく大切に扱われることが嬉しい反面、己の心は廉の激情を刻み込んで欲しいと訴える。
最後……、最後なの……
廉を忘れたくない。
廉の息遣い、汗と混じり合った濃厚な香り、激情を抑え込む苦しそうな顔、快楽に流され感じている顔、そして身体の奥底で爆ぜた後の優しい温もり。
廉の全てを目に焼きつけたい。
「――――美咲!?」
美咲は廉の胸を強く押す。そして、驚きで目を丸くする廉へと艶然に微笑むと、起き上がり廉を押し倒した。
「廉に感じて欲しいの……」
完全に勃ち上がり主張する廉の男根を、恐る恐るにぎる。美咲が廉を忘れたくないのと同じように、廉にも忘れてほしくない。その気持ちだけで、美咲は後先考えず行動に移していた。
「あっ……、熱い……」
手の中でドクドクと脈打つ屹立は、凶悪なほどに自己を主張している。
知識としては男の人が気持ち良くなる方法はわかる。しかし、経験がない美咲は熱く脈打つ男根を優しく握ったまま、動くことが出来ない。
「美咲、無理しなくていいんだよ」
どうすればよいかわからず震える美咲を、半身を起こした廉が優しく抱きしめる。なだめるように、背中をポンポンと撫でられ、美咲の瞳に涙が浮かぶ。廉の愛撫を中断してまで行動に移したというのに、今さら弱腰になっている自分が情けない。
でも、ここで止める選択だけはない。
「違うの……、初めてで。どうすればいいか、わからないの。お願い……、廉、教えて」
背を撫でていた廉の手がビクッと揺れ、握った男根が呼応するかのように固くたぎる。手の中で、大きく硬さを増した男根に驚いた美咲は思わず手を離してしまった。
恐る恐る見上げれば、廉は片手で顔を覆い天を仰いでいる。
「……たくっ。俺の気も知らないで。無意識で煽っているんだよな。美咲に限って、わざとは、あり得ん……、はぁぁ、本当に出来る?」
これ幸いにとコクコクと何度も頷いていたウブな美咲は気づいていなかった。ブツブツとつぶやかれた廉の言葉にこそ、彼の欲望が混じっていたことに。
「わかったよ。美咲、舐めることは出来そう?」
廉の言葉に促され、手の中の男根の先端をペロって舐めれば、脈打つ屹立がビクッと震えさらに固さを増す。ピクピクと手の中で震える男根がなんだか可愛くて、美咲はもっともっと反応して欲しくてペロペロと舐めてみた。
「くっ、先端、くわえられる?」
指示に従い硬度を増した男根を口に含むが、あまりに大きく先端部分しか含むことが出来ない。口いっぱいに頬ばっている美咲は、モゴモゴと唇をわずかに動かすことしかできない。それでも、男根の硬度は増していく。
「舌絡めて……、うっ、手……上下に動かして」
なんとか含んだ先端を舌で舐め唇でハムっと刺激を加えれば、廉のくぐもった声が聴こえてきた。
(感じてくれているの?)
美咲のつたない愛撫に硬度を増しビクつく男根と口内へと広がる苦味。性知識に乏しい美咲でも男性が快楽を得ると起こる反応くらいは知っている。
「……美咲、うら、うらなめて……」
呼吸を荒げ、余裕なく伝えられる廉の指示を聴きながら、美咲の中の欲望もまたふくれあがる。
(私の愛撫で、廉を感じさせたい。もっと、もっと私を感じて欲しい)
美咲は心の中でふくれ上がった欲望のまま、ビクビクと脈打つ男根にむしゃぶりついた。
裏筋を舌で丹念に舐め、時折り男根の先端を口に含み、上下に唇を動かす。そして、唇に含み切れない部分は必死に手を動かした。ビクッ、ビクッ、と反応すれば充填的にその部分を攻め、男根からタラタラと流れる精液が、唾液と混ざり合い手を動かす度にぐちゅぐちゅと卑猥な音をあげる。
「……うぅぅ…はぁぁぁぁ……」
廉の低く艶かしい声に煽られ、美咲の隘路が潤み出す。
(はやく、はやく、廉とひとつになりたい)
脈打つ男根への愛撫を止めた美咲は、廉を押し倒し馬乗りになった。
「美咲? ま、待て……、まだ早い!!」
廉の叫びが美咲の耳を抜けて消えていく。
慣らしていない隘路に凶悪なほど大きな男根を受け入れるリスクもわかっている。それでも良かった。
その痛みこそ、美咲が求めるもの。
美咲は覚悟をもち、潤んで愛液を垂れ流しジンジンと疼く隘路へと、熱く滾った屹立を受け入れるべく腰を落とした。
「ひぃぃぃぃ!! あぁぁぁぁ……」
自重でゆっくりと沈んでいく男根は、愛撫を与えられていない隘路には凶器でしかない。ジュクジュクと狭い隘路を割りひらき進む熱隗は、耐えがたい圧迫感と引き攣るような痛みを美咲へと与える。ハクハクと浅く呼吸をし、力を抜こうともがいても凶悪なほど大きな男根は、それを許してくれない。
衝撃に耐える美咲を起き上がった廉が、抱きしめる。その動きにも内壁を擦られ、美咲は悲鳴をあげた。
「無理して……、大丈夫じゃ、ないよな」
気遣うように背中を撫でられ、ゆっくりと深く呼吸をするように促されれば、わずかに痛みが和らぐような気がした。
廉もまた、動かず美咲の力が抜けるのを待ってくれている。
トクトクと鳴る廉の心臓の音が、蜜道をみっちりと埋め尽くしドクドクと脈打つ廉の男根の音と交わり堪らない。
あぁぁぁぁ、廉がいる……
「大丈夫……、だから、おねがい。廉を私に刻み込んで……、忘れたくないの」
美咲の言葉に、廉が息を飲む声が聴こえる。それを最後に、美咲の意識は真っ赤に染まった。
「美咲、愛している……、永遠に、永遠に……」
隘路を穿ち、抽送が激しくなる。ガンガンと穿たれる隘路の奥深くが、ジンジンと鈍く痛む。
この痛みが、欲しかった。
廉の劣情が刻み込まれる。
きっと、忘れない。廉の熱を……
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